8
毎度のごとく短いです
金曜日。
あくまで個人的な感想ではあるが、一週間は土曜日で始まって、金曜日に終わる気がする。土日休みの学生の身分としてはやっぱり金曜日はやりきった感が強い。
もう入学式から一週間たつが、いっこうにメールの返事はこない。自分から送っといて返事には反応しないなんていったいどんなやつなんだ。
「太一、なにぼーっとしてるんだい? なにか文芸部に入ってくれそうな人でも思い付いた?」
「いーや。俺より顔が広いお前が誘っても無理なのを俺ができると思うか?」
「うーん。困ったなぁ......」
文芸部にはいっこうに新入部員が入ってくる気配はない。今月中にあと一人いれなければ休部にすると先生に通告された俺達はいろいろな人を誘ってはいるのだが、みんなもう部活に入っていたりするのでなかなか入ってくれる人はいない。
「次の時間ってなんだ?」
「確か五時間目は日本史だったはずだよ。というか太一ももうちょっと勧誘頑張ってよ」
「ちゃんとやってるよ」
俺なんかが誘ったところで誰かが来てくれるとは思わないんだがな......
「文芸部人集まってないの?」
「ああ、もう一週間経つんだけどな......」
後ろに座っていた水島が驚いた様子で話しかけてくる。
「あと一人なんじゃなかったの?」
「その一人が集まらないんだよ......ほんと誰でもいいから早く入ってほしいね」
「ふーん......」
そういってしばらくなにか考え込んでいた水島は妙に意味ありげな顔をしている。
例えるならターゲットがまさに罠にかかろうとしている時のどっきりの仕掛人の顔だ。
嫌な予感がする。
「私ね、実はまだ手芸部入ってないんだよね」
しかし、次に発せられた言葉は、
「だからね、文芸部入ろうか?」
俺を驚かせるものだった。
「え......?」
俺たちは予想外の言葉にキョトンとして動けない。
「そんなに固まるほど驚いた?」
先に言葉を発したのは響だった。
「水島さん本当に入ってくれるの?」
「ええ。部員足らないんでしょ? どうせ私まだ部活入ってないし」
後に続いて俺もしゃべる。
「おお、これでやっと部員が揃うよ......助かる」
しかし、水島はその言葉に反応することなくそう言って安堵する俺を見つめてくる。
「それでね......文芸部に入るにあたって頼みたいことがあるんだけど」
そこで一息ついた後、
「今週の日曜日、暇? 暇ならどこかに遊びに行かない?」
またもや予想外の提案に俺は固まる。
「この三人で?」
「うん。どうかな?」
え?なんで???
「日曜日かぁ。僕はたぶん行けると思うけど、太一は?」
「え? ああ、日曜日は暇だな」
なんでお前はそんなに当たり前みたいに受け答えしてるんだよ!
「よし。じゃあそういうことで決まりだね」
「よかったー。二人とも暇で」
なんかもう決まった......俺は女の子と遊んだことなんてあまりないというのに。
というかなぜあの話の流れからこうなったのかがまだ分からないんだが......
「じゃあもう昼休み終わるし詳しいことは放課後にね」
と水島が言った途端、チャイムがなる。
あ、次の授業教室じゃないじゃん......ヤバイ遅刻する......
感想、評価やブックマーク等してくださってる方、ありがとうございます!
やっぱり反応がある方がやる気出ますね