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皇女殿下の飛空艇~皇女殿下は鬼畜な艇長にしごかれています~  作者: うにおいくら
第4章 要人警護

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砲撃

 その頃、操縦室ではシバが操縦桿を握っていた。何故か楽しそうだった。

その後ろの席でアキトが伝声管に向かって


「カーン! 今撃ってきたあの戦艦にぶちかませるか?」


「おうよ! この近さならいつでもやれるぞ!」


「分かった。後の指示を待て」

とアキトは伝声管の蓋を閉じた。謎の空賊艦隊の砲撃はまだこちらに届く距離ではないが、この飛空艇の三連装砲では至近距離となる。

それを聞いてシバは


「微速前進だ」

とショーンに指示してから


「なんだ? 転舵待ちか?」

とアキトに意外そうに聞いた。


 この世界の航空戦闘艦は艦の両舷に舷側砲と呼ばれる大砲を並べている。我々の世界で中世に活躍したガリオン船を思い浮かべてもらいたい。船の両舷側に並んだ大砲群を想像してもらえれば、ご理解いただけるだろう。

故に敵を攻撃する場合は転舵して艦の側面をさらさなければならない。どこの国の戦艦も似たり寄ったりの仕様なので、これがこの世界での艦隊戦の定石であった。


シバはそれを確認したのだった。


「そんな訳ないだろう。この距離なら目を瞑っていても当てられる」

とアキトは言った。この飛空艇の攻撃力はこの世界で比肩する艦艇は皆無である。圧倒的な戦闘力の差があるのでわざわざ定石どおりに相手のレベルに合わす必要は全くない。シバが聞き返したのはそういう理由からだった。


「じゃあ、左側面の奴等とすれ違うぞ。良いな?」

とシバが確認すると


「それでいい」

ひとことそう言うとアキトは伝声管の蓋を開け


「すれ違う前に片付けるぞ! 右艦隊の頂上一番艦へ……三連装一斉射!」

と叫んだ。

と同時に砲撃音が艇内に響く。


 カーンの放った砲弾は見事に狙った戦艦の中心部へと命中した。

そのあたりには、この空を飛ぶために必要な飛行石を燃料とした動力源があった。まずはそれを破壊するのが、艦隊戦の定石であった。ただここを一撃で無力化できるのは、この飛空艇ミカサの主砲しかなかった。


 垂直に並んだ単縦陣の一番頂点に在った戦艦の艦橋の一部が吹っ飛び炎を上げた。

どうやら運の悪い事に弾薬庫へも攻撃が達したようであった。


「続いて同じくその右隣り二列目艦隊。頂上一番艦へ一斉射!」

と叫んだ。

またもやその号令と同時に砲撃音が艇内に響いた。そして狙われた戦艦は同じように火の粉を振りまいた。


「次、右三番艦へ一斉射!」


「その隣り三番艦へ一斉射!」


アキトが命令を下す度に砲撃音が艇内に鳴り響く。


 カーンは見事にアキトの命令に応えて全弾を狙った戦艦へ叩き込んだ。

火を噴きあげながら被弾した戦艦は、高度を保つことが出来ずに落下していく。


 見事な単縦陣が災いして、すぐ真下の軍艦へと堕ちていた。

積乱雲の右側の艦隊が同じように連鎖的に衝突と破壊を繰り返していた。


「このまま左側艦隊とすれ違うぞ! その前に左艦隊一番艦へ一斉射!」

とアキトが叫んだ。


「次! 同じく左艦隊 隣一番艦へ一斉射!!」


 アキトは容赦がない。至近距離から次々と砲撃命令を下していった。

それをシバとショーンは冷ややかな目で眺めていた。


 敵左翼艦隊が火を噴きながら目の前に近づいてきた。飛空艇ミカサはそれらを右手に見ながら更に一斉射を浴びせた。

側面からミカサの砲撃を受けた左翼の艦隊は、右翼艦隊と同様に他の艦艇と衝突しながらゆっくりと落下していった。


 暫くして


「アキト、もう気が済んだか?」

と操縦席からシバが声を掛けた。

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