表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
最弱な俺が『最強』の美少女たちに姫扱いされる件  作者: テトラ
第十三章 ≪人ならざる者へ≫
135/146

#125 次なる目的地

高評価とブックマークをお願いします!



 榊原さんが俺と一緒に地底を出ることが決まった。

 しかし、依然として俺の――いや、俺たちの旅の目的は定まっていないままだった。


「それで……どうしましょうか、旅の目的」

「さっきはしたいことが多すぎて、みたいに呟いてましたけど、何が候補にあるんです?」


 と聞かれたので、俺はさっき考えていたいくつかの「したいこと」を榊原さんに話した。

 仲間たちとの合流、クラスメイト達との因縁、『十大武具』の回収、自身の強化。やりたいことは山積みだ。


「なるほど……」


 思っていたのと違ったのか、榊原さんは俺と同じように悩んでいる様子だった。

 と、ここで俺はとあることを思い出してダイスさんとゼナさんに話しかけた。


「そういえば、【黒斧ノワール】と【聖盾ひがん】のことなんですけど、あれって……」

「ああ、あれなら持っていちまっても問題ないぜ!」

「こっちも、特に問題ないよ」


 良かった。元々この地にとって大きな存在っぽかったから、何も言わずに持っていくのもどうかと思ったんだよな。

 ただこれで許可ももらえたので気兼ねなく――


「ただ、一つだけ条件がある」

「おや、アンタもかい?」

「フン、どうせ同じことを思っておったんじゃろ?」

「だろうねえ」


 ん? 何だ、珍しく……かは分からないが、意見がどうやら合っているみたいだけど。

 二人とも、俺のことを見て……マジで何だ?


「――紅蓮。お前さんには、この場所の……地底世界の統率者になってほしい」

「……? とうそつ、しゃ……?」


 ダイスさんから放たれたその言葉を理解するのに、大体20秒くらいかかってしまう。

 そして、その20秒で理解した言葉の内容をだが、すぐに意味が分からなくなって首を傾げてしまう。


「え、え? 地底世界の統率者って、一体どういう……」

「そのまんまの意味さね。伝承によれば、この地に封じられた武具を使いこなす者は救世主様なんだ、ってこのチビから聞かなかったかい?」

「誰がチビだ! ……って、そうじゃ。救世主様である以上、我らの希望……その象徴になってもらわねばならない」

「な、なんでそうなるんですか!?」


 二人の言葉が理解不能過ぎて、俺の頭は全然話に追いつけなかった。


「まあ、良くも悪くもこの地にあった『十大武具』は神格化されていましたからねぇ」


 とは、榊原さんの言葉だった。


「神格化……って、守り神みたいなことですか!?」

「まあな。だから、お前さんが持っていく以上何か代わりの紙が必要なのじゃ」

「それが、この里を救った救世主たるアンタってことさね」


 な、なるほど。話は理解できたぞ。

 しかし、統率者って言われても一体何をすれば……


「ああ、もしかしてアンタ、統率者になったから何かしなきゃって思ってるのかい?」

「え、あ、はい……」

「それなら心配しなさんな。アンタがすることは何にもないよ。ただ名義上の存在でいてくれればいいのさ」

「え、それだけでいいんですか?」


 まあこの後まだ旅に戻るっていったばかりだしな。

 地底世界の救世主だから、統率者として残ってくれって言うのであれば先に言ってるはずか。


「ああ。お前さんは旅をするんじゃろ? なら、無理に何かをしろなんて言うつもりはないな」

「そ、そういう事なら……」


 ダイスさんとゼナさん以外の皆さんが納得するとは思えないけど……二人が言うなら。

 と俺はこの地の統率者になることを了承した。


 ダイスさんとゼナさんは笑って感謝してくれたが、俺はまだその実感が湧かなくて苦笑いを浮かべてしまう。

 と、そんな時。


「これなら……よし、紅蓮さん!」

「あ、は、はい! どうしましたか!」


 いきなり出された大声にびっくりして、変な反応をしてしまった俺。

 どうやら榊原さんが何かを思いついたみたいだけど……。


「旅の目的、全部何とかなるんじゃないかなって!」

「え、マジですか?」

「マジです。えっとですね……こういう感じにすれば……」


 榊原さんは、そう切り出して俺たちの旅の目的を――俺がしたかった事をまとめて分かりやすく目的にしてくれた。


 曰くこうだ。

 まず、一番の目的は『十大武具』の回収にする。それは、恐らく蒼華達もそうしているからだろうと榊原さんは言った。


 すると、何処かで出会うことが出来るかもしれないし、目的が無効と同じなら情報も手に入りやすくなるだろうという。

 魔王軍の干渉も情報源として利用すればいいというが、それはかなりリスクが高すぎる気もするが。


 そして、その度の中で俺個人はクラスメイト達との因縁……気持ちの整理をつけるしかない。

 後は、旅の途中で鍛えるのは何とかなるだろうと言われた。


 まあ考えてみればそうか。

 榊原さんは戦闘があまり得意ではなくて、その分俺が戦わなくちゃいけないんだし。

 そう考えたら俺が少しでも成長できる可能性はあるだろう。


「なるほど。確かにそれならやりたいことは全部……」

「まあ、蒼華ちゃんたちが同じ目的にしてるかどうかは正直賭けな部分はありますけどね」

「でも、もうそれで行くしかないですよ。あれから結構な日数が経ってますし、早くしないと魔王たちも動き出すでしょうし」

「それじゃあ、明日には出発しますか?」


「――ですね。早めに動くなら、明日には出発した方がいいかもですね」


次回は明日更新です!

スマブラ最後の追加キャラ誰だろ、、、

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ