かけがえのない日常
あれから数日が経った。ホワイトファングの連中の遺体は回収し弔った。俺とフレイヤもなんとか回復して普段の生活に戻っていた。だが、
「さぁてと、どうするかな。」
王が俺の家で悩んでいた。悪魔の存在を公表するかということだろう。
「個人的には上位冒険者のみでいいと思う。どうせ貴族連中は知っているんだろうしな。」
貴族と一般市民との壁は高いのである。一般市民が悪魔の存在を知ったところでなにもできない。ただ慌てさせてしまうだけだ。貴族もなにもできないのだから。
「ゴールドランクまでにするか…」
今回、被害にあったホワイトファングはゴールドランクパーティだ。
「そうですね。でないとゴールドランクが納得しないでしょうから。」
ゴールドランクパーティが全滅するような相手とは?ギルドで噂になっていた。噂だけならまだしも、信用問題にもなりかけている。
「ふぅ…フレイヤとも話し合ってみるか。」
そう言うと王は帰っていった。
「すまない。紅茶を入れ直してくれないか?」
「はい。すぐに。」
リゼがティーカップを持っていく。リゼも少しは落ち着いただろうか?心配ばかりかけてしまった。
「どうぞ。」
「ありがとう。心配かけたなリゼ。」
「ひぇっ!いえいえ!ご無事でよかったですぅ。」
俺はリゼとの会話にほっとしていた。かけがえのない日常だ。
「しばらくは俺もゆっくりするかな。」
「でしたら!あ、すみません。」
「どうした?」
「あ、あの…またご一緒に料理でもと思いまして…。」
料理か。まだ作りたい物はたくさんある。料理もいいだろう。
「そうだな。いいな。」
「はい!」
リゼは素直に喜んでいた。
「お!ジェイドとリゼの料理か!いいな!私も食べたいぞ!」
セスと修行中のはずのサクラが出てきた。
「うぉっ!どうした!急に!」
「ジェイドとリゼの仲が良いから嫉妬して来た!」
サクラがそう言うとリゼは真っ赤になってしまった。
「私もかまってほしい!」
「セスと修行中だろ?」
「それはそれ!これはこれだ!それに二人で話したいこともある!」
「む…?」
サクラが話したいこと…?なんだろうか?
「そういうことなら時間をとろう。」
「じゃあ今からだな!」
「え、セスは?」
「大丈夫!ちゃんと言ってある。」
本当だろうか?いきなり来た気がするが…
「さぁ行こう!なるべく早く!」
これはセスに言ってないな。俺はとりあえず外に出る準備をした。サクラと出かけるのも久しぶりのような気がする。
「私も家の前で待っているぞ!」
サクラがあっという間に外に出た。




