プロローグ
newな投稿です。
初めてオリジナルを書くので至らない点がありましたら、御指摘お願いします。
「だりぃ〜…」
季節は夏。歩くことが億劫になり、誰もが建物から出たくない季節である。
しかし、彼…御門 時斗は17歳。今日も自分の通っている学校に向かってダラダラと歩いていた。
彼の家から学校までは徒歩約15分の位置にあり、歩けば遠く、自転車を使えば5分程で着ける距離であるが、自転車には使えない近道などが多数あったりする。なので、彼は距離的に徒歩で通学しているのである。
歩き始めて約5分。背後から迫る足音が聞こえた。
数秒後、視界がシャットアウトされて何も見えなくなる。
「にはは!だ〜れだ!」
聞こえてきたのは澄んだ高めの女子の声。
まあ犯人の予想はついていたので名を呼ぶ。
「離せ櫻井」
「凄い!一発正解とはやるね〜。70点あげよう!」
櫻井美沙、この破天荒な少女の名である。
性格はこんなだが、容姿はかなりの美少女。朱っぽい茶髪を腰あたりまで伸ばし、うなじ辺りで三つに結び、ポニーテールが3本揺れている。
少々童顔で、身長は153㎝、体はまぁ身長に比例した、ぱっと見年下にしか見えない同級生である。
因みに、彼の容姿は身長177㎝で上の中程のイケメンであるが、ものぐさな性格のせいで、何時も元気がある髪はくしゃくしゃで、寝そべっている。目は悪くないのに、度が入っているかも分からない黒縁眼鏡をかけ、目は眠そうに半開き。シャツははみ出し、だらしなさ全開である。
これらのせいで、残念イケメンと呼ばれたり、不良になり損ねたがり勉、などと呼ばれている。
彼と彼女は幼なじみと呼ばれる関係で、何時もこのあたりで美沙から絡まれるのである。
「いいから離れろ抱きつくな負ぶさるな、幼児体型。だりぃ」
「あっ!人が気にしてることを〜。そこに直れ!」
「ハイハイわるぅございました」
などと一見喧嘩しているようにも見えるが、これが彼らのノーマルコミュニケーションである。
そんな感じで不戯気ながら登校していると、我らが学校、『能力開発育成学園』通称能園に到着した。
この学園では、一般人の学生を対象にした、能力の開発、及び育成を主とした学園である。
能力とは、所謂超能力やら霊能力何かがあり、科学では説明出来ない事象を起こせる者たちが集う。
此処に通っている時点で気付いたと思うが、彼らにも「能力」が宿っている。
しかも美沙は学園内でも上位クラスに入っており、能力名は「絶対零度」。
その名の通り、氷を使う能力者で学園内に彼女に適う者は二十名も居ない。
それに対して時斗は、超能力は持っているが、その能力が不明と学園が認識しているので、彼は落ちこぼれの烙印を押され、最下位クラスに収まっている。
彼の能力を知っているのは世界中で彼一人しかいない。美沙ですら能力を教えて貰ったことが無く、模擬戦を行えば、美沙は何時の間にか気絶させられているので、能力を知ることが出来ないのだ。
以前、美沙が時斗に能力を教えて貰おうとしたことがあったが、必ず
「じゃあ、俺を倒せたらな」
といって教えて貰うことが出来なかった。
その為現在も能力を知らないのだ。
閑話休題
この学園には超能力棟と霊能力棟に分けられており、時斗達は超能力棟の昇降口から中へ入っていく。
1から3学年まであり、彼らは2年生なので二階に上がり廊下に出る。
クラスはS、A、B、C、D、の5クラスあり、最上位の能力者ならばSクラス。上位の能力者ならばAクラス。中位の能力者ならばBクラス。下位の能力者ならばCクラス。最下位の能力者ならばDクラスと、能力の強さや珍しさが高ければ高いほど、Sクラスに近づいていくシステムになっている。
時斗はDクラスに、美沙はAクラスにそれぞれ入室し自分の席に着いた。
美沙はその性格ゆえに、クラスの殆どに好かれ学園に馴染んでいたが、時斗は未知の能力で上位の能力者をも倒せる事が知られ、嫉妬や恐れ等から彼に近づく者が無く、クラスでもほぼ孤立状態にあった。
時斗は全く気にはしていなかったが…
しかし中には彼のことを気に入らない人々が当然居るわけで、
「オイ!御門時斗って奴はどいつだ!」
大声を上げながら入ってきたのは、三年のSクラスの人物だった。
何故分かったかというと、学年毎に違うネクタイを締め、胸元にSからDクラスのバッチが付いて居るからだ。
その人物は窓際にある彼の机の方まで歩いていくと、両手で机を叩き、彼に言った。
言ってしまった。
「手前ぇが御門時斗か…最近調子に乗ってるらしいじゃねえか?…ちょっと面貸せよ…」
その言葉に時斗は口角を釣り上げてこう言った。
…30秒だけな…
この言葉に顔を赤に染めて
付いて来い!
と言うと、クラスから2人は姿を消した。
そのきっかり30秒後。
帰ってきたのは時斗1人で服の乱れや汚れなどはなく、誰もが何もなく帰ってきたものと考えていたが、三年のSクラスでは昼食の時間になっても帰らない彼を心配した何名かで探したところ、誰が見ても病院送り決定な傷を負った彼を発見し、すぐさま通報。
救急車に乗った彼は、譫言のようにバケモンだ…と呟いていた。




