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溺愛公爵のキュートアグレッション  作者: 猫塚ルイ


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第11話

「たしかに、私はまだ少し怖いです。でもそれは、シュタルク様じゃなくて、未知のことに対する不安で……。あなたのことが怖いわけではありません」


私はぎゅっと拳を握り締め、まっすぐな気持ちを紡ぐ。


「だって……それだけ愛してくださっているんでしょう? シュタルク様のおかげで、私の心はここまで温かくなりました。だから、何をされても……受け止めたい。私は、あなたと一緒に前に進みたいんです」


最後の方は、勇気を振り絞って囁くようにしか言えなかった。


それでもシュタルク様の耳には届いたようで、彼はしばし呆然と私の言葉を反芻しているようだった。


そして次の瞬間──


彼の蒼い瞳に宿っていた葛藤の影が晴れて、代わりに眩いばかりの光が灯った。


「……メリッサ」


名前を呼ぶ声は、今まで聞いたことのないくらい甘く、蕩けるようだった。


シュタルク様は私の手を取り、その甲に唇を押し当てると、熱い吐息混じりに囁く。


「俺は……君のその優しさにつけ込んでしまいそうで、やはり怖い」


「それでも君は、俺とシたいと思うのか……?」


「はい」

私は震える声を精一杯張り上げて答えた。


「シュタルク様と一緒になりたいです」


胸の鼓動が痛いくらい高鳴り、頬が火照るのを感じながらも、真っ直ぐに彼を見つめる。


彼の蒼い瞳が一瞬揺らいだかと思うと――


次の瞬間には優しく引き寄せられ、力強い腕に包み込まれていた。


「ありがとう、メリッサ」


耳元で響く低い声。そこには確かに安堵の色がありつつも、


さらに深いところで何かが解放されたような気配を感じさせる。


「だが…もし本当に怖くなったときは、我慢せず蹴り飛ばしてくれ」


「蹴り……飛ばすのは、難しいかもしれませんけど……」


私は頬を染めながらも、精一杯の意思表示をするために微笑んでみせる。


「大丈夫です。私も、一緒に溶け合いたいですし…シュタルク様に求められるのが何より嬉しいんです」


「……そう、か」


シュタルク様の唇が、小さく弧を描いた。


その微笑みは、いつもの冷静沈着な伯爵のものではなくて


ただひとりの男性としての、無邪気な喜びに溢れていた。


そして、背中に添えられた彼の指が微かに動き


衣擦れの音とともに、私たちの距離がゼロになった。


◆◇◆◇


シュタルク様の部屋のランプが温かい光を投げかける中、


二人の身体がベッドの上でもつれ合う。


彼の唇が額や頬に落とされるたび、


私の中で小さな期待と羞恥が交互に押し寄せてくる。


「本当に……いいんだな?」


ふいに問いかけられ、


私はぎゅっと瞼を閉じて小さく頷いた。


「……はい」


その答えに彼は満足したらしい。


私の夜着に手がかかり、ゆっくりとはだけさせられていく感触。


肌寒い空気が素肌に触れ、思わず身を縮めると


すぐに温かい掌が覆いかぶさってきた。


「隠さないでくれ…とても綺麗だ」

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