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【書籍化】異世界来ちゃったけど帰り道何処?  作者: こいし
第二章 生きるための仕事
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冒険者ギルド

「とりあえず、僕達はギルドへ行こうと思うんだ」


 リーシェの言葉に、桔音(きつね)はそう答えた。

 その言葉に、リーシェは少し思案顔を浮かべる。そして数秒の間をおいて、うんと頷いた。


「いいんじゃないか? 冒険者ギルドは戦闘以外にもお手伝い系の平和的な依頼もあるからな、生活費を稼ぐ位なら妥当だしな」


 そう言って、彼女は桔音の案を肯定する。

 冒険者ギルドというのは基本的に各国に転々と支部を持っているが、その実かなり独立した組織だ。

 各国を移動して売買をする商人と同じで、依頼を受け、世界各国で仕事をする。特定の国に居続けなければならないという訳でもないし、冒険者として働く以上ギルドが素性を保証する故に、ギルドの支部がある国であればギルドで発行されるギルドカードを見せることで、身分を証明することが出来るのだ。


 また、かなり多種多様の国で認められている冒険者ギルドであるが、その理由はギブアンドテイクの関係が成り立っているからだ。

 例えば、A国にギルドの承認を持ちかけたとしよう。その際、国とギルドの公証人が様々な取り決めをする。ギルドの目的は『A国に新たな支部を作る』こと、しかしそれはただで許可するほど国というものは易しくない。

 各国のトップには、王がいる。王は民を護ることで国を存続をさせる義務がある、国の害悪になりそうなものは簡単に受け入れてはいけないのだ。


 そこで、ギルドはこのような条件を出す。


『支部を置かせてくれるのならば、国に魔獣や魔族が襲撃して来た時に戦力になる』


 各国様々な特徴を持っているが、この世界では戦争や魔獣といった危険は常識だ。故に、何処の国でも国が崩壊に陥る危険である強力な魔獣が襲って来た時に少しでも戦力が欲しいと思っている。そんな考えを持っている国々にとって、ギルドを置くだけで強力な人材が危機が迫った時いてくれるというのは、実に美味しい話だろう。



 国はギルドの支部を置くことを認める、代わりにギルドは国に危機が迫った時援助を惜しまない。



 ギルドはそういった意味で、国に配属しながらも独立しているのだ。


 故に、冒険者という者は、『自由の人』という異名を持つ。

 生きるも死ぬも、善に生きるも悪に生きるも、戦うも逃げるも、全ては自己責任。だからこそそこに浪漫があり、ドラマがある。

 今の桔音にとっては、生活の繋ぎでしかない職業だが、冒険者に憧れる少年少女は少なくないのだ。


「そっか、それじゃあ僕達はそろそろ行くよ、ギルドにね」


 桔音は、リーシェの肯定を受けて立ち上がる。フィニアも話が終わったことを察してゆっくりと羽を動かした。善は急げ、今日中に一定量の金額を用意して、宿を探さなければならないのだ、時間は一分一秒を無駄に出来ない。


「あ、待ってくれ」


 だが、リーシェはそう言って桔音を止めた。

 首だけ回して後ろを見る桔音。そんな桔音に、リーシェは銀色の硬貨を3枚差し出してきた。思わず首を傾げ、疑問の色を見せる桔音。


「ギルドの登録には銀貨が一枚必要なんだ、見た所一文無しのようだし、これは貸しておくよ」

「……じゃ、ありがたく借りさせていただくよ。お金が溜まったらきっと返しに来る」

「リーシェ! またね!」


 日本人の謙虚さが頭によぎったが、ギルドに登録するにしても多少の袖の下が必要。桔音は若干苦笑しながら差し出された銀貨三枚を受け取り、ポケットに入れた。そして、必ず返すことを約束する。フィニアも同じ気持ちで笑顔で小さな手を振った。

 リーシェはそんな桔音達に対して優しげな微笑みを浮かべながら、返す。


「ああ、基本的に私はこの宿に泊まっているからな、気長に待ってるよ」


 そんな言葉を背に、桔音達は宿の出入り口から外へと繰り出した。異世界で最初に出会った優しい異世界人の彼女への感謝を忘れずに。



 ◇ ◇ ◇



 宿の外へ出て行く桔音を見送って、リーシェはふと嘆息する。そして、先程まで話していた桔音達のことを思い出す。


 リーシェが国の入り口で倒れているのを見つけたのは、本当に偶然だった。知っての通り、彼女は騎士見習いであり、今は騎士になるべく毎日訓練を行っている。

 だが、二年間もそうしていて全く成果が出ないこともあって、彼女は少し焦っていた。訓練時間だけでは足りない、朝も夜も訓練をして、誰よりも努力する必要があると考えていた。

 故に、早朝、まだ誰も目覚めていない様な朝早くに身支度を整え、国の外へ出ることにしたのだ。この国は近くに魔獣の生息する森があり、そこから出て来た雑魚を練習相手にする訓練生は多い。リーシェ一人であっても数体程度なら負けることはない。今日はその雑魚を相手に早朝訓練をしようと思っていた。


 そんな時だ、桔音に出会ったのは。服はボロボロで、左眼は抉り取られた様に無くなっている桔音を見た時、リーシェは気絶しそうになった。

 彼女はまだ騎士では無い、故に実戦経験は皆無だ。人が死にそうになっている状態でいる光景など、見たことが無かった。今思い出しても、少し気分が悪くなる。あの左眼の傷が、あまりにも悲惨で、無残だったから。


 だが、人を助ける騎士を目指すリーシェは、倒れそうになる足を支えて桔音を助けるべく傍にいた妖精に話しかけた。彼女はフィニアと名乗り、必死にリーシェに縋りついた。


『お願いっ! きつねさんをっ……きつねさんを助けて!!』


 あの時のフィニアの眼には、桔音を助けてくれるのなら何だってする覚悟があった。自分の命でさえ投げだせる意志があった。リーシェは、その時思わずフィニアの瞳に見惚れた、その瞳に宿る強い意志は純粋で、何物にも代えがたい何かを感じたのだ。

 結果的に、元々の意思とも相まってリーシェは桔音を助けた。自分の泊まっている宿へ連れ帰り、左眼の手当てと言ってその傷を包帯で覆い隠した。

 桔音はそのことに感謝していたけれど、リーシェはまだ覚悟が足りていなかったのだと思い知らされた。人の傷に向き合う覚悟が。


「……きつね、か……不思議な奴だったな……でも、悪い気分じゃない」


 リーシェは先程桔音に貸した銀貨を思い出す。この世界では金の貸し借りなど、本当に信頼する相手でないとしない。貸したら返って来ないことが常識のようなものだからだ。

 だが、リーシェは桔音がちゃんと金を返しに来るだろうという確信があった。根拠はないが、そんな気がするのだ。


「また会うのが楽しみだ」


 リーシェはそう呟いて、自分の部屋へと戻って行った。



 ◇ ◇ ◇



 宿から出た桔音は、フィニアの案内を頼りにギルドへと向かっていた。

 既に昼だということもあって、歩く道は賑やかに人の喧騒が聞こえてくる。様々な店の接客の声や、何かを作っているのか金属を叩く音、友人との雑談が入り混じり、楽しげな雰囲気が醸し出されている。

 フィニアは一度見たからそうでもなさそうだが、桔音にとっては少し驚きだった。これほど賑やかな商店街はおそらく元の世界でもあまり見られないだろう。


「随分と賑やかだね」

「私もめちゃくちゃびっくりしたよ! うはっ、あの焼き鳥美味そう!」

「お金ないから駄目だよ」

「でっすよねー」


 歩きながら、人々の様子を見る桔音。途中でリーシェと同じように剣を携えた大柄の男性や冒険者然とした女性など、武器を持った人を良く見るが、ファンタジー世界なのであまり気にしない。きょろきょろと挙動不審でいると逆に目立ってしまうのだ。

 

 そこからしばらく歩くと、一際大きな建物が見えて来た。フィニアが指差すのも同じ建物なので、恐らくその建物が『冒険者ギルド』なのだろう。看板らしき横板に何やらぐにゃぐにゃと文字が書いてあるが、読めなかった。『異世界言語翻訳』というスキルは会話でのみ作用するということか。

 そんな感じで新たな発見をしつつ、桔音はその建物に近づき、中へと続く扉を押した。


「おじゃましまーす」


 気の抜けた様な声で入ると、予想外に整った内装だった。奥に設置された受付や、依頼の張り出された掲示板など、ファンタジー世界では欠かせない様な物はしっかりとあるが、それらを綺麗にレイアウトしてある。冒険者と聞いて野蛮なイメージを持っていたが、桔音は少し好印象に思った。

 だが、


「なんだお前、そんなひょろっちぃ身体で冒険者になるつもりか?」


 中の冒険者はイメージ通りだった。好印象だった評価が一気に下がるのを感じた桔音である。


「ああうん、そのつもりで」

「ッハハハ! コイツはおもしれぇ、まぁ精々頑張れよ! 坊主!」

「どーも」

「って……ん? ああ、なるほどな……妖精が付いてんのか……へぇ……」


 見るからに野蛮で、無精髭を生やした大柄の男はそう言った。おそらく桔音になにかしらの期待をしている訳ではない、きっと彼は依頼を受けるうちに桔音は冒険者を止めるだろうと思っている。冒険者に憧れて、挫折していく者も確かにいるのだ。

 だが、フィニアを見るや否や納得した様な表情を浮かべた。妖精が珍しいのかは分からないが、桔音はそんな男の言葉を気にせずに受付に歩きだす。


「むぅ……なんなのあの人! 言いたい放題言って……」

「そう怒るなよフィニアちゃん、それにしても……妖精って珍しいのかな?」

「さぁ? でもリーシェはそんな反応しなかったよ?」

「……ふーん……」


 そんな会話をしながら、桔音は受付に辿り着いた。受付には受付嬢というべきなのか、桔音よりも多少年上の女性が営業スマイルを浮かべながら座っていた。

 金髪のロングヘアーで、ふんわりした印象を持った女性だ。決まった制服なのか他の受付嬢と同じ格好をしているが、見れば分かる。


「巨乳だ」

「巨乳だね!」

「いらっしゃいませ、お帰りはあちらです」


 そう、彼女は巨乳だった。しかも、美人。金髪で巨乳で美人、なんというかとてもモテそうな容姿をしていた。

 桔音はそんな彼女を見てド直球に感想を漏らしたのだが、どうやら気に障ったらしい。


「すいません、ギルドの新規登録に来たんですけど」

「無視ですか……では、こちらの記入をお願いします。代筆も出来ますが、いかがいたしますか?」

「代筆で」

「かしこまりました、では名前―――変態で」

「待って」


 どうやら受付嬢の女性は桔音の発言がよっぽど気に障ったらしく、最初の営業スマイルは既に何処かへ消え去っていた。読めないが登録書類に本当に書きこんでいる。桔音はペンを持つ彼女の手を掴み、止める。


「離していただけますでしょうか変態様……!」

「そっちこそちゃんと対応しようぜ、巨乳のお姉さん……!」


 ぎぎぎ、と笑顔を浮かべながら、書こうとする手とそれを掴む手の力が拮抗する。

 だが、金髪受付嬢の方が溜め息をついて力を抜く。桔音もそれを感じて、掴む手を放した。


「……それで、名前はなんですか?」

「きつね」

「きつね様ですね……性別は―――男ですよね?」

「それ聞いちゃう? 女に見える?」

「万が一の可能性がありますので」

「男です」


 そんな感じで、受付嬢が桔音の登録書類の空欄にさらさらと書き込んでいく。まぁ、聞いたところどうやら知られたくない事は書かなくてもいいらしいが。

 そんな中、桔音と受付嬢の牽制のし合いを見ながら、フィニアは楽しそうににこにこと笑っていた。

 そして、書類を全て書き終えた受付嬢はペンを置くと、桔音に視線を向けて引き攣った営業スマイルを送る。


「それでは、ギルドカードをお作り致しますので、その間ギルドについて説明させていただきます」


 受付嬢がそう言うと、桔音は頷きながら頭を若干下げた。


「お願いします巨乳さん」

「その呼び方を慎んでいただけますか変態様」

「名前知らないので」


 しつこく巨乳巨乳と煩い桔音を心底うざそうに見る受付嬢。おそらく桔音の印象は最悪だろう。

 だが、これも仕事だと割り切りつつ、話を円滑に進める為に受付嬢は溜め息をつきながら名前を教えることにした。


「……ミア・ティグリスと申します、ティグリスとお呼びください」

「よろしく巨乳さん」

「仕舞いには引っ叩きますよ?」

「すいませんでした」


 物凄い怒気を放ちながら平手を用意するミアの表情が良い笑顔だったので、桔音は素直に頭を下げた。あの一撃を貰ったら普通に死にそうだと感想を抱いたのだ。

 桔音が素直に謝ったことで幾分気が晴れたのか、ミアはギルドの説明に入る。幾つかの書類を手繰り寄せ、パラパラと捲りながら口を開いた。


「まず、ギルドと冒険者様方との仕事について御教えしますね。ご存じかも知れませんが、ギルドでは一般の方々からの依頼を受け、それを冒険者様方へと紹介することを仕事としています。そしてその依頼を冒険者様が受注、達成し、報酬を渡すという流れになっています」

「うん」

「我々ギルド側は依頼の紹介、管理を仕事とし、冒険者側は依頼を受注、達成することを仕事とするわけですね。ですが、依頼には当然危険なものも多く存在します」

「魔獣の討伐とかだね」

「その通りです。魔獣討伐の依頼に、実力の低い冒険者を派遣することは出来ません、失敗すればギルド側の過失になりますからね。故に、ギルドでは依頼を受ける基準として、冒険者の方々に階級制を用いています」


 桔音はミアの説明に頷きながら聞いていたが、聞きなれない言葉が出て来た。

 階級制。桔音は疑問符を浮かべながら、続きを待つ。


「階級制とは、冒険者様が受注する依頼に、その実力が伴っているかの基準となるものです。階級はS、A、B、C、D、E、F、G、Hの9段階であり、最低Fランク以上の冒険者とギルドが認めない限り、どんなに弱い魔獣であっても魔獣討伐系の依頼は受注出来ません」

「なるほど、ちなみに僕は?」

「新規登録の方は、どれほど強くてもHランクからのスタートとなります」

「そっか」


 桔音はそれを聞いて、少し安心した。何故なら、Hランクでいる限りは魔獣討伐系の依頼に行かなくてもいいということなのだから。生活費を稼ぐためだけの冒険者なのだから、ランクは別に気にしなくても良い。

 そんな桔音の様子にミアは怪訝な表情を浮かべたが、説明を続けた。


「これはFランクになってからでも良いのですが、魔獣にも同じ様にランクが付けられています。簡単な例としてゴブリンを挙げますが、ゴブリンはランクFと定められています。これは、Fランクの冒険者が数名いれば簡単に倒すことが出来るという意味です」

「つまり、EランクならEランクの冒険者が数名で掛かれば倒せるってこと?」

「そうなりますね。基本的に魔獣と同ランクの冒険者が数名で掛かれば倒せる、ということになります」

「なるほど」

「しかし、それで討伐出来るのはDランクまでです。Cランクよりも上には魔獣だけでなく、魔族と呼ばれる『知能を持った』者がいます。そういった魔族達には同ランクの冒険者が数名いたとしても、敵わないでしょう」


 魔族、また聞きなれない言葉が出て来た。桔音は魔獣よりも脅威だと言われて、眉を潜める。魔獣よりも上、ということは自分を襲ったあの大蜘蛛や大狼よりも強いということだ。

 そして、桔音には一つ心当たりがあった。あの瘴気の怪物だ。あれは常軌を逸した強さを持っていた、知能があるかどうかは分からないが、桔音を嬲っていたような節もあった。あれは魔族と呼ばれるものなのではないか、と。


「……じゃあそういう奴らにはどう対抗するの?」

「基本的に、Cランクの討伐依頼にはBランク以上の冒険者が最低一人いる事が条件で受注出来るようになっています。Aランクの冒険者であれば、単独で任せても安心なのですが、そうなるとCランクの冒険者達が強くなれませんから」

「なるほどね……じゃあAランクの魔族っていうのはどうするの? Sランクの冒険者がうじゃうじゃいるって訳じゃないんでしょ?」

「そうですね、Aランクの魔族は天災と同じ脅威です。相手にする事の方が間違っています」


 桔音は頷く。そして、気になっている瘴気の怪物のことを聞いてみることにした。


「ねぇミアさん」

「ティグリスとお呼びください」

「真っ黒な瘴気っぽいものを纏った魔族って知ってる?」


 桔音がそれを口にした瞬間、ギルド内が静かになった。桔音はそれに気が付いて周囲を見渡すが、全員が桔音に視線を送っていた。それも、驚愕の表情で。

 ミアの方へ視線を戻すと、ミアも驚いた様な顔をしていた。


「どうしたの?」

「……『赤い夜』」

「え?」

「おそらくそれは、『赤い夜』と呼ばれるAランクの魔族です……瘴気に隠れて本当の姿を見た者はいませんが、瘴気の中から見える赤い瞳から、そう呼ばれています」


 桔音はそれを聞いて、良く左眼だけで済んだな僕、と内心思っていた。


「何故『赤い夜』のことを?」

「んー、以前見かけたことがあって気になってたんだよ」


 桔音がそう言うと、ギルド内に安堵の雰囲気が流れた。おそらく、『赤い夜』が出現したのではないかと思ったのだろう。実際に現れてないと思って、安心したのだ。


 だが、人間は自分の都合の良い様に解釈したがる生き物だ。


 故に、周囲の人間達が思っていることとは裏腹に、桔音の『以前』というのはほんの少し前のことで、すぐそばの森に現れたことはまだ誰も予想していなかった。

 桔音がそれを言うのはもう少し後の話だ。


「なら良いですが……とにかく、その様にランクが定められている訳です」

「うん、分かった」

「また、他にも討伐した魔獣の部位や素材の売却もギルドで行っていますので、是非ご利用ください」

「うん」

「それでは……こちらがきつね様のギルドカードになります」


 丁度、他の役員が出来上がったギルドカードを持ってきたので、鉛色のカードが桔音に手渡された。そこには桔音の名前とランクが表記されている。


「それでは、登録料が銀貨一枚となっております」

「あ、はーい」

「丁度、お預かりいたします。それでは、ご健闘のほどお祈りいたします」


 ミアが深々と頭を下げ、対応終了を態度で示す。そんな彼女のある部分を見て、桔音はキリッと瞳を細めた。


「やっぱり、巨乳だな……!」


 そう、それは頭を下げたことで机と身体で押し潰された、ミアの大きな胸だった。


「お帰りはあちらです、変態」


 ミアは青筋を立てながら、入り口を指して改めてそう言った。



 

名前:ミア・ティグリス

年齢:22歳 女

備考:金髪巨乳美人、受付嬢


桔音の一言「おっぱい大きい」



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