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黒い神  作者: 小春日和
巫女の正体
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蛇神の怒り 5

 雨の音が小さくなったような気がした。晴彦は立ち上がり、窓から外の様子を(のぞ)く。

「……これぐらいなら大丈夫か。オレ、蛇神さんのとこに行ってくるね」

ふり返って崇志にそう告げると、足早にドアに向かう。

「待った。俺も行く」

追従(ついじゅう)しようとした青年に、

「要らん」

と一言で断った少年は、さすがに不親切だと思ったのか、付け足した。

「蛇神さんは祟り神や。どんな影響が来るかわからん。もしかしたら、持衰さんにとり憑いてくるかもしれん。崇志兄は美耶ちゃんのそばにいてやって」


 1人で得体のしれない神に向かおうとする晴彦を、崇志は、若干、機嫌を損ねたような声で制止した。

「お前は、今回は傍観者だろ。動かなきゃならないのは、むしろこっちのほうだ」

「そうかもしれんけど、崇志兄は稲荷さんで懲りたやろ? それに、美耶ちゃんが暴れだしたら、崇志兄しか止められんし。だからオレが」

行くほうがいい、と続けようとした少年を、兄は思わぬ提案で遮った。

「なら、美耶も連れていく」

「は? 何?」

晴彦は頓狂な声を上げた。


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