非常識王女 共通① 惑星システマード
「はー大臣ムカつくわー絶対死刑にしてやる」
策略により星を追放されたマインドは小型の宇宙船を操縦し、移住先を探している。
「思い出しただけでも腹が立つ!」
モデルガンで的を射るゲームを始め、怒りをぶつけた。
豪遊散財によるものならまだしも、なぜちゃんと世界管理をしていた私が追放されなければならないのか?
「ちょっ誰よ!?」
マインドはびくりとし、操縦機のレバーから一瞬片手をはなす。
目の前に宇宙船が飛び出してきたのだ。
「私に対する挑戦かしら?」
予想になかった煽り運転が開始される。
――宇宙の頂点に惑星システマードはある。宇宙から生まれた神が始めに作ったものだ。
それは“管理”人間や悪魔、ひいては天使すらをも正しく導く者。
神はその星に己の分身たる宇宙の王を作る。
それは完全に神に近づき、役目を終えた神は眠りについた。
王となる資格があるもの、つまりは王の子はその多くが不死に生まれる。
全能で両性である王には人間でいう性別というものがなく己の意思で卵を産み落とす。
それが神の作った天使とも人間とも異なる特徴だ。
自ら死を選ばない限りは年をとらない。しかし生まれが不死でない先王は即位して三日で暗殺された。
残した一ツ卵とされる王女マインドが次の宇宙王と定められている。
彼女はシステマード星に住まうことを許された人間から慕われている。
しかし彼女の存在を認めない者がいる。
それは神の子である王の次に権威を持つ天使の子達、すなわち貴族層だ。
『殿下、ジュプスでの戦が鎮圧されたそうです。次はどの惑星へ波乱を起こしましょう?』
『まだ戦が起きていない星で起こすべきです』
私の発言を待たずして、大臣の一人が腹を揺らしながら現れた。
階級は宰相から数えて三番目の男である。
『もったいぶらずに結果から言え、3位大臣、どの星が良いと考える?』
『次の戦はドゥーブル星で起こしてはどうでしょう?』
理由を聞かずとも、私の返答はノーである。
『却下だ大臣3位。近隣の星において何度も戦を始めては星民が不振がるからな』
この考えに間違いはなく故に誰も反論しない。
想定通りに異存の言葉を噛み砕き大臣は着席した。
――星において戦は規定路線であり、我々が管理しつつ鎮圧要員の降臨の指示をだす。
その会議で一番、人のナリがわかるのだ。
『戦で出会った者達は如何いたしましょう?』
『それらは各自の星神によって采配が下るだろう。色恋沙汰は我々の管轄外だ』
大臣の中には星民の人生を操作しようと考えるものがいる。
しかし、それらは私達がやるべきことではない。
なぜならここではない場所で人生を管理する場所があるからだ。
このシステマードでは主に惑星に住まう人間、それらに関わる天使や悪魔などを送り込むまでを斡旋する。
私たちは宇宙の流れを調整しているのであり、個々の民の感情まで掌握する事は許されない。
『人間の番を決めるのはこの星ではない。不満がある者はクドゥーラ星へ行け』
『問題が起きました!』
『なんだ』
第六位の大臣が焦った様子で現れる。
『第9大臣クタルが星を離脱しました!』
『……どうせ女の元かかクドゥーラ星にでも行ったのだろう。追っ手は少数で構わんが見つけ次第は規約通りに記憶を消せ、逆らえば存在を消せ』
『は!』
この星は他星の民と結婚が許されていない。
出るには記憶を消去する事を第一の条件としているのだ。
『……はあ』
『星を出るのは貴女ですよ』
3位大臣は下卑た笑顔で長銃を構えた。
『お逃げください!!』
私は不死なので撃たれても何ら問題はないのに、宇宙船に乗せられて追放されたのだ。
私があの星のシステムそのものだから星はもう機能しなくないのに愚かな奴だわ。
――さてどこへ移住すべきだろう。
私は先の事は必要がないから考えない。
計画してもどうせ波状するのだから、問題は起きてから考えるべきだ。
「あ」
そうだわクドゥーラに行こう!!




