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最弱な俺が『最強』の美少女たちに姫扱いされる件  作者: テトラ
第十一章 ≪地底襲来≫
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#113 自由への渇望

高評価とブックマークをお願いします!

章終わりなので明日は休憩をはさみます~



「クッ……私が、このような……」


 あれから、俺たちは倒れていたゲレスを榊原さんの作った魔道具で拘束し、牢屋にぶち込んでいた。

 ゲレスはもう動くことも出来ないくらいノワールにボコボコにされたらしく、何かスキルや魔法を使うようなそぶりは一切見せなかった。


 が、万が一という事もあるので、牢屋の前にドワーフの人たちが交代で二人見張りに付くことになっていた。

 これで、ゲレスの件はひとまず心配はいらないだろう。とすると、次に問題になってくるのは――



『ぐれんはお前みたいなのとは絶対に一緒に旅なんかしないのだ~!』


『黙れこのチビ助が! 俺に名前と……自由を与えてくれた人間だぞ! 向こうが拒否してもこっちから無理矢理ついていくからな!』


『いい加減に静かにしろ! 煩いぞ!』


『って言ってるおじさんも煩いけどね~ぷぷぷっ!』


『ええ……本当に騒々しいわ……』



 ……桜花とノワールにも一度武器形態に戻ってもらったはいいものの……。


「お前ら、マジでうるさいな……」


 俺はつい本音を漏らしてしまっていた。


『な~~! 私は別にうるさくないのだ!』

『お前が一番うるせえからな!?』

『どっちも変わらんだろうが!』

『おじさんもね~』

『だから騒々しいのよ……』


 ……やっぱりガチで煩いわ、こいつら。


 ゲレスを倒し終わった後……俺は桜花とノワールを物理的な喧嘩が出来ないように武器に戻ってもらったんだ。

 そして、すぐに確認したいことがあってノワールと、そしてルリとルナの『魔武具』たちに今後をどうするか聞いてみたんだけど――



◆◆◆



『――俺たちに、世界を滅ぼす気はあるのかだって?』

「ああ。お前たちには記憶が無いみたいだが、文献によればお前たちは大昔に世界を滅ぼそうとした災厄そのものだと書いてあったからな……」


 一応の意思確認をしておきたいと思った。

 もし、世界の敵であり続けるというのなら、それ相応にこちらも態度を改めないといけないだろうし。


 それに、一応ノワールたちの敵であった桜花たちもいる以上、今のそれぞれの心境を把握しておくことはそれなりに重要だと思っていた。


『そうだな……俺は、特にそういう思いは無ェな』

「そうなのか?」

『ああ。確かに、過去に世界を滅ぼそうとしてたことはなんとなく覚えてる。ただ……』

「ただ……?」


『――今は、自由でいられることの素晴らしさを知って……世界を滅ぼしたいとか、滅ぼしたくないとか、そういうのはまだ分からねェけど。とにかく俺は、自由に生きていたいって思った』


 斧に封印されたからそれなりの年月は経っているだろう。

 桜花や他の『十大武具』も同様に、長い年月を動けない不自由な生活を過ごしてきたのだろう。


 ずっと一人で。


「……もし、世界を滅ぼしたいって思ったら……その時は……」

『紅蓮。お前が何を言いたいのかは分かんねェが、俺は少なくとも自由を与えてくれたお前にだけは従うぜ。それは、絶対約束してやる』


 ……真っすぐ、真剣な言葉だった。

 今の言葉を疑うほど俺も用心深くはない。今の彼の言葉は、それだけ純粋な思いが……『自由』への喜びが感じられた。


『私たちも、同じよ』

『うん。今は、おにーさんと一緒に居られるのが何よりも楽しいからさ!』


 ……ルリとルナも、ノワールと同じく俺には敵対しないとのことだった。

 やっぱり、封印されてからの長い時間の中で、それぞれの心境に変化があったのだろうか。


 『自由』でいられること、孤独じゃないことが彼ら『十大武具』にとっては何よりも大事に見えた。


『私も……一人が寂しいのはよく知ってるのだ……』

『それなら私も同じだ。孤独は、とてもつらい……』


 ああ、それなら俺にだって共感できる。

 両親を失って、姉さんたちとも離れ離れになって……ちょっとでも孤独な時間があると、すぐに寂しい気持ちが湧き出てしまう。


『俺は……お前についていくぜ。紅蓮』


『私も、もちろん一緒に居させてもらうわ。ご主人様』


『お姉ちゃんが行くんだから、私ももちろん一緒だよ! おにーさん』


『本当は私一人がいいけど……仕方ないから、許してやらんこともないかもしれないのだ……』


『うむ。私も一緒に少年と高みを目指したい故!』


 孤独だけど、孤独じゃない。

 俺には、また新たな仲間がこんなにもできたんだから。


 ここから……再び始めよう。

 俺の、最強になるための物語を。

次回更新は明後日です!

次章は紅蓮君たちとは別の方……つまり残された彼女たちと、彼らが邂逅しますよ~


高評価↓↓↓

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