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最弱な俺が『最強』の美少女たちに姫扱いされる件  作者: テトラ
第十二章 ≪失った希望、新たな希望≫
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#120 抗う決意

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「――さて。ここに残った者達は、私たちと共に戦場に身を投じる覚悟がある者だという認識でいいかな?」


 アレクさんの言葉に、まだこの場所――宿の地下の酒場に残ったクラスメイト達は頷いた。

 あの後、クラスメイト達はどうするかを近くの友人らと相談したり、中には一人で覚悟を決めたりと、それぞれのやり方で答えを出していた。


 中立都市ベルク―ドの屋敷で、平和に暮らしていくか。

 アレクさんや蒼華さんたちと共に、魔王や『十大武具』に関わっていくのか。


 アレクさんは、全ては話さなかったが蒼華さんたちから聞いた話の内容を分かるように皆に話してくれていた。

 その為、アレクさんについていくという事がどれほど過酷な選択であるのかというのも、クラスメイトたちは理解していた。


「それでは――今ここに居る者達の名前を再確認させてくれ」


 そう言って、アレクさんは僕たちを見回した。

 元々は僕――月島晴を含めた17人のクラスメイトがいたが、今この場にいたのは僕含め7人の生徒のみだった。



「――それじゃあ俺から。俺は八木やぎ 光流ひかる、このクラスの委員長をやっています」


 クラスで一番の爽やかイケメンで、運動もできて頭もいい……ハイスペック陽キャの八木君がまずは自己紹介を済ませた。


「んじゃあ次俺な♪ 俺は楠木くすのき まこと、よろっぷだぜ」


 そんな八木君に続けて、髪を片側だけ伸ばしてたりピアスを付けていたりと、かなりチャラいが実はいい奴……な楠木君も名乗りを済ませる。


「私は、相園あいぞの 麻衣まい。よろしくね」


 若干テンションは低いみたいだったが、ゆるふわ系ギャルと博識で清楚という相反する属性を持つ美少女相園さんも続く。


「俺ァ、郷島ごうじま柔斗じゅうとだ。早く元の世界に帰る手がかりを見つけてェから、こっちに付くことにしたぜ」


 あの郷島君もこちらに残った仲間の一人だった。彼も礼儀正しく、自分の名を続けて名乗った。


「わた、しは……灰崎はいざき 樹里じゅり、です……。天見さんが心配で……早く見つけたくて……こっちに……」


 おどおどした感じで自己紹介をしてくれたのは、灰崎さんだ。髪が長く、目元も隠れているためクラスの中では彼女をブスだと呼ぶ人もいたが……友達の天見さんを心配している、友達想いの優しい人だ。

 ちなみに天見さん――天見あまみ 涙衣るいさんは、この世界に転生してしまったかもしれない六人のクラスメイトの内の一人で、灰崎さんの幼馴染だ。


「最後は私ね! 私は風紀委員長をやっていた剣道部部長の……って、今は元か。まあ何でもいいわ。神藤しんどう 静香しずかよ、よろしくね」


 僕が忘れられていたが、神藤さんは自信たっぷりな様子で名乗っていた。彼女のプロフィールはさっき彼女自身が言っていた通りだ。

 様子で言えば、胸は控えめだが身長はこの中じゃアレクさんと並ぶくらい高め……ってとこだろうか。


「えっと……僕が最後ですね。僕は月島つきしま はるです。よろしくお願いします」


 僕の言葉を聞いて、神藤さんが驚いた顔をしていた。

 『あ、まだいたの? ってか君誰?』みたいな顔でこちらを見てくるもんだから、なんだかとても悲しくなった。


「八木君に楠木君、相園さんに灰崎さん。郷島君に神藤さん……そして、月島君。今回は残ってくれて本当にありがとう」


 そう言ってアレクさんは、深々と頭を下げた。


「改めて。私はアレク。アレク・バルドットだ。元……だろうが、聖騎士団の副団長を務めていた者の弟だ」


 これで、この場にいた全員が自己紹介を終えた。

 アレクさんの部下でついてきていた四人の聖騎士さんたちは、残った10人のクラスメイト達を守るという理由でアレクさんの指示のもと屋敷へと向かっていた。


 という事で、この場にいる8人と、蒼華さんたち5人を加えた13人が新たなパーティーとなる訳だ。


「――それじゃあ、もう夜も遅いから……続きはまた明日の朝にでも話そう。ソウカ殿たちも出発の目処が立ったらしいのでな」

「わかりました。それじゃあ、また明日の朝に……」


 そんな感じで、僕たちはそれぞれが泊まる部屋に戻っていった。




◆◆◆◆◆




「――ゼナス。今大丈夫か?」


『――ええ。問題ありません。ただ、少し手短にお願いします』


「分かった。では現状を簡単に報告させてくれ。我々は現在中立都市ベルク―ドに滞在している」


『ベルク―ドに……なるほど。そこならカルマ王の力もあまり効果はありませんね』


「ああ。そこで入手した屋敷に10名の召喚者を保護し、残った7名の召喚者と私で、緋神と影咲という例の召喚者の行方を追うことにした」


『何か情報がつかめたのですか?』


「とある者達と出会ってな……まあ詳しい話は追々という事で」


『分かりました』


「それで? そっちはどうだ?」


『ええ……こちらは現在手詰まりといったところでしょうか。聖騎士団元副団長のガラドン氏と聖堂会のレバンス氏らで結成された勢力とけん制し合っているような状態で……』


「召喚者たちの行方もつかめていない、と?」


『そうですね。新しい動きは何もありませんよ。こちら側も、向こう側もね』


「そうか……では新しい情報が入ったらまた何か知らせてくれ。こちらもそうする」


『ええ、分かりました。それでは……お気をつけて』


「そっちもな」

次回は明日更新です!

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