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最弱な俺が『最強』の美少女たちに姫扱いされる件  作者: テトラ
第十三章 ≪人ならざる者へ≫
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#134 新しい力③

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「さて……」


 残るは『大地の守護』っていう明らかに一つだけ他とは違うオーラを放っているこのスキルだが。

 というかこれ、よく見るとスキルじゃないな。


 なんだ……『加護』って。


「なあノーム……。これって一体……」

『加護のこと? えっとね、加護っていうのは――』


 そう切り出したノームは、加護について教えてくれた。

 この世界にはスキルというシステムがある。それくらいなら俺はもう常識程度の認識はしていた。


 しかし、この世界にはスキルを超えるスキルがあるというのだ。

 それは『エクストラスキル』というスキルの域じゃ収まりきらないほど強力な、それこそ神に匹敵するレベルの固有の力なのだとか。


 そして、『加護』というのはそんな『エクストラスキル』をも超える力の事らしい。

 そもそもエクストラスキルを手に入れられるほどスキルを極め、人として、生物としての極致に辿り着いた人間なら、それはもう人間ではない。

 その時点で神に匹敵するレベル――すなわち神と成れる力を持った『強すぎる生物』なのだ。


 だからこそ、この世界にはエクストラスキルを持っている者は存在しておらず、魔王のような世界に大きな影響を及ぼすような者であっても手に入れることは出来ていない力なのだ。


 エクストラスキルを持つ者は、さらにその力を極め、人の域、生物の域を脱したところで神となり、その力はやがて『加護』へと昇華されるのだ。

 これとは例外なパターンとして、エクストラスキルを極めることなく神に挑み、そして勝利することが出来た者は同じく神と認められることになる。


 カグラやヘルがまさしくその良い例だった。

 二人と契約したのに俺が『加護』を受けられていないのはそういう理由だったのだ。


『ぼくは防御――つまり仲間を守る術をただひたすらに極めていたんだ』

「それで、『大地の守護』が……?」

『うん。それでもぼくの持つ本来の力の一部だけだけどね』


 確か、『大地の守護』の効果は……



『大地の守護』:炎の精霊魔法の完全無効化、すべての防御・防衛系魔法や術式の無詠唱発動、土操作



 だったよな。これで本来の力の一部とは……。

 まあ、ともかくだ。この力の確認をしてみようか。実際にどんな感じで使えるのかが分からなければ、実戦で使いようが無いからな。


「えっと……まずは、『炎の精霊魔法の無効化』か」


 これは、要するにノームと同じ『四霊神』の一体である『炎霊神サラマンダー』的な奴が使う魔法とかが聞かないってことでいいのかな。


『そうだね、まさしくその通りだよ! ぼくたち『四霊神』にはそれぞれ有利な相性と不利な相性があってね……』


 炎は風の精霊魔法を無効化することができて、風は水の精霊魔法を無効化することができる。

 土は炎の精霊魔法を無効化することができて、水は土の精霊魔法を無効化することができる。


 つまり、


 炎→風→水→土→炎


 という相性表が完成するのだ。

 水は炎に強いんじゃないのか、という疑問の声もあるだろうが、どうやらこの世界では炎と水はお互いがお互いを打ち消し合う並行的な強さになっているらしい。


 同じく土と風の関係も、拮抗する並行的な相性なのだとか。

 四方に各属性を並べて相性表を作った場合、対角線にいる属性が等倍相性となる訳だな。


『理解がはやくてたすかるよ~』


 これでも日本ではタイプとかを使いこなすトレーナーになって戦うあのゲームとか結構ガチでやってたからな。


『なにそれ???』


 まあいいんだ。

 次は――『すべての防御・防衛系魔法や術式の無詠唱発動』か……。


『それがぼくのメインとなる力だね。試しに、目の前に土の壁が現れるイメージをしてみてよ』

「土の壁が……? わ、分かった――ってうおわァッ!?」


 俺がイメージすると、いきなり目の前には土の壁が現れた。

 どういうことだ。これじゃあまるで神になった気分だ。


「すごい……目の前だけじゃなくても出せるのか、これ……」


 少し遠くの地面からせりあがるイメージをすると、そこからも土の壁が現れていた。

 想像するだけでこんなことができるとは……。


 って、まさか。『すべての』ってことはこれ以外にも……?


『もちろん! 土だけじゃなくて、土が絡む物なら何でも作れるよ』

「土が関係していれば何でも、ってことか……?」

『うん! まあ、そこらへんは覚えてもらわなくちゃだから、自分で色々と試してみて欲しいかな』

「……土が絡んでいる、守りに関係する事なら何でもできるんだよな……?」

『そういう事だね!』

「分かった。それさえ分かれば後は何とかできるかもしれない」


 そして残った力――これは、『土操作』?

 それってさっきやったやつか……? それとも何か違うのか……?


『えっとね、それは土なら何でも自分の好きなように操って変形させられる力だね。近くに操れる土がないと使えないけど、さっきのと違って自由度はかなり高いから、攻撃とか罠とかにも利用できるよ』


 なるほど。同じ力のように見えて実は違うのか……。

 よし。だいぶ分かってきたぞ。このノームの力が。


 これなら俺も、だいぶ強くなったと言えるんじゃないか?

 これなら、もう『最弱』なんて言えないんじゃないか?


 後はとにかく、ひたすらに実戦経験を積んで、最強に駆け上がるだけじゃないか。

 努力なら、いつもしてきた。後は同じことをひたすらに繰り返すだけ。


 それで俺は、皆を守れる最強の男になれるんだ。


「よし……これで能力の確認は済んだし、そろそろ戻って明日の出発の準備を終わらせ――」



「待ってくれ、紅蓮」


「我らからも、最後に話しておきたいことがある」



次回は明日更新です。

明日ワクチンなので、更新無かったら寝てるかもしれません。

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