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8:魔物判明

 次は防具屋だったのだが、俺は子供だ。サイズが合わず大幅な手入れが必要で購入不可能だった。

 そこで採寸され特注品になるのだ。ハードレザーアーマーに同じくズボンと小手にブーツだ。

 こげ茶色の革製品だな。油で煮詰めて強度を強化、火に弱いって事だ。

 代金は市販品より安くなった。何せ使用する素材が少なくて済むからって話だな、銀貨七枚の先払いで明後日の朝以降に受け取りだ。


 そして後の時間は狩のお時間って事で西門から出て森を目指す。金属量が少なく槍と比べて絶対的に軽い。

 犬ころ二匹同時だろうと瞬殺可能なレベルで早くなった。盾の出番が無い。

 そして森の中では相変わらずの採集しながらで、魔術も鍛えなきゃならんって事で風術を使っている。火術が強いのだが火事はマジ勘弁である。

 無詠唱では無く詠唱を端折って【ウインドアロー】で倒し、スキルレベルが上がれば【ウィンドスラッシュ】へと移行し、紡ぐだけで相手の首がポロリなのだ。

 昼食の匂いで来られても困るので周囲一帯を排除して食事を済ませる。そして昼からの対ゴブリンは盾で倒す事にする。

 張り倒して張り倒して張り倒して張り倒す。筋力が上がったので一発PKなのだよ。

 そして、昨日頭上から襲われた地点を中心として扇状に奥へ奥へと討伐していく事にした。

 最初は突然の攻撃に対してバックステップに縮地を利用して距離を取り、正面からガチに勝負を挑んでいたのだが、三匹目から潜む場所が明確になりカウンターで迎え撃つ事が出来るようになった。

 そうなると今度はリーチの問題で安全にとは言えず、槍と交換して進む。

 そこまで行くとカウンターも確実になり鑑定をする程度の余裕も出て来たので鑑定してみた。


 ウイングキャット

 レベル:15

 種族:猫族

 状態:健康

 HP:197

 MP:69


 見た目から猫の種族だとは思っていたが、まんま猫だったのね。それなら木の上から急襲するのも不思議じゃない。背中から落としてもきちんと着地する運動神経の持ち主だからな。

 同時に複数から襲われた場合は対処がどうなるか怪しい。今は個別だが、対象が余りに近い場合は避けるべきだな。そういう訳で、個体で活動してそうなのを探しては倒す事を繰り返して早めに帰路についた。

 帰りにお土産とばかりに、目印の果物店に寄り、生で美味しくいただける品を選んで買って帰るのだった。


「ただいまー、お土産買って来たよ」

「お帰りなさいお兄ちゃん、お土産って何?」

「まぁ直ぐそこから買ったんだけどね、食べたかたから果物買って来ちゃった。はい」


 と、形はリンゴに似ているが、紫のどぎつい色をした、クラップルと言う名の果物だ。


「テリスト君良かったの? 結構高かったでしょ」

「どんな味か食べてみたかったからね、いずれはあの店に並んでるのを制覇したいんだよ。

 それよりさ、あの魔石小を落とした魔物がわかったよ」

「ん~、怪我はしてないようね、それで何だったの?」

 足先から頭の手辺まで確認された。

「猫だよ猫。ウイングキャットって名前で、LV十五の」

「お兄ちゃん凄い! その猫、厄介だからって誰も倒さないの」

「もしかしてリーズってば遭遇した事あるの?」

「うん。一度だけどね、お父さんの交易に付いて行ったときにその猫が襲って来たの」


 それは災難だな、先に見つけられるかが胆だし、最接近された時点で見つけたら一撃はもらう覚悟じゃないと対応無理だよな、あれは。


「それは、災難だったな」

「あの子をペットに出来たらいいのにね」

「まぁ、確かに抱き枕にして寝たくはあるかな?」

 寒い時期ならありかもな。各個体で毛の模様とか違うし、好き嫌いがありそうではあるが。

「テリスト君はまた倒したのよね、今日の成果を見せてもらえるかな?」

 正直、採取は余り重点的に行っていない、あの猫のいる領域では、其方へ意識を傾ける余裕が無かったのだ、そしてこれが今日の成果だ。


 薬草×十四本

 月夜草×十本

 魔力草×二十一本

 犬皮×三枚

 錆びたナイフ×三十二本

 ミル皮×十七枚

 魔石極小×五十二個

 魔石小×十三個


「驚異的な数字ね。百体以上倒してるし、それに金額も跳ね上がりそうね」


 まあねぇ、感知で探すから遠方の魔物もだいたいの位置がわかるんだよね。闇雲に探さなくて良い分、短時間で探せますと言いますか。


「八千三百五十リルで、金貨八枚と銀貨三枚と銅貨五枚だね、だけど薬草類どうしようか、色を付けたって言ってたし、安くなりそう?」

「あの値段で買うそうよ。道を覚えているならテリスト君が行って来る?」

「流石に覚えてないかな。あの時、それ処じゃなかったし」

「それなら明日、父さんたちが帰って来てから案内してあげる。それじゃ七千四百五十リルね」

「お兄ちゃん物凄く稼げたね。初心者と思えない金額だよ」

 昨日は短時間でお試しだったが。今日は朝のお手伝いをしたとは言え、結構な時間戦ったからね。しかし。上限無しでように買い取って大丈夫なのかね? 在庫がだぶつきそうだけど。

「そう言えば母さん、そんなに買い込んで大丈夫? 在庫だぶつかない?」

「供給が足りてないもの。買い取れるだけ利益が出るのよ、心配せず倒してらっしゃい。その分潤うから」


 確実に高値で売れるなら良いのか、在庫あるだけ売り上げ増えるもんな。

「それなら良いんだけど、しかしウイングキャットか、誰も狩らないなら狩放題だね。狩場が空いてていいや」

「慣れてきた頃が危ないのよ、気を引き締めてね」

 その日は何処にも出かける事無くお店の手伝いを行い就寝するのだった。

 例の果物、リンゴよりすっぱくて食べずらかった。


____________________________

 テリスト

 レベル:27

 年齢:9歳

 種族:猫人族

 状態:健康

 HP:440

 MP:203


 装備品:鉄の短槍(百五十cm)

 資金:九千九百九十リル

 予備武器:鉄製エストック(刃渡り四十cm)、ラージシールド(小円形盾、直径三十cm)



 

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