【07】 曇りのち快晴?
丹沢「あれっ、これ、人の名前が6人書いてある。競馬の『オグリキャップ』や『ハイセイコー』みたく、ボートレースも『トップボート』とか『グレートレーサー』みたいな名前があるんじゃないの?」
由利「丹沢さん本当に初めてなんだなぁ。ボートレースでも競輪でもオートレースでも人の名前、つまりレーサーの名前で出場するんだよ」
丹沢「へぇー知らなかった、とにかく初めてだからね。公営競技のレーサーはみんな好きな名前を付けるのかと思った」
由利「馬は名字や名前がないから9文字以内の馬名を登録するのだけれど、人間には名前があるからね」
丹沢「ははははは。じゃぁ、プロレスラーみたくリングネームを作れば良いのに。「アントニオ猪木」みたく、例えば『ゴーイング佐藤』とか」
由利「ははははは。そーだね、ボートレーサーもレーサーネームを作ったら面白いだろうな。『マクリ加藤』とか『インニゲ北原』とか」
丹沢「ははははは、さっぱりわからない」
丹沢が顔を細目でたれ目にして言った。
由利「ごめんごめん、忘れて!」
丹沢「よし決めた、『1―3』を買う」
由利「それ一番人気の舟券だよ。あんまり配当がつかないけれどいいの?」
丹沢「一番人気って?」
由利「このレースで言えば、舟券を買う人の多くが『1着が1番』、『2着が3番』になると思っているってことさ」
丹沢「由利さんは、なんで多くの人が『1着が1番』になると分かる訳?」
由利「だって専門紙に、1番の選手の所に二重丸『◎』が付いてるだろう」
丹沢「二重丸『◎』? えっ、この印と一番人気とどう繋がる訳?」
由利「二重丸『◎』は、『本命』と言ってこのメンバーで1着の可能性が最も高いという印だよ」
丹沢「えっそうなの???」
由利「えっ丹沢さんはなんだと思ったんですか?」
丹沢「天気の『曇り』の記号だよ」
由利が大きく足下から崩れ、
地面に手を着いてコケた。
由利のオーバーなリアクションである。




