表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ジャパンウォーズ  作者: kikuzirou
59/61

エピソード27.5 祝言、そして召喚

 狭野尊さの・のみこと (以下、サノ)と媛蹈鞴五十鈴媛ひめたたらいすずひめ (以下、タタラちゃん)の祝言しゅうげんは、まだまだ続く。さて、瓊瓊杵尊ににぎ・のみことからの発言に、サノは困惑していた。


サノ「大王おおきみって何やじ?」


瓊瓊杵ににぎ「この国のあるじってことだね。後の世に、天皇てんのうとか、スメラミコトと呼ばれる存在だよ。」


サノ「なるほど・・・。それで、わしが初代になるってこと?」


瓊瓊杵ににぎ「じゃが(そうだ)!」


サノ「御初代様も、高千穂たかちほの方言を?」


瓊瓊杵ににぎ「生まれは高天原たかまのはらだけど、終焉の地は高千穂なんだから、当然、知ってるさ。」


サノ「あっ、そうか。」


 そこへ、サノの母、玉依姫たまよりひめ (以下、タマ子)がやって来た。


タマ子「サノ・・・。久しぶりね。」


サノ「は・・・母上っ! 御息災でしたか? わしは、この通り、元気っちゃ!」


 サノの息子、手研耳命たぎしみみ・のみこと (以下、タギシ)や、彦五瀬命ひこいつせ・のみこと (以下、イツセ)、稲飯命いなひ・のみことも反応する。


タギシ「お・・・おばあさまっ。お懐かしゅうございます。」


イツセ「は・・・母上っ!」


稲飯いなひ「母上っ。サノを褒めてやってくださいっ。」


タマ子「褒めますとも。よくやりましたね。」


サノ「そ・・・それほどでもないっちゃ・・・。」


タギシ「こ・・・こんな父上を見るのは、初めてっちゃ。」


 そこに、サノの曾祖母の豊玉姫とよたまひめ (以下、トヨ)と、高祖母の木花開耶姫このはなのさくやひめ (以下、サクヤ)もやって来た。


トヨ「本当に、よくやったわよ。サノちゃん。」


サクヤ「本当に頑張りましたね。」


サノ「婆ちゃんっ。それにサクヤ様までっ。」


サクヤ「ひい婆ちゃんで、よくってよ。」


瓊瓊杵ににぎ此度こたびの祝言で、サノに会うことができて、わしもサクヤも喜んでいるんだ。気兼ねなく、ひい爺ちゃんと呼んでくれ。」


サノ「な・・・なんか恥ずかしいっちゃ。」


タギシ「これまでの説明や解説で、普通に“ひい爺ちゃん”とか言ってたじゃないですか。」


 そこへ、瓊瓊杵ににぎの父、天忍穂耳命あめのおしほみみ・のみこと (以下、ほっしゃん)もやって来た。


ほっしゃん「息子よ! 子孫よ! 猛烈に、よくやった!」


サノ「ひいひい爺ちゃんですか?」


ほっしゃん「そうだっ。 嬉しいぞ! わしは・・・猛烈に感動しているっ!」


瓊瓊杵ににぎ「父上・・・恥ずかしいですから、その猛烈・・・っていうのは、勘弁してください。」


ほっしゃん「なぜだ? 猛烈に嬉しい時は、猛烈に叫ぶべきだと思わんか?」


瓊瓊杵ににぎ「い・・・いやっ、ですから・・・。」


サノ「いろんな親子関係が垣間見えて、何か貴重な体験をしてる感じっちゃ。」


 そのとき、サノの祖父、山幸彦やまさちびここと、彦火火出見尊ひこほほでみ・のみこと (以下、ヤマサチ)が、サノたちに説明を始めた。


ヤマサチ「猛烈好きのおじいさまと、猛烈嫌いの父上のやり取りは、高天原でも、名物になってるんやじ。」


イツセ・稲飯いなひ・サノ「ええっ?!」×3


タギシ「よく分かりますよ。キャラの濃い、父を持つ、息子の気持ち・・・。」


サノ「どういう意味っちゃ・・・。」


タギシ「そ・・・それより、新しい義母上ははうえができて嬉しいんですが・・・。これだけ親族が揃っているのに、母上や妹がいないのは、何か・・・寂しいですよね?」


サノ「確かにな。ミケの兄上も高千穂にいるしなぁ。」


サクヤ「呼べば、よろしくってよ。」


サノ「よ・・・呼ぶって言っても、遠すぎるんやじ。」


トヨ「呼べないことはないわよ。私たち、今、会える神様なのよ。何だってできるわよ。」


タマ子「では、召喚しょうかんしましょうっ。」


 その声と共に、遠方の親族やら、旅で出会った者たちが現れた。妻の吾平津媛あひらつひめ、娘の岐須美美命きすみみ・のみこと、側室の興世姫おきよひめ三毛入野命みけいりの・のみこと (以下、ミケ)、その嫁の鵜目姫うのめひめと子供たち、天道根命あまのみちね・のみこと (以下、ミチネ)と息子の比古麻ひこまや、他諸々の人たちである。


吾平津あひらつ「あなたっ! ちょっと複雑だけど、おめでとうございます。新しい国のため、これからも頑張るのよっ。」


興世おきよ「我が君っ! お久しぶりね。」


岐須美美きすみみ「父上っ。兄上っ。お久しゅうございます。」


サノ「おお、吾平津! 興世! 岐須美美! ミケの兄上! 会いたかったっちゃ!」


タギシ「母上・・・お懐かしゅうございます。そして、岐須美美、我が妹であり、弟よ。」


岐須美美きすみみ「ちょっ・・・兄上! それは・・・。」


タギシ「実は、男と記載されている書物がほとんどなんや。じゃっどん『古事記こじき』には、明確に男とか女と書かれちょらん。そこで、作者が、女ということにしたんやじ。」


岐須美美きすみみ「ここでカミングアウトしなくても・・・。」


サノ「妹という設定にすることで、旅に同行しなかった理由にしたみたいやな・・・。」


岐須美美きすみみ「ち・・・父上まで・・・。」


興世おきよ「それより、タタラちゃん。」


タタラちゃん「は・・・はい。」


興世おきよ「私の分まで頑張ってよ。」


タタラちゃん「は・・・はいっ。頑張りますっ。」


興世おきよ「大人の意味で、頑張れってことよ・・・。」


タタラちゃん「・・・・・・(〃▽〃)ポッ」


サノ「そういうネタは、まだ早いんやじっ。嫁いじりは禁止っちゃ!」


ミケ「サノ! わしにも、そろそろしゃべらせろっ!」


サノ「ご自由にしゃべってくんないっ。」


ミケ「わしの嫁と子供たちを紹介するっちゃ。」


鵜目姫うのめひめ「お初にお目にかかります。此度は、おめでとうございます。」


御子太郎みこたろう「長男って、名前で分かりますよね。」


二郎じろう「次男です。名前でわかりますよね。」


三郎さぶろう「三男です。お初にお目にかかります。」


畝見うねみ「四男かな? 五男かな?」


照野てるの「わしら何番目なんやろ?」


大戸おおと「それだけじゃないっちゃ。わしら自身には、特に伝承がないんや。」


霊社れいしゃ「それだけじゃないっちゃ。わしなんて、音読みやぞ!」


浅良部あさらべ「ホントだ。霊社だけ音読みだ。」


サノ「ミケの兄上・・・。に・・・にぎやかな家族になったんやな。」


ミケ「驚いたやろ?」


イツセ「わしらも驚いておるぞっ。」


稲飯いなひ「ちゃっかり、高千穂でブイブイ言わせてるみたいやないか。」


ミケ「イツセの兄上っ。稲飯の兄上っ。久しぶりっちゃ。」


ミケの子供たち「おじさんが、いっぱいやっ!」×8


タギシ「従弟の手研耳たぎしみみやじ。よろしく。」


ミケの子供たち「よろしくっちゃ!」×8


荒坂津あらさかつのみなさん「おめでとうございます。我が君っ。」×多数


熊野の神「よくやったな。サノ。」


ミチネ「おめでとうございます。嬉しいですぞ。我が君っ。」


比古麻ひこま「やりましたね。我が君っ!」


名草邑なくさ・のむらのみなさん「お久しぶりですな。我が君っ。」×多数


槁根津日子さおねつひこ「わてはるようで、らんのや。」


二号「ンア~。」


吉備きびのみなさん「我が君っ。おめでとうございます。」×多数


宇津彦うつひこ「おめでとうございます。道案内したことが、懐かしいです。」


一号「ンア~。」


剛風彦たけかぜひこ「ようやく実現したんですね。」


安芸津彦あきつひこ「久々じゃけぇ、泣けてきたぁぁ!!」


たいらの里のみなさん「我が君っ。寿ことほぎ申し上げるっちゃ。」×多数


熊鰐くまわに「我が君に、また会えて、嬉しかぁ。」


菟狭津彦うさつひこ「本当におめでとうございます。」


菟狭津媛うさつひめ「おめでとうございます。うちの人も元気そうやね。」


天種子あまのたね「おお、愛しい妻よ。」


菟狭津媛うさつひめ「あんた、うちらの子もすくすく成長しちょりますよ。」


宇佐津臣うさつおみ「おとうたん・・・。」


天種子あまのたね「おお、我が愛しの息子よ!」


サノ「なんか、感動の再会になってるっちゃ。」


吾田小橋あたの・こばし「我が君っ。おめでとうございます。」


塩土老翁しおつちのおじ「わしの言った通り、素晴らしい土地だったでしょ?」


 伊予二名島いよのふたなのしまこと四国を治める小千命おち・のみこと (以下、おちやん)もやって来た。


おちやん「わしも来てやったぞな。おめでとう。サノやん!」


サノ「おお、おちやん! 久しぶりっちゃ!」


伊佐我いさが「本当におめでとう。」


サノ「へ? 伊佐我? だ・・・誰っちゃ?」


伊佐我いさが「これまでの物語に登場せんかったが、出雲国いずも・のくにを治めている者だぢ。」


サノ「出雲国造いずも・のくにのみやつこってやつか?」


伊佐我いさが「その通りっ。出雲も協力したんだけん、登場せんとおかしかろ?」


サノ「た・・・確かに・・・。」


 そこへ、大国主大神おおくにぬしのおおかみ (以下、クニやん)と天照大神あまてらすおおみかみ (以下、アマちゃん)がやって来た。


クニやん「伊佐我は、わしの子孫ではない。アマちゃんの子孫だぢ。国譲りのあとで、出雲を治めることになった奴の子孫だぢ。」


アマちゃん「その通りっ! だから、サノ・・・あんたの親族よ。」


サノ「そういうことは、早めに言ってくんない。」


 すると、召喚された人々の中から、黒砂いさご真砂まさご大蛸おおだこが現れた。


黒砂いさご「我が君っ! お久しぶりです。」


真砂まさご「ついに成就したんですね。」


大蛸おおだこ「ミーも嬉しいよ。」


サノ「おお、黒砂に真砂! それと、いましが大蛸か?」


大蛸「そうだよ。海底のシーンのみの登場だったから、実際にお会いするのは、今回が初めてだね。」


サノ「想像以上にデカかったんやなぁ。」


 黒砂いさご真砂まさごの姉妹の登場に、椎根津彦しいねつひこ (以下、シーソー)も歓喜の表情を浮かべる。


シーソー「黒砂! 真砂! 久しぶりっちゃ。また、会えるとはなぁ。」


黒砂いさご珍彦うずひこ様。お久しぶりです。」


真砂まさご「ちょっと! 今は、椎根津彦様よ。」


シーソー「いっちゃが、いっちゃが(いいよ、いいよ)。どっちでもよかっ。」


 そこへ、饒速日命にぎはやひ・のみこと (以下、ニーギ)もやって来た。


ニーギ「お初にお目にかかる。そして、おめでとう。サノくん。」


サノ「お・・・お初にお目にかかるっちゃ。」


 突然の登場に、妻の三炊屋媛みかしきやひめと息子の可美真手命うましまで・のみこと (以下、ウマシ)も反応をみせた。


三炊屋みかしきや「だんなはんも、召喚されたんでっか?」


ウマシ「おとん。久しぶりやな。」


ニーギ「ふっ。これでは、道化だよ。」


サノ「なにはともあれ、多くの人たちに寿いでもらえて嬉しいっちゃ。次回はついに、大王おおきみ即位そくいするっちゃ。」


 次回、ついにサノが大王となる。日本建国である。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ