テストという戦いを経て
「テスト、終わった~!」
私は、最後の強敵、もとい数学のテストを終える事に成功した。
「フユカ。期末テストお疲れ様」
「ナツもお疲れ様。ようやく、アニメが見れるよ」
「だね~そういえば、フユカは課題のほうは大丈夫だった?」
「あ~えっとね………赤染めの儀で終わらせた」
私はナツから目をそらしつつ言う。
「フユカ、それじゃ駄目だよ。課題はいわば期末テストのための知識や公式を手にするためのものなんだから、ちゃんとやらないと」
「それは、分かってるけどさ~やりたくない!」
「なるほど。なら、これは貸さなくてもいいかな」
ナツは本を一冊、しまおうとする。
てか、それは!
あのシリーズの最新刊!
「ナツ様!次からは、頑張りますから今回だけは見逃してはくださいませんか!?」
「仕方ないなあ~今回だけよ」
スッと本を渡してくれるナツ。
「それで、前回闇に消えてしまった…」
「あ~!ネタばれ禁止!」
油断も隙もない。
私は、かなり必死でナツを止めるのであった。
◇ ◇ ◇
「あっ!フユカちゃん!」
「ナナお姉さん!」
ナナお姉さんは疲れた様子を見せつつも、私に手を振っている。
「フユカちゃん、テスト終わったの?」
「そうなんです!ナナお姉さんは?」
「私はまだ土日挟んで月曜日もあるんだよね。まったく、高校生の二期考査は大変だよ。とくに数魔卿の数Ⅰと数Aが強敵でさ~」
「…まあ、頑張ってください。私は先にアニメ見とくので」
「フユカちゃん、絶妙に冷たいよ。まあ、アニメなら毎日見てるからそのマウントは特に意味はない」
「そうですか。ナナお姉さん、前に成績良いって自慢してましたもんね。なんで、そんなに成績良いんですか?」
ナナお姉さんは、フッという感じで笑うと告げた。
「教養の差だ」
そして、ナナお姉さんは去っていった。
「教養の差って……?」
あの感じ、何かのパロディだな。
何かが分からんけど。
「つまり、フユカがバカってことか」
「うわっ!?セツ、いたの?」
今日はハルヤと帰るとかで、私より先にハルヤと学校出たくせに。
「そんなに驚くなよ」
「いや、まだこんな所にいるとか思わないって。そういや、ハルヤは?」
「さっき別れた。帰るぞ」
「あっ!ちょっとセツ!」
私は、歩き出したセツを追いかけて隣に並ぶ。
「ところでさ、私がバカってどういう意味よ?」
「そんくらい、自分で考えろよ」
「いや、意味分かんないから」
私とセツは家の前でハッピーリさんに止められるまで口喧嘩し続けたのだった。
◇ ◇ ◇
「なるほど、なるほど。いい点とはいえないが、悪いわけでもないか」
「いや、あれだけ勉強してなくて数学74点なのは凄くいい点だと思うぞ?」
セツが私のテスト用紙を覗きこんでくる。
「って、勝手に見ないでよ!そういうセツは何点なわけ?」
「88点。ケアレスミスがなければもっと上がってたんだけど」
セツ、何でそんな点とれるんだろ。
努力してるから?
ですよね。
「フユカちゃん。なんで、ぼくより点数がいいの?ぼくより課題赤染めしてたのに」
ハルヤが愕然としたように私の点数を見てくる。
「そういうハルヤは何点?」
「………52点」
あれ、結構低い。
よく見ると、計算ミスが多い。
公式ちゃんと覚えてるのにもったいないな。
「まあ、テストくらいなら授業ちゃんと聞いていれば分かるよ?」
「フユカ、何気に天才だよな。学習能力のないバカだけど」
「天才とバカを並べてるの初めて聞いたよ。セツ」
「なんだと………」
ハルヤが茫然としたまま動かない。
あれ?
授業ちゃんと聞いていれば74点くらいとれるよね?
えっ、取れない?
普通は取れない?
なんだろう、自分で問いかけて自分で答えにたどり着いた。
うむ。
「フユカ、ちゃんと勉強してればもっと点数とれたんじゃない?」
「そういうナツは何点?」
「98点。計算ミスさえなければ満点だったのに…」
「「「えっ!?」」」
私とセツとハルヤの声がハモる。
クラス最高得点だと!?
「…なんでそんなに点数取れるの?」
私の口からもれたその言葉にナツはどや顔で答えた。
「教養の差だ」
………それ、流行ってるの?
◇ ◇ ◇
「なるほど……まあ、怒られはしないくらいはとれたかな。ナツの1位には負けるけど」
「えっ、あれだけ勉強してなくて全体順位21位!?フユカ、流石過ぎる」
私とセツとハルヤの3人での下校中である。
セツが普通に私のテスト順位を覗き見してきた。
「息をするように他の人のテスト順位見るな、セツ」
「ちなみに、僕の順位は15位だったよ」
「セツ、さらりとマウントとるのやめろ」
「えっと、フユカちゃんが21位でセツ君が15位でナツちゃんが1位なの?…………123位のぼくはどうすれば」
ハルヤが明らかに凹む。
「まあ、そんな落ち込まないでよ」
「はあ………あ、ぼくはこっちだからまたね」
ハルヤが曲がり角を曲がる。
「またね~!」
私とセツは手を振ってハルヤを見送った。
◇◇シュン視点◇◇
【シュン、ボスからの指示が来たぞ】
「ようやくか、それで内容は?」
【嫌がらせみたいなもんだ。シュンの協力が不可欠らしい】
「へえ………それは」
とても、楽しみだね。
そう言ってぼくは嗤った。
◇ ◇ ◇ ◇
次回投稿は二週間後です。
投稿までの間が長くなっていますが、書き続けていくのでよろしくお願いいたします。




