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最弱な俺が『最強』の美少女たちに姫扱いされる件  作者: テトラ
第十二章 ≪失った希望、新たな希望≫
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#122 獣王国の使者

高評価とブックマークをお願いします!

次で章終わりになると思います!



 長かった夜も明け、朝陽が昇る。

 目が覚め、身支度を整えた蒼華達は宿の外で『彼ら』を待っていた。


「――すみません、お待たせしました」


 そう言いながら現れたのは、アレクだ。

 その後ろには、7人の日本人――召喚者たちもいる。


「いえ、あたしたちも今さっき集まったばかりなので」

「そうでしたか」

「それで、改めて聞いておきたいんですけど……アレクさんたちがあたしたちについてくる理由って、何なんですか?」


 少し、威圧するような怒気を孕んだ質問。

 紅蓮の事を追放し、見捨てたクラスメイト達と……蒼華を裏切って色々と迷惑をかけられたあのガラドンの弟、という蒼華にとってはあまり顔を合わせたくない相手が揃っていたからだ。


 もし、これから紅蓮と会うことになれば、少なからずクラスメイト達とは気まずい雰囲気になることは間違いないだろう。

 それに、魔王たちと戦う際の足手まといにでもなられたら迷惑極まりない。


「――我々の、というか私個人の目的ですが……私は、異世界人である召喚者の皆さんを保護したいと考えています」

「それは何でです?」

「私は、現在のカルマ王国の在り方が好きではありません。王も、聖堂会という連中も、自分の事しか考えていないクズばかりだ」


 拳を固く握り締め、肩を震わせながらアレクは語った。


「だから私は、国を変えるために……王を討ち取るために、まずは王に利用されそうになっていた召喚者の皆様を守ろう……と行動している訳です」

「召喚者を……それじゃあ、その対象にはあたしたちも入ってるってことですか?」

「当然、ソウカ殿も……その仲間である他の皆様も、私個人からしたら守るべき大切な方々になります」


 アレクの、真っすぐな言葉に蒼華は頷くしかなかった。

 これほど真っすぐな信念をもって動くことが出来る人間はそういない。


 兄であるガラドンがあんなだったからこそ、反面教師で出来た弟なのだろう。

 そう蒼華は考えていた。


「分かりました。それで、他のみんなは?」


 次に蒼華は、月島たち紅蓮のクラスメイトに質問の矛先を向けた。


「俺たちは、緋神のすさまじい境遇を貴女から聞いて……」

「同じクラスメイトとして、顔見知りとして放っておけないって思ったんス」


 八木と楠木が、蒼華の問いにアレク同様真っすぐ答えた。


「他の五人もそうなの?」


 月島と相園は、蒼華の問いかけに頷いて答えたが、他の三人は首を振った。


「俺は早く日本に帰る手がかりを知りたくてよ。だから情報を積極的に集めるためにこっちに付いたんだ」

「わた、しは……幼馴染を探すため、に……」

「――私は、ジッとしているのがどうも苦手でな……。国から利用されるのは嫌だが、自分の意思で戦場に身を投じれるのであれば、話は別だと思った次第だ!」


 郷島、灰崎、神藤もそれぞれの目的を蒼華に伝えていった。

 全員、何かしらの覚悟があって蒼華達の旅に同行しようとしているのだ。


 月島や相園は、そんな彼らの想いを聞いて少し考えてしまっていた。

 自分たちは、そこまでの覚悟がなかったのではないかと。ただ、何となく助けたいと、興味があるというだけで来てしまったのではないかと。


「……そっか。まあ、今更ついてくるな、なんて言うつもりはないけどさ……」


 蒼華は、言いながら振り向いた。


「――あたしたちは、紅蓮ともう一度会いたい。そして、魔王を……倒したい。それが、目的。きっと、あたしたちの旅は過酷なものになる」


 蒼華は自身の持つスキル、『憤怒』の事を想像しながら言っていた。

 魔王アレンは、このスキルと紅蓮の持つ『十大武具』を狙っていた。だからこそ、きっと平和な旅なんて出来るはずが無いのだ。


「……それでもいいのなら、行こっか」

「既に覚悟はできています。何卒、よろしくお願いいたします。ソウカ殿」


 王にひざまずくように、蒼華に礼をしたアレク。

 他の7人もアレクに合わせて頭を下げた。


「あはは、なんか団長してた頃を思い出すね、これ」

「お姉ちゃん、なんだか王様みたいです~」

「でもソウカ様。行くって言っても、次は何処に……」


 メルが、蒼華にそう問いかけたその時だった。


「――あ、それなんだけどね。実は考えが一つ……」



『――ララメルト・ソフィーナ様!』



 蒼華の言葉をかき消すような、複数人の男性の野太い声が周囲から響いた。

 直後、ドドドド……と8人の獣人が目の前に現れたのだ。


「な、何……?」

「あ、貴方たちは……ッ!」


 皆が困惑する中、メルだけは目の前に突如現れた獣人たちの顔に見覚えがあるようだった。


「――ララメルト姫。我ら近衛一同、王の勅命により貴女様をお迎えに上がりました」


 そう。それは、『ペイン獣王国』からやってきた、獣王国の使者たちだったのだ。


次回は明後日更新になります!

今後の更新スケジュールですが、木曜/休 金曜/更新(章終わり) 土曜/更新(新章) 日曜/休み って感じでお願いします!


高評価↓↓↓

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