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最弱な俺が『最強』の美少女たちに姫扱いされる件  作者: テトラ
第十章 ≪地底世界≫
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#95 地の底へ

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 現在、俺は絶賛誘拐されているところです。

 何を言っているのかって? 大丈夫、俺も分かってないから。


「あ、あの。ちょっと! これってマジで一体どういう状況何ですか!?」

「見ればわかる」

「いや、分からないから聞いてるんですけど」

「お前は馬鹿なのか?」

「え」


 これって俺が悪い感じになるのか?


「見たら分かるだろう?」

「……俺が、あなた方に攫われている……って事でいいんですか?」


 二人の――これは恐らく小人族ドワーフの人たちだろうか。

 そんな二人に担がれて……何処かに連れていかれているようにしか見えないよな。


 それ以外に一体、どういう風に見えるというのか――


「だからお前は馬鹿なのか」

「はぁ?」

「今は、ボクと、アニキでお前を案内しているところ、だ」

「あ、案内……って、これが!?」


 おいおい、嘘だろ。こんな強制連行みたいなのが案内だと言っているのか?


「そうだ」

「いいからお前は黙ってこのまま案内されろ」

「…………」


 どうする……? このまま連れていかれた場合、起こりうる可能性は大きく分けて二つだ。

 俺にとって良いことが起こる場合と、悪いことが起こる場合。


 このまま信じてついていくか……それとも何とかして脱出するか。

 さて……


「な、なあ。それなら移動の間に一つ聞かせてくれないか?」

「なんだ」


 お、どうやら話は聞いてくれそうだな。


「これから向かうところって、何処なんだ? 流石に何にも知らないまま案内……されるのはどうも怖くてな」

「地底世界、だ」

「ち、地底世界……?」


 何だ……? また知らない言葉が出てきたぞ。

 地底世界……って、地下鉄みたいな、地下にある何かなのかな。確かにドワーフっぽいと言えばドワーフっぽいけど。


「それって、一体どこなんだ……?」

「お前、一つと言った」

「え?」

「お前、一つ聞かせてくれ、と言った。だから一つ答えた」

「え、それじゃあこれ以上はもう答えてくれないのか?」

「後は弟が答える。俺はあまり話すのが好きじゃない」

「アニキがそう言うなら、ボクが代わりに答えてやる。まだ到着するまでは時間がかかるからな」

「わ、分かったよ」


 二人ともあんまり喋る感じには見えないけどな。

 弟さんの方が喋れるらしい。


「それじゃあ……ひとまず名前を聞かせてくれないか?」

「ボクはルガル。そっちはアニキのノル。ボクたちは、双子の兄弟だ」


 通りで似てると思った。

 なるほど。双子だったわけだ。


 ……って、また双子か。モネとレイニーも双子だったけど、なんか双子って種族関係なく多いのか?


「それじゃあルガルさん。地底世界って一体何なんですか?」

「地底世界は、地底世界。地下に作られた、はぐれ者の世界だ」

「はぐれ者……?」

「ああ。ボクたちのようなドワーフや、変異魔族ミュータントという少し変わった魔族も暮らしている」


 ……みゅーたんと?

 変わった魔族って……やばい、色々新しいことが起こり過ぎて頭が追いついてこないな。


 ひとまずはそういうのがいるって事だけ覚えておくか。


「その、ミュータントっていうのとは敵対しているのか?」

「いいや、共存している」

「ってことは、そこまで凶暴な存在ではない、って事か」

「いいや、凶暴ではある。だが、利害が一致しているから、一緒に生きているという感じだ。住んでいる場所も奴らと、ボクらは別々の場所だ」

「へぇ……なるほど」


 良かった。戦う相手では無いって事か。


「それで、本題なんだが……どうして俺は連れていかれてるんだ?」

「それは――」

「ルガル。もうすぐ下に入る。話は長老様からしてもらう」

「分かった。その質問は、ボクたちの長老様からしてもらう。我慢しろ」

「長老様……?」


 二人がそんな会話をしたと思ったら、周囲の景色が一気に変わっていた。

 何もないだだっ広い平原から、森に来たと思ったら、今は洞窟みたいなところに来ていたのだ。


 そして、坂道だからか走るスピードがだんだんと速くなっていく。

 その感覚はまるでジェットコースターのようだった。


「さあ、地底世界に着くぞ」


 ノルさんが、そう言った。

 次の瞬間。


「うっ……わ……すげぇ……!」


 俺の視界に移る景色は、地下に広がる明かりに包まれていた。

次回は明日更新です

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