そろそろ着手
「・・・これ」
「ありがとうございます。リート君、体調は如何ですか?」
「・・・大丈夫」
まだ顔色が悪かったですが、リート君は次の日にきちんと文書にして、持ってきていました。倒れなかっただけでも凄いと思ったのに、記憶して文書にできるなんて!だって、思い返したらやっぱりまた怖いよね。よく頑張ってくれました。言葉少なにふらりと帰ってはいかれましたが。
それで、続々と皆の考えが挙がってきましたよ。
「おい!」
「ヒユマ君、私に声をかけられました?」
「そうだよ、お前だ、・・・スウ」
「これは?」
「お前、皆の意見を聞きたいらしいって、だからだ。上に立つものとしては当然の行いだ、だから気にするな」
「わあ。こんなに沢山の方から。どうもありがとうございました」
なんと!他の方の意見は、学年で強さ一番らしい、ヒユマ君が集めてくれました。有り難い。でも、誰から聞いたのでしょう、沢山の方の意見が欲しいなんて。でも、これは貴重な資料ですね。
「これ、あたしが弟とやってみたよ。読んでみてくれ」
「弟さんも協力して下さったんですね。弟さんにもお礼をお伝え下さい。スンマーモさんもありがとうございます」
「いや、弟も入学前だけど、見学で学校に来させてみたら、家畜に怯えられなくなって、家業の戦力が増えて助かったよ。こっちこそ、ありがと」
家業を手伝えて喜んでいたスンマーモさんは、魔力を収めたことによる外部の影響について検証してくれました。弟さんも家畜に怯えられていたそうで、それが解消できるならと、協力してお互いの力を放出している時を観察してくれたそうです。客観性は大事ですし、自分一人ではなかなか難しいことも、協力すれば可能です。
北で魔力を抑えてみよう旋風が、来始めているようで嬉しいです。それを追い風として、魔力を抑えてみたいものは、どんな者も学校に入って良いというお達しが出たようで、入り口に小さな小屋が急遽立ちました。一応、椅子はありますが、誰もが座らずに、即、帰れるぐらいに、魔力を収める勘を掴むのが早いそうです。これは運動神経も関係しているのでしょうか・・・?これは時間のある時の検証事項としましょう。
お金儲けの美容で目が爛々としていたチッタさんは、お姉さんが多かったようで、ちょっとした実験で、実験例が凄い数に上りました。これは、ただ学校に行って魔力を収められるようになって、帰ってくるだけだったのですが、それを目撃した人によると、ふわふわふさふさの毛並みのお姉さま方が、どんどん校舎に吸い込まれ、ぴちぴちつやつやなお姉さんが続々と出てきたそうです。ちなみに、親族や友達も多いそうです。
「効果、出たけど、お金にならないわよ」
「ふむ、そうでしょうか?チッタさん、綺麗になることに上限は無いのですよ。誰もが貪欲です。今は魔力を収めたことで効果は劇的に近いでしょう。誰もが慣れるのです。そこから、です。収め方からの違いはどうですか?それに、北の方はあまり肌に化粧品を付けないと聞きました」
「そうね。毛皮が自慢だから」
「毛皮の種類によって、お手入れは違うのでしょう?では、肌の場合はどうでしょう?個人差は勿論ありますが、毛皮ほど違いは無いはずです」
「!・・・化粧品ね。考えてみるわ。収め方も地味だけどやってあげる」
「よろしくお願いします」
毛皮と一口に言いましたが、羽毛と鱗と毛皮は性質が違いますからね。しかも、空想上の生き物に変化できる方もいるのです。どんなものが出来上がるか楽しみですね。チッタさんには今ある化粧品を、実験材料として差し入れしておきましょう。




