盤面は二転三転③
西の塔にたどり着いたので一旦作戦を立てる。
このバトロワでは残り人数が最初の段階では公開されていない。試合開始から三十分経った後に公開される。
今の経過時間はちょうど十五分。三十分を過ぎたくらいには重戦士で真ん中に陣取っていたい。
しかも、あのアサシンに対抗する術を軽戦士は持っていない。強いていうならばジョブチェンジャーだが、人の前で使ったことがない以上どう転ぶかわからない。まだ危ない轍を踏む時ではないと思うので、いまはジョブチェンジャーを使った方が無難だ。
「ジョブチェンジャー」
ジョブチェンジャーを使って真ん中にゆっくり行く。重戦士は長距離が得意な相手に打点はないが、盾を構えていれば相手も同じ。
このバトロワにおいては一人のプレイヤーに固執しすぎるのは良くない。なぜなら他のプレイヤーに後ろから奇襲される恐れがあるからだ。
ジリジリ真ん中に進んで行って障害物に隠れる。そうすると盾を構えることで近づかないと攻撃ができないようにできるからだ。
そうしてもう一つ。隠れれば、ハンマーの超火力で奇襲ができる。また、目立つところにいれば狙ってきてもハンマーに当たるというリスクが生ずる。そうすると倒したとしても自分がダメージを食らった状態になる。ソロバトロワにおいて目立つところにいるハンマー使いの重戦士を狙うのは得策ではない。
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そんなことを考えていると、近くに獲物の音がする。相手は障害物で見えないが、音で大体の場所が分かる。
「ヒット」
つまり、一撃で倒せる相手なら倒すのは余裕ということだ。ちなみに『ヒット』は物理での攻撃に10%のブーストがかかるという能力だ。一回の攻撃に対してに対して発動できるので、使う時は大きめのダメージの方が効果が大きい。
多分『ヒット』を使わなくても倒せると思うが、安全策を取るに越したことはない。攻撃をして倒しきれなかった場合、クソみたいな隙をさらすことになる。
そうして見つけた家屋の中で休憩する。一直線に真ん中に向かって進み続けてもスキルのクールダウンが明けずに苦戦するだけだ。
もう一つの理由は、……追われているからだ。さっきのアサシンに。流石にさっきのプレイヤーとはバレていないだろう。役職は違うし、ヘルメットで顔が隠れている。ただ、最悪の事態なのには変わりない。『ジョブチェンジャー』のクールダウンは……あと二分弱。
「というかなんでまた遭遇するんだよ」
後の瞬発の暗者と交代の戦士は今、メインジョブでの邂逅を遂げる。




