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最弱な俺が『最強』の美少女たちに姫扱いされる件  作者: テトラ
第十三章 ≪人ならざる者へ≫
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#127 地底散歩

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最近忙しくて全然集中できないです……



 夜。辺りは相変わらず暗めだが、どうやら地上では夜の時間帯らしい。

 会議が終わった後、何故か口論していた桜花たちを黙らせてから部屋に戻った。


 疲れたから、と思ってベッドに寝転んでいたら寝落ちしていたようで、気付けばそんな時間になっていたわけだ。


「……寝れん」


 あり得ないくらい濃密な異世界世界のはずなのに、人間というものは不思議な生き物だ。

 寝たらほとんどスッキリしてるんだから。今はただ晴れやかな気持ちだった。


「ハッ、最終回でもあるまいし」

「何をひとりで言っているのだ?」


 誰もいないと思ってひとりごとを呟いてみたら、どうやら起きていたらしい桜花に聞かれてしまったようだ。

 人の姿になっている桜花は、とてとてと俺の目の前まで歩いてきた。


「ぐれん」

「ん? どうした?」

「いや、なんでもないのだ。なんとなく名前を呼んでみただけなのだ」

「そっか」

「うん」


 …………ん?

 何だ、この甘々カップルみたいなやりとりは。


 桜花のやつがなんだか妙にしおらしいから、こっちもそれにつられちゃったじゃないか。


「なんだか眠たくないのだ」

「俺も。起きたばっかだし、せっかくだから最後にこの地底を散歩でもしてみるか?」

「っ! いくのだ!」

「ははっ、元気だな。それじゃあ二人で行くか」

「うんっ!」


 ガチャリと部屋の扉を開けて外に出る俺と桜花。

 部屋の中には残りの『十大武具』たちを置いてきたが、窓にも入り口の扉にもカギをかけておいたので多分問題ないだろう。


 ただまあ、一応心配だから早めに戻ってくるとしよう。うん。


「やはり結構暗いのだ!」


 とはしゃぎながら桜花は俺の先を楽しそうに走っていく。

 俺はそれに置いて行かれないように、少し早歩きで桜花を追っていく。


 それにしても、確かに昼間の時間帯と比べると結構暗い気がする。

 元々地下の世界ってだけで暗いんだから、わざわざ地上に合わせなくても……と思ったが、まあ理由もあるみたいだしな。


「……そういえば、ダイスさんが何か言ってたな」

「どうしたのだ、ぐれん?」

「いや、確かこの地底世界には唯一の観光名物がある、みたいな……」

「かんこうめいぶつ?」

「ああ。何だったかな……祠がどうとか言ってたけど……」


 場所はドワーフ族の里とミュータント族の里の中間にあるって言ってたっけか。

 前にミュータント族の里に行った時はゲレスの襲撃があったからしっかりと見れてなかったんだよな。


 そもそも存在にすら気が付かなかったくらいだし。

 ただダイスさんが徳が高まる、なんて言ってたから見ておいても損は無いだろうと思う。


「――それって、もしかしてこれなのだ?」


 考えながら歩いていると、桜花が何かを指さしながら言った。

 俺はその指の先を目で追うと、確かにそこには小さな祠……というか、お仏壇みたいなものが置かれていた。


「……多分そうだな」


 花や食べ物などの御供え物がしてあって、その中央にはお地蔵様みたいな石像とその隣にいる泥団子みたいな球体があった。

 これは一体……?


「この地の守り神的なあれか?」

「かもしれないのだ。なんだかこれからは感じたことのない力を感じるのだ」


 桜花でも感じたことのない力だって?

 それってマジで神的な、すごいやつなんじゃないのか??


 じゃあダイスさんの言っていた徳が高まるってのはそういう事か。

 それなら俺もお祈りぐらいはしておいた方がいいかもな。


「よし……」


 正しいお参りの作法とかは知らなかった俺だが、何となくでやってみることにした。

 パンパンと手を叩き、頭を何度か下げて祈る。


 ――いつか、大切な人を守りきることが出来る強い男になりたい。


 と、そう願った。


「私もなんかお願い事しておくの――」


 桜花が俺に倣って祈ろうとした、その時だった。




『ぼくがその願いを叶えてあげるよ!』




 そんな、可愛らしい声が聞こえてきて。

 俺の視界は、先程までの地底の暗い光景ではなく、不思議な感じのする明るくてふわふわした空間にいたのだ。


次回は明日更新です。

土日はお休みして、来週で恐らく今章も完結になります。


第一部終了後は第二部構成&第一部修正のための長期のお休みをいただく予定なので、

ブックマーク登録などお済でない方はぜひこの機会にお願いします!

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