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4:記憶喪失と鑑定結果

 気が付けば頭痛が激しくまともに動けない状態だった。誰かがガルーダを仕留めて俺を助けてくれたのか? そうでもなければ生きてないわなぁ、咀嚼せず飲み込んだガルーダに感謝だな。


 しかしこの天井は見たことがない。ということは、ここは皇宮ではなく別の家ってことになる。その方が嬉しいのだが、この首の拘束具と……あれ、首輪がないな。あの犬の首輪に似た奴、もしかして外してくれたのかな? これはますます持って体調が回復したらお礼をしないとな。

 同じく腕輪を嵌めている感触もない、そちらも取り払ってくれたのか、やっぱりこの頭痛は飲み込まれたことの副作用なのかね。このままで耐えてるのも嫌なんでとっとと治療するか、【キュア】を自身に向け魔術を放つと頭痛も収まり快調快調といってもいいほど楽になったのでとりあえず起きるか。お礼をいわないとな。

 そして俺がベッドより身を起こすと突然横合いから抱き着かれた。


「お兄ちゃん! お兄ちゃん気が付いたんだね、お母さん、お兄ちゃんが気が付いたよ!」


 お兄ちゃん? 見るからに俺より年下そうではあるが、なんで飛びつかれるほど、仲も良くないというより初対面の俺に抱き着くんだ?

 しかしこの子の頭にあるのって猫の耳だよな。ちょっと尖ってそうで柔らかそうで、あのピクピク動くあの感じは猫耳で間違いない。ちらっと聞いた猫人族なのだろう。

 それにしてもなんだか変だな、初対面の相手に母親も呼ぶかね? それほど長期間お世話になっていたとか?

 話は母親が来てからでいいか、とりあえず首輪も腕輪もなくなったことだしと、首を撫でると爪が引っ掛かりちょっと痛かった。

 ちょっと待てと手のひらを自身に向けて確認すると爪が一cmほどに伸びている。

 何時もは深爪しない程度、一mm残して切るのがマイブームだが、こんなに伸びるまで寝込んでたのか? よく見ると腕もかなり細い。俺ってめちゃくちゃ寝込んでやせ細ったのか? いや、それにしてはなーんか違和感が……そこで体をあっちこっち触ってみて完全に把握できた。これ、他人の体だ!

 この子と同じく耳がある。ついでにお尻の上付近から尻尾ある。この子が正常で、俺はこの子の兄の体をぶんどったようだ。

 そりゃもう冷や汗ダラダラである。どうすればいいのよこの状態、前の俺の情報を教えたら確実に変人扱いだよな。

 ここはひとつ、記憶喪失で押し通そう!


「テリスト君やっと目覚めたのね、母さん心配しちゃったわよ」


 ほっとする様な柔らかい微笑みをもって部屋へと入って来たのだ。

 俺の名前、テリストらしい、なんと切り出すべきか……記憶喪失ならこの一手しかないか。


「えーと、どなたですか?」

「え、テリスト君、寝ぼけているの?」

「いえ、初対面ですよね? どなたですか?」


 もうね、気まずいったらありゃしないんだわこれが、二人とも目を見開いて完全フリーズしてるし、焦点が定まらないとでもいうか……。


「お、お兄ちゃんが記憶喪失だ!」

「そ、そんな、お医者様に見てもらわないと駄目ね。そ、そうね、顔色は良さそうだし今から直ぐにいきましょ」


 汗だくで臭そうな俺を、構いもせずにお姫様抱っこして連れ出した。そして神殿と思しき巨大な建築物に運び込まれたのだ。流石に数日間は寝たきりであろうから臭いかなと思い、ひっそりと【クリーン】を掛けておいた。

 家から連れ出されたわけだがここって、どこの国なのよって話だ。見るからに石材の建築物が大半で二階建てや三階建ては当たり前、ちらほらと四階建ての建物まである。

 それに行きかう人々は人族が極端に少なく、獣人種というべきか、様々な見た目の者たちがいる。虎、ライオン、兎、猫、羊、犬、熊、狐といった具合だ。まぁ頭からの頭髪や耳やらで判断したんですけども。


「先生、申し訳ありません。この子、記憶が全くないような感じなんです。お願いします、診察をお願いします」


 先生と言ったその相手の方、どう見ても神官ですな、ダルマティカぽい服装だ。

 身長は不明、たぶん虎人族だ。鑑定はしてない。


「それは大変ですね。場所を変えましょう、こちらです」


 そして案内された先の椅子に座らされいくつも質問を受ける。

 この国の名は? 国王陛下の名は? 今女神歴何年何月? 今連れて来られたこの女性の名は? 一緒ににいらしたこちらの小さいお子さんの名は? お父さんの名は? お父さんの職業は? ご自分の名は?

 唯一分かりそうな女神歴だけ月数まで答えた、女神歴千三百六十五年十月と。


「辛うじて今が何年なのかは覚えていらっしゃいますが、やはり高熱の弊害でしょう。大部分の記憶に傷害を負ったと考えるのが妥当でしょう」

「そんな……ああ、テリスト君!」


 口元を押さえてボロボロ涙を流してるのがいたたまれないが、こればかりはどうしようもない。慰める言葉をかけることすら不可能だ。


「そうですね、なんにせよ一度鑑定を施しましょう。なにか原因が掴めるかも知れませんから」


 そして同じく俺も鑑定した結果がこれだ。


 テリスト

 レベル:1

 年齢:9歳

 種族:猫人族

 状態:健康

 HP:13/15

 MP:3/7

 力:F

 体力:F

 敏捷:E

 魔力:F

 抵抗力:F


 固定スキル:<付与魔法Lv1>

 レアスキル:<取得経験値増加Lv10>


 パッシブスキル身体系:<体力強化Lv1><敏捷強化Lv1><腕力強化Lv1><魔力強化Lv1><自動MP回復Lv1><自動HP回復Lv1><斬撃抵抗Lv1><打撃抵抗Lv1>


 パッシブスキル魔法系:<無詠唱_><同時詠唱Lv1><火抵抗Lv1><風抵抗Lv1><土抵抗Lv1><氷抵抗Lv1><雷抵抗Lv1><光抵抗Lv1>


 アクティブスキル物理系:<剣術Lv1><刀術Lv1><槍術Lv1><棒術Lv1><鈍器術Lv1><短剣術Lv1><二刀流Lv1><変則二刀流Lv1><弓術Lv1><投技術Lv1><盾術Lv1>


 アクティブスキル魔法系:<火術Lv2><風術Lv1><土術Lv1><水術Lv1><氷術Lv1><雷術Lv1><光術Lv1>


 その他技能系:<縮地Lv1><気配探知Lv1><気配遮断Lv1><魔力探知Lv1><魔力操作Lv1><鑑定Lv1><収納Lv1><生活魔法_><魔道具製造Lv1><鍛冶Lv>


 装備品:なし


 これまた大量に覚えてるねぇ。あの地獄の猛特訓の成果といえば成果だが。

 唯一のレアスキル、あの兵士に強制的に上がらない状態にされたからその反動かもな。唯一レベルが上がっている経験値取得は。


 そして手渡された鑑定結果を写し取った羊皮紙を見てこれまた絶句している二人だが、妹らしき女の子の方がどうやら適応力が高い様だ。


「お兄ちゃん凄いね。いつのまにそんなスキルを取ったの?」

「うーん、お兄ちゃんは兎も角分らないよ。気がついたら頭に耳あるし、尻尾はあるし、どうなってるのかこちが知りたいよ」


 そして復活した? 母さんが声を掛けてきた。


「詳しい話は家に帰ってからね、それでは先生お世話になりました。代金の方はいつも通りにお願いします」

 

 そして帰り道に俺は考える、気まずいってもんじゃないよなぁ、本格的に居場所がない気がする。それに口調が確実に違ってるよな。それに、俺のとってる態度もあからさまに違うだろうし、結局このまま突き通すしかないわけだが、どうしたものかな、と、延々帰りつくまで考えるも、無駄な努力であった。

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