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万事休す
「ハッハッハッハッハッ。そう簡単にはいかんぞ」白が言うと女が現れた
「ムッ、これも幻術か」李が言うと女は白の前に立った
「ウッ。幻術としても女を打つ訳にいかん」李が思うと背後から剣士達が攻撃してきた
その有り様を道士は見ている
「道士は幻覚か?」李が思うと道士は札を出し呪文を唱えた
すると部屋の中に煙が立ち込めた
「この煙は本物」李が思うと眼が霞んできた
李は棍を回転させ煙を遮った
おぼろ気に白の姿が見えた
「仕方ない」と思い、棍を出すが、女が現れる
「ハッハッハッハッハッ。狂い死ね」白の声が響き渡る
「よし。ならば」と思い、李は棍で下段払いを繰り出した
足元の攻撃なら女の顔を傷つけたりはしないと思った
「甘い甘い」白の声が響く
棍で払っても手応えがない
李は表に飛び出た
地面から剣士が湧き出てくる
「幻覚か」李は翻弄されていた
肉体的苦痛は無いが憔悴していた
万事休すの状況だった




