第7話【読書モード】読み方を選ぶということ(実装編)
では、具体的にどうやって「今の自分に合った読み方」を見つければいいのか。
やり方はシンプル。
以下のテンプレートに、自分の「今の状態」(7つの質問で「Yes」だった項目)と、好きな作家(なければ不要)を入れて、AIに尋ねる。
【質問テンプレート】
私はいま、以下の状態にある。
(七項目の内、該当する項目を記入)
・〇〇
・〇〇
・〇〇
好きな作家は〇〇です。
この状態の私に合う作品と、その作品の“読み方”を教えてください。
ただし、AIはときに“丁寧すぎる”—長く、網羅的で、しかも読みにくい。そこで、返答の形式も指定する。
【回答テンプレート】
・作品名
・なぜ今の自分に合うか(簡潔に)
・おすすめの読み方(3つ以内で箇条書き)
・読み終えた後の変化
この形式で答えてもらえばいい。
試しに、私自身の状態で聞いてみた。
【入力例】
私はいま、以下の状態にある。
・静かな緊張感が好き
・多視点よりも流れを重視
・余韻よりも展開を楽しみたい
好きな作家は、伊坂幸太郎
この状態の私に合う作品と、その作品の“読み方”を教えてください。
ただし、実際に使う際は、もう少し条件を加えた方がよいだろう。例えば「復讐ものは苦手」「日常系が好き」など、自分の嗜好を一言添えれば、回答の精度は大きく変わる。これもテンプレート化は可能。
【AIの回答例】
■作品名
『ゴールデンスランバー』
■なぜ今の自分に合うか
テンポの良い逃走劇の中で、静かな緊張感が持続する。流れに乗って読める構造。
■おすすめの読み方
・伏線を追いすぎず、主人公の状況に集中する
・「次にどうなるか」に意識を置く
・違和感は保留して読み進める
■作品名
『グラスホッパー』
■なぜ今の自分に合うか
複数人物の物語が並行するが、それぞれはシンプルに進み、流れとして追いやすい。
■おすすめの読み方
・人物の心理を深読みしすぎない
・行動の連鎖に注目する
・交差する瞬間を楽しむ
結果に驚いた。二つとも私の好きな作品。
回答も的確と言える。
本来なら既読作品は先にリスト化して省いておくといいかもしれない。
このようにして、「今の自分」に対して「どの作品を、どう読むか」を具体的に知ることができる。
重要なのは、作品そのものではない。
“自分がどう読むか”を選ぶこと。
同じ作品でも、読み方が変われば、体験は変わる。それはつまり——作品は固定されているが、読書体験は固定されていない、ということだ。




