表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
【読者地図】創作エッセイ―読み手と書き手の共犯関係の向こう側―「なぜ、その物語は届かないのか」  作者: Taku
読者編:『なぜ、その物語は届かないのか ―受容の地図―』

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

15/38

第1話【終われない読書】終われない読書

最後まで読めなかった本がある。


作者もままある。

これは皆さんにも共通する読書"あるある"ではないでしょうか。


でも、その終わりはよくないことなのか、そもそも読書における終わりとは何か、そのあたりを深掘りしていきたい。


途中で閉じたまま、そのまま本棚に戻した作品。


あるいは、スマートフォンの中で「続きを読む」のまま止まっている物語。


思い返してみると、そういう本はいくつもある。


面白くなかったからか。


そう言い切れるものも、なかにはある。


でも、すべてがそうだったかというと、違う。


むしろ「嫌いではなかった」「気になる部分もあった」


――それなのに、なぜか続かなかった。


気づくと別の本を手に取っている。


そして、そのまま戻らない。


読書という行為は、どこか「最後まで読むもの」だと思われている。


途中でやめることは、少し後ろめたい。


集中力や理解力が足りなかったのかもしれない。

あるいは、単純に「自分には合わなかった」か。


そうやって自分の中で理由をつけて納得する。


でも、その中にはどうにも説明しきれない感覚が残ることがある。


たとえば――評価が高い作品。


多くの人が「面白い」と言っている本。


実際に読むと、たしかに良さはわかる。

文章も上手い。構成もいい。

それでも、なぜか読み進める手が止まる。


逆に、そこまで話題になっていない作品なのに、なぜか最後まで一気に読めてしまうこともある。


この違いは、どこから来るのか。


これまで、このシリーズでは「届くかどうか」「今の自分に合っているか」という観点で考えてきた。


では、その次。


――最後まで読めるかどうか。


つまり、その物語は自分にとって

“終われるもの”なのか。


ここで、ひとつの違和感。


「面白いのに、読めない」という状態が確かにある。


もし面白さだけが理由なら、そのまま読み進められるはずだ。


でも実際にはそうならない。


そこには別の何かがあるはず。


もしかすると、読書には「終われる条件」のようなものがあるのか。


その条件が揃っていないとき、人は物語を途中で止めてしまう。


それは作品の問題でも、読者の能力の問題でもない。


ただ、そのときの状態と、その物語が要求しているものが少し噛み合っていないだけなのかもしれない。


そう考えると、これまで「離脱」と呼んでいたものの見え方が少し変わる。


それは失敗ではなく、“終われなかった読書”というもう一つの読書体験なのではないか。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ