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幼女転生から始める異世界解読術  作者: りょう
第2章エルフの姉は己と戦う
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第13話 取り合う手と増える謎

 墓参りを終えたその足で、俺とラーヤは図書館を訪れていた。そこにはいつも通りサシャルの姿。そしてこの時間には珍しくアーニスの姿もあった。


「今日は随分と遅い」


「ごめん、ちょっと色々あって」


 二人にも詳しい事情を話していないため、何があったかは言えないが、ラーヤと同じような説明はした。


「えっと、ティナさんよいうのは先日ユウさんといらっしゃった方ですか?」


「はい。私の姉です」


「もしかして先ほどの地震とも関係が?」


「こちらも揺れたんですか?」


「すぐに治まりましたが、かなり大きい揺れでしたよ」


 あれは俺のところだだと思っていたが、それはどうやら違うらしく、ティナは王都全体を揺らしたらしい。局地的なものならともかく、王都全体となれば相当な力を持っている事がはっきり分かる。ただ、気になるのはその力がどこからやって来たのかだ。


「ユウさん、もしかして何か知っているのですか?」


「知っていると言うより、私は」


「ねえやっぱりちゃんとした説明がないと私達力になれないよ。不本意だけどこうしてライバルの私だって手伝うって言ってるんだから、説明できることはちゃんとしてほしい」


 ラーヤが珍しくまともなことを言う。でもそれは正しい。正しいのは分かっているけど、


(話していい事なのか?)


 姉に殺されかけただなんて話。


「ちゃんと話すべきなんじゃないの? ユウちゃん」


 そn疑問に答えを出した人物が一人、まるで俺がこうなるのを見計らったかのように入ってきた。


「リルお姉ちゃん! 今までどこに」


「その話はまた後で。それよりも今はあなたの事でしょ?」


「でも私……」


「話さないなら私が話す。二日前にあったことを」


 そう言ってリルは俺の意思に関係なくラーヤ達に説明をしようとする。


「待ってリルお姉ちゃん!」


 それがきっかけとなり俺は決断した。ティナを救い出すために、全てを話そうと。


「私から全部話す。ちゃんと伝えられるかは分からないけど、全部話す」


 それで改めて皆に協力してもらおうと。


 ■□■□■□

「その話、本当だとしたらどうして助けたいんですか?」


 一通り話終えた後、アーニスが一番最初にそう口を開いた。

 彼女の言いたいことは分かる。姉であっても、一度殺されそうになった身。普通なら助ける道理がない。


「アーニス様が言いたいことはは分かります。私が普通ではないのかもしれません。けど、お姉ちゃんはどう見ても苦しんでいました」


「だからって……」


「だからこそなんですよ。変な正義感だって言われても仕方がないのも分かっています。それでも、世界より一番大切な家族を救わないで、世界を救うことなんてできません絶対」


「ユウさん……」


 家族


 転生して中身が変わってしまっても、ユウとティナが家族という事実だけは一生変わらない。その家族が苦しんでいるなら、俺はこの手を差し出したい。


 たとえその苦しみの原因が俺にあったとしてもだ。


「私は協力する」


「サシャル……」


「アーニスさんの言っていることも分かる。でもそれ以上の思いをユウから感じた。だから私は信じる」


「……ありがとう」


 最初に俺に賛同してくれたのはサシャルだった。彼女は深い事情も聞いてないのに、こうして力になってくれる。たったそれだけのことかもしれないけど、俺にとってはすごく心強かった。


「何か深い事情までは分からないけど、私も協力するわよ」


「そこまで強い決意があるなら、私もついていきますよ、ユウさん」


 それに次いでラーヤとアーニスさんもそれぞれ賛同してくれたのは。さて後はもう一人。


「リルお姉ちゃんも……あれ?」


 リルにも協力してもらおうと思ったが、気がつけばその姿はなかった。二日前の一件から彼女はティナの前に現れなかった。それがどうしても引っ掛かっていたけど、皆気にしていなさそうだし今は触れないでおこう。


「じゃあまずだけど、私はこの一週間で図書館の中で見つけたエルフ族についての本を読んでみる。私まだ小さいから知らないこと多いし」


「では私はそれに力をお貸しします。残った二人は」


「私ちょっと気になる事があるから、家の本棚をサシャルと探してみる


「分かった私付いていく」


 それぞれが俺なんかの頼みのために動いてくれている。こんなちっぽけな正義でも通じるものがあるなら、きっとこの思いもティナにだって届く。


(仲間がいるっていいな……)


 何よりそれに支えられている俺は、どれだけ幸福者なんだろう。こうしてただ本を解読するスキルを持っているだけなのに……。


「ユウさん、今までとは関係ない話になるのですが、聞いていいですか?」


 作業を始めて一時間近く。ふとアーニスさんあることを口開いた。


「は、はい」


「先程貴方は誰かと話していたように見えますが誰と話していたんですか?」


「え? 誰って天使族のリルお姉ちゃんですけど」


「天使族? そんな種族聞いたことありませんが」


「そんなことは」


 ないと思い、種族についての文献を速攻で読む。


「ほらここに」


 ちゃんと書いてあった。だがそこのページのタイトルは、絶滅種族。


 つまり天使族はすでに滅んでいたことになる。


「しゃ、じゃあ」


 俺やティナが見ていたアイツは誰だ?

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