第〇章ノ第〇幕ミステリ小説の様に
新連載です〜。読んでくれると嬉しいです!
0話と1話は同時投稿です!
かちゃん
ガラスの音が鳴る。
すこーし眠気がさした私は、コーヒーを一杯飲もうとする。
「私も案外疲れるものなんですよ」
・・・独り言。
という事で、コーヒーを淹れ始める。
蒸して、お湯を淹れて、またお湯を入れる。
このひと時が私の幸せ。香りがふわっと・・・
そう、いつだって私はカフェ好き。
今日はコーヒーだったが他の場合の時には、カフェオレだったり、ミルクティーであったり、色々楽しむ。
2度目になるが、それが私の幸せ。
トク。トク。トク。
少しづつドリップされていき、ぽたぽたと器へと落ちてゆく。
真横から、この様子を見るのも幸せかもしれない。そうとも思う。
淹れたコーヒーは苦い。だけど、その苦さの中にある甘み、こく。少し冷めて酸化して酸っぱくなったのも好き。何より、自分自身が淹れたコーヒーというのが大きいのだけど。当然プロが入れたのも大好き。
「月の見える場所で飲むコーヒーは最高だよ?」
私は鈴の鳴る音とともに鍵を開けた。
からんからんからん。
*****
ポタ
私はただのコーヒー好き。26歳独身女性。
コーヒー好きと共に小説好き。
特に推理小説が好き。あのハラハラ感が最高。
最後には探偵が全て解決する。現実じゃそうは行かないけど、それは小説だからということ。
私も謎解きをしたい。してみたいもの。
毎日、このコーヒーを味わい出勤する。
カフェインのお陰で目が覚め、仕事が捗る。
職場では良さげな男性も見つけて気分上場。いつかカフェに誘おうかなとも考えてる。
ポタ
今日も仕事があった。
今日は後輩がコーヒーを淹れてくれた。
後輩の淹れるコーヒーも美味しくて、好き。
そういえば、後輩も最近好きな人出来たとかなんとか言ってたな。
「どうぞ先輩っ!」
かちゃん。
スプーンも入れてくれたのね、気が利くなぁ。
ポタ
今日は体に力が入らない。
やっぱり風邪だろうか。どちらにしても、会社を休む理由にはならないな。
朝食はエスプレッソとクロワッサンを食べよう。
そして今日も元気に出勤しよう。
ポタ
今日は元気に満ちている。
せっかくだから、今日の朝ごはんは素敵な献立にしよう。
スクランブルエッグ。
バターを塗ったパン。
ベーコン。ヨーグルト。
そして、これは外せない。
"コーヒー"
今日は少しモカブレンドでいった
ポタ
今日は休み。
せっかくだから、気になる男性を誘ってカフェにでも行こうかな。店は私のお勧めカフェ店にしよう。
と思って連絡したのだが今日は駄目らしい。
・・・じゃあ、代わりに後輩を誘おうか。
どこの店がいいだろう。
ポタ
「先輩〜!」
嬉しそうな笑顔で後輩がやって来た。
可愛い後輩だよ。本当に。
今日はいつもと違う服装だな。
「先輩は何頼むんですか?」
そりゃ当然コーヒーだよ。
「先輩らしいですね」
「じゃあ一旦トイレに行くね。飲む前にトイレを済ます。これが私の流儀だよ。ドヤ」
決まったかな。
「ちゃんと知ってますよ。先輩のこと」
「先輩〜コーヒー届いてますよ。冷めないうちに飲みましょ。ほら急いで急いで。」
まったく…優しい子だな私の後輩は。
ゴクリ
初めて飲む味だ…なんだろうな、この味。苦味が強いな。酸味も強いかな。コクは少ないかも。
全体的な評価で言えば「あんまり」かな。
前来た時には凄く美味しかった気がするけどなぁ…落ちちゃったかな。
コーヒーの味ってのは、湿度や温度、焙煎の仕方、豆の挽き方、豆の粉の粒の細かさ、コーヒードリップの時間、順番。そしてコーヒーを淹れるカップによっても変わってくる。まだまだ味が変わる要素があるが基本的にはこれだけかなと。
「ん〜。先輩、ここのコーヒー美味しいですね!連れて来てくれてありがとうございます!」
「こらこら、先輩には『連れて来てくださって』でしょ。私だから別にいいけど…」
「えへへ〜」
こうやって後輩と話しながらというのも一つの
「カフェ」
また誘お。
ポタ
次の日になった。
今日は本屋に行こうと思う。
コーヒー片手に読む小説は最高過ぎて仕方がない。
溢さないことを大前提としてね。
さてさて、どんな本を買おうかな
本屋に到着した。
とりあえず、推し作家さんのコーナーへと向かった。のだが、どうやら新しいのは出てないらしい。
仕方ない仕方ない。
こんな時こそ新ジャンルを挑戦しよう。
どんなものがいいだろう。
あ!
「ライトノベルとかどうだろ」
ポタ
後輩とカフェに行ってから2日後。また寝込んだ。
また会社行けなくなるのはなぁ…申し訳ない。今日もコーヒーを飲もう。
せっかくだし、一昨日後輩から貰った豆でコーヒーを淹れよう
ガリガリガリ。豆が挽かれる。
サラサラサラ。豆を容器に入れる。
ポタポタポタ。豆をドリップする。
ゴクゴクゴク。コーヒーが喉を通る。
パラパラパラ。砂糖をコーヒーに加える。
カランカラン。机にコップを置く。
溜め息をつく。
天井を見上げる。
ポタ
この家を契約してもう5年。
ポタ
この会社に入ってもう4年
ポタ
気になる男性ができて3年
ポタ
可愛い後輩ができて早2年
ポタ
あぁ、後輩ちゃんをまた誘わないと。
ポタ
何も出来ずにこの1年
ポタ
来年はヨーロッパのカフェに行こう
ポタ
気になる男性を旅行に誘ってみよう
ポタ
後輩ちゃんも誘おうか
ポタ
すこし眠いね
ポタ
君は誰かな
ポタ
昔の私
ポタ
子供の頃に親が淹れたコーヒー
ポタ
また飲みたい。
ポタ
なんだか色々懐かしい
ポタ
可愛い後輩とまたカフェに行きたいなぁ。
ポタ
・・・なんで私は
ポタ
私を
ポタ
殺した?
ぽちゃん
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・・・ん。
あれ、私が私の下に居る。
夢でも見てるのかな。
うんうん。
違うね。
私は死んだんだ。
原因は毒殺…らしい。
誰に殺された?
違うね
自分自身が毒を入れたんだ。
恋愛もまともに出来ない。永遠と仕事をこなす。
些細なことの積み重ねで私の心はどうやら疲れたようだ。
もっと生きたかった。
もっと稼ぎたかった。
もっと愛をしたかった。
もっと話したかった。
もっと自分を好きになりたかったなぁ。
こんな願い届かない。
実際のところ、私が死んだだって何の影響も無い。
私分の常務は誰かがするし、会社のコーヒー淹れは後輩ちゃんがやるだろうし。
何も世界は変わらない。
何も世界の風景は変わらないはずなのに。
どうして悲しいの。
きっと私はどうにかしてた。
ああ、これは忘れたく無いなぁ。
あの子の名前は
あれ、なんだっけ…
頭の中で微笑みかける自分自身の顔を見ながら私は永遠だったはずの眠りに着いた。
次話も読んでね〜!




