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最弱な俺が『最強』の美少女たちに姫扱いされる件  作者: テトラ
第十一章 ≪地底襲来≫
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#110 崩壊の予兆

高評価とブックマークをお願いします!



「この魔道具で洗脳を上書きします!」

「ああ、頼んだよ!」


 後ろでは榊原さんとゼナさんがミュータントの軍勢との戦闘を開始していた。


「さあ、こちらも行きますよ!」


 そう言って、ゲレスは杖を俺に向けてくる。

 やはり奴は魔法を使うのか……? それならば、先に近づいて……


「――魔法を使うと、思いましたか?」

「……ッ!?」


 俺が、ゲレスに近づいた瞬間。奴は再び杖を俺に向けて勢いよく振りかぶってきたのだ。


「ぐれんッ!!」

「大丈夫だ……桜花!」


 ゲレスの使った魔道具、『封印の棺』に囚われて動けなくなった桜花の心配する声が聞こえたが、すぐに俺は態勢を立て直す。

 これくらいの打撃なら、いつも姉さんから尋常じゃないほど喰らってたしな! まだまだ全然いけるさ……!


『――少年! 私を使うといい!』

「この声は……彼岸か!」

『ああ。奴が打撃戦法を得意とするならば、私はうってつけだろう!』


 確かに……彼岸ならゲレスの攻撃を全て防いでから反撃出来る、か!

 それなら、ひとまずルナをしまって……


『ああん! ちょっと、ダメよご主人様!』

『そうだよおにーさん!』


 と、思ったのだが、何故か片方だけをしまうことが出来なかった。

 紫色の鎖のような物が、【魔双剣】に現れたのだ。


「なんだ、これ……」

『私たちは二つで一つの存在なのよ。だから、引き離そうとしたら戻るみたいなの』

『だから、おにーさんは私たちを使うならセットでしか使えないって事!』


 マジかよ……それじゃあ、彼岸を使うなら桜花がいないと攻撃できない……って事か?


「クフフ……どうかしたんですかァッ!」

「ぐああッ!」


 と、俺が頭を動かしている間に、ゲレスが俺に接近してきて再び杖で殴ってきた。


「クソ……今の状況じゃ攻撃か防御のどちらかしかできないのか……」

『いいえ、ご主人様。それは少し違うわ』

「違う……? って、どういうことだ、ルリ」

『この戦場にいる人たちは視野が狭いみたいだけど……さっきからそこに一つ落ちてるじゃない』


 落ちてる……? それって、一体――


『あ~っ! そういうことか~!』

『ほら、よく見てみてご主人様。貴方の視線の先には、何があるの?』


 俺の、視線の先……?

 そう言われて俺は改めてよく周囲を見てみることに。


「クフフ……今更逃げ道を探したってもう遅いんですよっ!」

「ったく……しつこいなお前っ!」


 今度はゲレスの攻撃を転がって避けた俺。

 その時だった。俺の視界に、一つの武器が目に入ったのは。


「そういう……ことかッ!」


 少し距離は遠いが、多分走れば間に合うはず。

 ゲレスよりも先にアレを拾えれば……まだ勝機はあるはずだ!


「行くぞ……ッ!」

「……? どこに向かって走って――――」


 俺は、ゲレスとは反対方向に向かって走っていた。

 そして、少しして……そこに落ちている物を即座に拾って構えた。


「【黒斧】――これなら、何とか片手で持てる武器だ……ッ!」


 そう。それは、ゼナさんが使っていた斧――『十大武具』の一つでもある【黒斧】だった。


「これなら彼岸と一緒に使えるはず……」

「チッ……後で回収すればいいと思っていましたが……しくじりましたね」

「さあ。これで形勢逆転かもな!」

「形勢逆転? 何を馬鹿な……私の攻撃が打撃のみと思ったら大間違いですよ!」


 そう言うとゲレスは再び杖を天高く掲げた。

 同じく再び輝く紫の水晶。


 ……奴の言葉的には、今度こそ魔法が飛んでくるのか……!


「ッ……!」


 俺は、持っていた【黒斧】を構えてゲレスに突っ込もうとした。

 その、刹那。



『――俺、は……ァ……!』



 【黒斧】から、声が聞こえてきて。



『……俺、は……破壊と、再生の……ぉ……ォ……オオオッ!!』



 あの時と同じ、黒い稲妻が周囲に現れ始めていた。


「なんですか……これは……ッ!」


 そして、その直後。大地が揺れ始めて……



『俺はァァァァアアアアアアアッ!!!!!』



 男の声が響き、黒き閃光が、地底を包んだ。

次回更新は明日です!よろしくお願いします!

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