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皇女殿下の飛空艇~皇女殿下は鬼畜な艇長にしごかれています~  作者: うにおいくら
第5章 トウイの国

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真刀斎との手合わせ

 シバは先ほどと同じように真刀斎と相対した。ただ二度目の対戦という事で、さっきよりは落ち着いて構えているようにも見えた。


 真刀斎は隼人と同じように中段で構えていたが、シバの呼吸に合わせながら間合いを詰めていった。そしてシバが息を吐いたその一瞬の虚を突くようなタイミングで、真刀斎の剣先がシバの喉元を突いた。


しかしシバは隼人の時と同じようにかわした。真刀斎はそれも予想していたようにシバの頭上から木刀を振り下ろした。全く隼人と同じ動きであったが、その数倍の速さで剣先がシバを襲った。


――早い! さっきと全然違う。これが宗主の実力か!――


 と驚きながらもシバは真刀斎の上段からの剣を最初から木刀で意識的に受けて流した。そしてシバが先ほどと同じように木刀を握り直す瞬間、真刀斎の蹴りがシバの腹部に入って、シバは木刀を握り直すことも出来ずに道場の壁際まで吹き飛んだ。

一瞬何が起きたか理解できなかったシバの頭上に真刀斎の木刀がちょこんと乗った。


 今度はシバが油断していた。同じ流れだと思い込んでいたので、蹴りが飛んできたことに気が付かずに見逃していた。


「これがお主のいう剣技かな?」

と真刀斎は聞いた。


「いえ。こ、これは経験の差だと思います」

とシバは腹をさすりながら答えた。


「……しかしそれは私の求めるものでもあります」

と真刀斎を見上げながら付け足した。


 真刀斎はその答えに満足したように笑顔を見せると


「ふむ。分かった。入門を認める。好きなだけここに逗留するが良い。隼人、後は任せた」

と言い残して稽古場を去って行った。


 シバとアキトは同時に床に手を突き


「ありがとうございます!!」

とその後ろ姿に叫んだ。


二人が頭を上げた時に、二人を見下ろすように隼人は


「良かったな。入門を認められて」

と笑顔で言った。さっきシバに負けた事などまるで気にしていないようだった。

その笑顔を見て


――この人は本当に余計な遺恨を残さない人なんだろうな――


とシバとアキトは同時に同じ事を感じていた。


「これからよろしくお願いします」

とシバとアキトは再び床に手を突き頭を下げた。




 そんな真刀斎と隼人との出会いの時をシバは思い出していた。

剣技で負けたのはあれが最初であった。言い換えると真刀斎はこの異世界でシバに勝った唯一の人であった。

その後、シバとアキトは真刀斎からチート能力やスキルを使わずに、剣技だけで勝つ技を徹底的に叩き込まれた。


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