表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
最弱な俺が『最強』の美少女たちに姫扱いされる件  作者: テトラ
第十三章 ≪人ならざる者へ≫
145/146

#135 新たな加護

わくちんきつい



「話って……?」


 カグラとヘルが、並んで俺のことを見つめてきていた。

 声のトーン的にとても真面目な話っぽいけど……。


 そろそろほったらかしにしたままの桜花のことが心配になってきていたが……。

 まあ聞くだけ聞いてみよう。


「――単刀直入に言わせてもらおう」

「我らからも、加護を受け取ってほしい」


 ……加護、って……ノームから授かった強力な能力みたいなあれだよな。

 それをカグラとヘルからも……?


「でも、今までなかったのにどうしていきなり……?」


 ノームと契約した時点では、二人の神の加護は俺に与えられていなかったはずだ。

 そして、二人は『エクストラスキル』を『加護』に昇華せずに神になったことも聞いた。


 だからこそ、コイツらからはもう加護は授かれないものだと思っていたのだが。


「我としては、かの魔王があれほどの力を持っているとは思わなかったのだ」

「魔王が……?」

「ああ。我は武術を極め、神へと至った。だからこそ戦闘においては絶対的な自信があったのだが……」


 あの時は確か、魔王が不意打ちを仕掛けてきて、それでカグラは魔王の攻撃から俺の身体を守るために力を使ったんだったな。


「不意打ちとはいえ、俺が魔王に負けたのは変えようのない事実だ。我はその事実を、眠りにつきながら深く考えていた」


 拳を突き出し、カグラはキッと目を見開くと俺にその鋭い視線を向けて言った。


「――そして、もっと強くなりたいと願った。その矢先に、お前は四霊神の一人と契約をして力を得た。それがトリガーとなったのだ!」

「トリガーって……」

「すなわち! 完全なる加護ではないが、我もお前に、身体を借りずとも助力できるようになったという事だ!」


 え。


「それ、マジ?」

「大マジだ! 我からお前にしてやれることは、闘気の供給――つまり我の持つ闘気をお前の物として扱えるようになるという事だ!」


 え、え。


「マジ、なのか?」

「マジだ!!」


 マジか。

 それってかなりやばいんじゃ?


 実質的にカグラと同じ武力になれるって事だよな。かなりやばいんじゃ???


「そのまま流れで言わせてもらおう」


 と、そこでヘルも口を開いた。

 正直カグラから授かる力だけでもかなりの物なのに、ヘルまで……?


「我も、貴様が四霊神と契約したお陰で貴様に与えられる力が解放されたのでな。知らせておこうと思った次第だ」

「それで、その力っていうのは……?」


 一体どんな力が来るんだ。

 正直、欲しいのは魔力の供給とかだけど……それが本当にきたら、もう俺は最強と言ってもいいんじゃないかっていう強さになれるよな。


「――不死化」

「え?」

「不死化、だ」


 ふしか?

 ふしかってなんだ?


「不死になる、という事だ」


 ふし……ふし? 不死、って事か?

 え? それってつまり……俺は死ななくなるって事?


「死神から与えられる力は、貴様を不死にして永遠に死ねないという呪縛に捕らえることしかできなかった」

「い、いやいや。それって……やばすぎないか?」

「そうなのか? 他の者ほど強力な力ではないが……」

「え、俺ってもう死なないって事なんだろ?」

「ああ。不老ではないから老いれば苦が続くだけだが……」

「あ、そうなの。それはやばいかもな」

『でも半霊人になったから、老いにくくなってるはずだよ?』

「え」


 ああ、そうか。何なら俺ってもう人間じゃなかったのか。

 まあそうだよな……こんなことになって、人間じゃなくなって――


 え、待って。

 俺はもう、人間じゃない?


 神様と契約したり、神様から目を付けられたり、魔王から目を付けられたり。

 とんでもない異世界生活送ってたからか、もうあんまり驚かなくなってたけど、流石にやばいよな?


「……不老不死、みたいになっちまったってことなのか……?」


 どうやら俺は、人間を卒業したみたいだ。


高評価とブックマークをお願いします!

次回は明日更新です。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ