おまけ4.野心の代償:聖女召喚を悪用した貴族の末路(閲覧注意)
AIさんが面白いタイトルを考えてくれたので、これを流用してみましたw
「ぬわーーーっ!?」
ヴァルターは悲鳴を上げて地面をのたうちまわった。
だが、不思議な事に、彼はすぐに死ななかった。地獄の業火で皮膚は焼け、肉は溶け、骨は炭化していく――が、その度に肉体が再生された。焼かれては癒え、焼かれては癒えを繰り返しであり、彼は常に身体を焼かれる激痛に襲われ続けたのだ。
一体なぜっと思っていると、どこからともなく声が響き渡った。
“我は狭間の魔王メルカス! 禁断の儀式『聖女召喚』を狭間より監視する者である! こやつは、禁を破り聖女を権力の道具としようとした愚昧さのみならず、我が慈悲により授けた『救済の炎』を、病の殲滅以外の目的に転用せんとした! ゆえに、この者に七十二時間、地獄の業火による不断の苦痛を罰として与える!!”
「ぎゃぁぁぁぁあ!!!そ、そんな……嫌です!!こんな苦しみを味わうぐらいなら……死んだほうが……死んだほうがましだぁぁぁぁ!!!」
“黙れ!!貴様はそのまま自身の抱いた野望の炎の中で苦しみもがきながら死ね!!そして、『禁断の儀式』を己の欲望のために利用した愚か者の末路として、後世の者への警告となるよう歴史に名を残せ!!それが、貴様の最期の役目だ!!!”
その宣告は苦しみもがくヴァルターだけでなく、隔離地区に集まり始めた領民や衛兵たち、遥か遠くに立つ王城に済む国王達の耳にも、はっきりと聞こえていた。それは、天罰の宣告であり、すべての者への警告であった。
それから三日三晩、ヴァルターの絶叫が街に響き渡った。最初の日は怒りと痛罵が混じっていたが、二日目には懇願と哀願に変わり、三日目にはもはや言葉にならない動物のような唸りだけが残った。
人々は家に閉じこもり、傲慢な領主が地獄の業火に焼かれ続ける光景から目を背けたが、耳だけはその苦痛の叫びを拒絶できなかった。
四日目の朝、ようやく炎は消えた。そこには人間の形をかすかに留めた黒焦げの亡骸が残されているだけだった。かつて野心に燃え、策略を巡らせた男は、今や炭化した塊と化していた。
この事件は王国中に広がり、やがて全世界に衝撃を与えた。「聖女召喚」の儀式はさらに厳重に禁じられ、野心のために禁を破った者の末路として、ヴァルターの名は永く語り草となった。
そんな愚者の末路を次元の狭間に建設した、耐久や実用性よりもSNS映えを最重視したハリボテな魔王城からタブレット越しで見届けた魔王メルカスは満足げに笑った。
「ふむ、たまにはこういった絡め手もいいものだな。問題あるとすれば『世紀末セット』の購入費用という経費がそれなりにかかることなのだが、まぁこの末路を動画配信すればそれなりの投げ銭もらえるだろうし、些細な問題としよう」
彼女はそうつぶやきながら、この一連の流れを編集した動画。
『野心の代償:聖女召喚を悪用した貴族の末路(閲覧注意)』を「#異世界 #禁忌 #正義の鉄槌 #炎刑 #教訓動画」のタグを付けてから、異世界動画サイトの大手であるミコミコ動画にアップした。
それから数日後、動画には予想以上の反響があった。
《まさかの世紀末セットw 》
《さすが魔王様!!ユーモアあふれてます 》
《火炎放射器の暴発を裁きに転用させるとは……この発想はなかったwww》
《これが本当の“野望に燃える”か……》
《業火のループ再生、地獄すぎて笑う》
《違法な聖女召喚、やっぱりやばい。自重します。》
《次はどんな制裁動画ですか?楽しみにしてます!》
コメント欄は賑わい、動画の再生数は数十万に達し、投げ銭もかなりの額が集まった。視聴者たちは残酷なシーンに衝撃を受けつつも、教訓としての意義を認めているようだ。そんな反響結果にメルカスは満足そうに頷いた。
「さて、今回の収益で何を買うか。魔王にふさわしい装飾品もよいが、 サツマ博士に新しいおもちゃを作ってもらうのも捨てがたいな」
彼女はタブレットで通販サイトを見ながら玉座……魔王城同様にSNS栄えを最重視した手作りの玉座に深く腰を下ろした。窓の外には、次元の狭間特有の、現実とも幻想ともつかない風景が広がっている。
そこへ『ズンッ!!』という激しい衝撃が、城全体を揺るがした。
これは次元の狭間だと稀によくある『次元震』であり、大抵は魔王城に張り巡らされている結界で遮断される。だが、今回の『次元震』は全てを防ぎきれなかったようだ。周辺の壁や天井から破片がはがれ落ち、魔王城のあちらこちらから配下の魔物達——言う間でもなく見掛け倒しの雑魚達が慌てふためいていた。
そんな中であっても、玉座のメルカスは冷静さを保っていた。
「これは……セリア母様の殺気?温厚な母様にしては珍しいな……」
配下の者から次々と上がって来るハリボテな魔王城の損傷報告も気になるが、それ以上に母様の殺気……滅多に怒らない温厚な母様が怒り狂うなんて異常事態だと判断。メルカスはすぐにタブレットを使って母様に連絡を取るが、先ほどの衝撃で通信回線が遮断、もしくは混線でもしたのか連絡が付かなかった。
もう埒が明かないっとばかりに玉座を立つ。
「我は今回起きた『次元震』の原因究明のため、これから母様……狭間の神セリア様の元へ向かう!!詳しい事情は分かり次第改めて連絡する。諸君はその間、応急処置程度で構わぬから魔王城の修復をしておけ!!」
メルカスは配下にそう命じてから、翼を広げて次元の狭間を駆け抜ける。
その途中で義妹である竜人のハロルドと合流。彼女も次元の狭間を揺るがす母様ことセリアの殺気を感知して急ぎ駆けつけてきたようだ。
二人は母様の住処であるログハウスに到着してほどなく、当人が扉からでてきた。
その姿を……封印したはずの黒い炎を纏い、正気のまま狂っている姿をみて……二人は察した。
そして……
「メルカス、ハロルド。仕事よ、ついてきなさい」
母セリアから義娘にではなく、『狭間の神セリアの使徒』として下された指令に、二人は不敵な笑みを浮かべながらこくりと頷いた。
母の怒りの理由、そしてこれから彼女たちが為すべき「仕事」が何であるかは、まだ明かされていない。だが、確実にわかる事実は一つ。
何者かの愚行が、決して怒らせてはならぬ者の怒りを買ってしまった。
これに尽きるだろう。
とぅーびーこんてにゅーど?
おまけ
魔王様の依頼を受けておもちゃを制作中な悪魔のマッドサイエンティストちゃん。
これにより、『いいとら』でお花畑なOLさんを72時間の火刑にした松明の提供元は狭間の魔王様だった事も(後付け設定で)判明しますた(笑)
『禁断の儀式と三つの災いと一つのざまぁ』のラスト同様、こちらでも不穏な空気を漂わせながら〆となりますw




