3話:まず必要なのは校長だよね
本日3話目です!
校舎と教員棟、そして教員棟地下の俺。
更に屋外訓練場と実験棟、そして寮を作れば、一応の体裁は整った……のかもしれない。
このコアルームも教員棟と合わさったせいなのか、コアを中心に円卓のようなものが出来ている。
「よし、今度は人員について考えてみるか。とはいえ、これは今までで一番真剣にやらないとな……何しろ命の問題だ、失敗は出来ないぞ」
これはテンプレとかは無くコアの自由に作れるようだが……だからこそ万が一の失敗もないように考えないといけない。コア自身の魂を削るわけなのだから、猶更だ。
「まずは校長先生が必要だよな……ダンディなのがいい。威厳ある髭の白髪でもいいし、もっとおじさんくらいでもいいかもしれないな……長命な少女校長とか美女校長っていうのもアリだけど、ちょっと飛び道具が過ぎるよな。この世界最初の魔法学校なんだから、ベタベタにテンプレなくらいで丁度いいはずだ。うーん……」
この世界の人間は幾つかの種族に分かれている。
特徴はないが器用で何でもある程度こなせる普人。
手先が器用で身体能力と魔力に優れた森人。
頑丈な身体を持ち鍛冶に優れた鉱人。
動物の特徴を持ち、森人を超える身体能力を持つ獣人。
他のどの種よりも小さい身体を持ち、それ故にか弱いが魔力では他の追随を許さない妖精。
他にも魔族だの竜種だのはいるらしいけど、まあさておいて。
「どれがいいかな……一番多いのは普人なんだっけか」
一番多く、一番権力に対する執着も強いらしいが……そうなると森人でもアリなのかもしれないが、こちらはこちらでプライドがかなり高いらしい。
「……普人かな。それが一番面倒がなさそうだ」
見た目は40代くらいの働き盛りで威厳のある髭の……と考えて、コアは「待てよ」と呟く。
「本当にそれでいいのか……? イケメンでいつまでも若々しい校長というのはアリなんじゃないか……?」
考える。コアは考える。大事なところだ、校長は学校の顔だ。インパクトがなければならない。とはいえ他と被ってもダメだ。要素の被らない、ただ一人だけの校長……オンリーワン……一目で校長先生と分かる要素……。
「よし、設定はこうだな」
名前:ダリアン・レイス
役職:校長
見た目の年齢は30~40代。その魔力の多さが身体に影響し、肉体をそのくらいで若々しく保っている。
得意とするのは属性魔法。あらゆる属性を使用可能かつ、他の魔法も相当以上に使えるマジックマスター。
性格は厳格ではあるが非常にお茶目。魔法学校ヤマダの創始者であり、始祖ヤマダ・レイスの意志を受け継ぐ。
その理念は魔法を世界に広げること、そして魔法の発展である。
「……自分で設定しといてなんだけどヤマダ・レイスってなんだよ……ヤマダ・ヤマダみたいなもんじゃん。まあ、いいか……日本人の他の転生者でもいなきゃ通じるだろ」
この肉体の若さが云々というものは実際にこの世界に存在する法則だ。「常若」などと呼ばれたりもするようだが、後天的に若返ることもあるというので、コアとしては「異世界スゲー」となるのだが……それをこんな操作で出来てしまうコア自身もかなりヤバいことには気付いていない。
「作成実行!」
―ダリアン・レイスの設定を確認……実行可能。必要な魔力が膨大です。実行しますか?―
「実行だってば。こういうので手を抜く気はないぞ」
―ダリアン・レイス顕現開始……10%、13%……―
パーセンテージが上がっていくごとに、コアの中から校舎を作った時とは比べ物にならない程の魔力が抜けていく。
急に体が冷えていくようなゾッとする感覚……身体がないはずなのに感じるソレはコアに思わず「うおおおお」と悲鳴をあげさせる。
「ちょ、これキッツ……! なんか凄い吸われてる気がする! え、そんなヤバい設定だった⁉」
―魔法使いの基準として過去現在で並ぶものなき最高位に位置します。超ヤバいです―
「あ、そうなの⁉ ぬおおおおおおお! あ、吸われちゃううう!」
光が集まり人の形を成していき……やがて現れたのは、威厳たっぷりの髭を蓄えた壮年だ。
魔法使いのローブらしきものを纏い、凄まじい力を放つ宝玉の嵌った杖を持つ校長……ダリアンは周囲を見回し「ふむ」と一言頷いて。
「初めまして、コア……本体よ。儂はダリアン・レイス。こうして会ってみると中々に不思議な感覚ですな」
「初めましてダリアン、俺の一族。こうして会ってみると全然違うのに俺だって分かるのは不思議だな」
「分かった方が良いでしょう。この学園の目的を考えるに、成り代わろうと思うものが出てきても不思議ではない」
「あー、変身魔法とかあるんだっけ。結構怖いよなこの世界」
「ハッハッハ、そこに殴りこもうというのに何を弱気な!」
大笑いするダリアンは成程、コアよりはずいぶん強気なようで……頼りになるな、吸われた甲斐はあったと。コアは納得するように頷いていた。
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