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3滴目「約束の日」

とうとう大事な話をされる日当日になり、檸音の家に向かった葵。一体大事な話とは何のことなのだろうか、、、、、、

ピーンポーン


檸音の家のインターホンを押す

いつもはこんなに緊張しないのに

今日は手の震えが収まらない


『鍵空いてるから入っていいよー』


少し古いインターホンのせいか

檸音の声がかすれて聞こえる


いつもよりも力を入れて玄関の扉を開けた

もちろん内装はいつもと変わらない景色だが

少し空気が重く感じる


僕の考えすぎだと信じたいな、、、


『ごめんね、休みの日に急に呼んで』

「いや、全然大丈夫だよ!」


話をするために檸音の部屋に向かった

と言っても、いつも檸音の家に遊びに来る時は

いつも檸音の部屋で遊んでいる



『「・・・」』



エアコンの効いた部屋で蝉の声が響く



『「あのさ!」』


「あ、えっと、先に話して!」

『いや、俺は後でいいよ』


変な気まずさが部屋中を充満させる


「えっとさ、今日の大事な話ってさ、、僕たちの関係について、、かな?」

『いや、それは、、その、、えっと』


どうなんだ?

1番考えたくない結果としては

別れ話を切り出されることだけど


「もし、僕が檸音に悪いことしたなら今すぐ謝る!!って言っても何が悪いか自認してないとダメだよね、、、ごめん」

『いや!そうじゃないんだ、葵は一個も悪くないよ!悪いのはむしろ俺っていうか、、、』


檸音が悪い?

ここ最近の檸音の行動は何も悪いことはしてないはず

前は約束の時間に遅れたりいろいろあったけど


『今日はさ、俺のことについて話したいことがあって呼んだんだ』


あ、またラムネの匂いが()()()()()

昨日と一緒だ


檸音は最初に会った時から不思議と

ラムネの匂いがする

でも、この匂いは僕以外()()()()()()()らしい


『その、実はさ、、、』


檸音の首に汗がたれている

手も小刻みに揺れて緊張しているようだ


『!、あ、葵、、、』


僕は檸音の手を握ってあげ、じっと顔を見つめた


「いいよ、なんでも話して。僕は檸音の味方だよ」

『葵、、、!』



『その、実は俺さ、、、、、、』





『部活辞めたんだ!!』




「、、、え?」


『いやさぁー、なぁーんか俺に合わないっていうかなんというか、、、とにかくめんどくさくなったから部活やめたんだ!』



、、、思っていた結果と違った、、、、、、



なんだろう

安心もしたけど何か腑に落ちない

でも檸音はいつもとおんなじ笑顔で僕を見ている


檸音はバレーボール部のエースとして活躍していた

中学生からやっていたこともあって

入部してすぐ注目を浴びていたほどだ


それなのに今部活を辞めるなんて、、、

しかも「()()()()()()()()」ってなんだ?

入部して1年3ヶ月経つのに今更合わないだなんて、、、


でも檸音の表情を見るに嘘はついてない

手の震えも少し収まっている

でもラムネの匂いはまだ薄いままだ、、、


「部活を辞めたって、、、ホントにいいの?頑張ってたじゃん!」

『んー、うん!なんか別に後悔も、無いしさ』


少し声が詰まっている

まだ気になることがあるけど今聞いても

聞き出すことは難しそうだ


『だからさ!これからいっっっぱい遊びに行こうぜー!毎週出かけてもいいくらいだ!!』

「さ、さすがに毎週はきついでしょ〜笑」


まぁ、これからの僕たちの関係は変わらなそうだし

ひとまず安心した

一気に体の緊張がほぐれて体が軽くなった気がした


「じゃあ今日話したかったのはもう話せたってことでいい?僕てっきり別れ話されるのかと思ったよ」

『うん、これで終わり、別れ話なんてする訳ないよ!!笑』

「にぃちゃーん!!ただいまぁ!!アイス買ってきたよぉ!!」

「おい!優真!!帰ったらすぐ手ぇ洗え!!」


『あ、優真たち帰ってきた、おかえりぃ!!』

「あれ、兄ちゃん友達来てるのー?あおい兄?」

『うん!そうだよ!!葵もアイス食べて帰りなよ、優真も喜ぶし』

「そうしたいところだけど、この後姉ちゃんたちの買い物の手伝いしなきゃいけないから」

『そっか、じゃあまた明後日、月曜にね!!』

「うん、またね!」














『、、、、、、ごめん、葵』















「あれぇ?あおい兄帰っちゃうの?」

「あ、優真くん!ごめんねこの後用事あるんだ」

「えぇーそっかぁ、、、」

「また今度一緒にゲームしようね」

「うん!約束だよ!!、、、あ!そういえばあおい兄」

「ん?どうしたの?」

「兄ちゃんから最近流行りのつぶつぶ貰った?」

「つぶつぶ?」

「そう!つぶつぶのお菓子?って兄ちゃんが言ってた!!なんかいっつも夜ご飯の後に何粒かたべてるんだぁ、でも兄ちゃんにちょーだいって言ったら、『これは大人の食べ物だからダメ!』って言われたんだぁ、、、」


流行りのつぶつぶのお菓子は聞いたことがない

あの檸音が弟にお菓子をわけてあげないわけが無いし

それにいつも夜ご飯の後に食べる?

それってもしかして?


「優真くん、多分それお薬だね」

「くすりぃ?」

「うん、もしかしたらお兄ちゃん風邪ひいてるのかもね」

「えー、そうなんだー、今度もう1回兄ちゃんに聞いてみるね!」

「うん、じゃあまたね優真くん」

「うん!バイバーイ!」




檸音が風邪をひくなんて珍しいなぁ

とりあえず大事な話がそこまで重い話じゃなくて良かった

部活を辞めた理由は少し引っかかったけど

それはまたおいおい聞いてみよう


そうして俺は昨日からあった不安を無くし家に帰った



あれ、そういえば檸音

最初の方に

『葵は一個も悪くないよ!悪いのはむしろ俺っていうか、、、』って言ってたよな、、、

別に部活を辞めること自体は悪くないし

それに部活を辞めたことを話すには緊張しすぎな気がする、、、

もしかして、、、、、、









まだなにか隠してるかな?


まぁ、考えすぎも良くないよね


3話目いかがでしたか?

まさか部活を辞めたとは!!大事な話をするにと言う割には少し大袈裟な気がしますね、それに途中の『ごめん』は一体何に対してなのか、、、とりあえず二人の関係が変わることはなさそうです!!良かったですねぇ

そういえばどうして葵は檸音からラムネの匂いがするのでしょう?謎ですねぇ

さて、次に二人が会う月曜日は学校ですが、新たな登場人物の[友達]が出てくるかもしれません

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