両方を持って
ライ様の所へ来ています。ケリーの言葉はそのままだったのです。
「ライオネル様、明日の魔力視の実験で、スウ様と一緒に学校に行って頂きたいのですが」
「ライ、様に来て貰うんだ」
「はい」
「スウ様、ご存じじゃなかったですよね。ライ様は珍しく、放出型と内包型の両方が使えるんですよ。そのお陰で魔力が強い弊害が凄くて、凄くて・・・」
相変わらず、さらっと発言しますね、トマスラルさん。ケリーからの指導は無いようなので、そろそろ解禁の情報だったのでしょう。
「それなら、両方の魔力の使い方を見てもらえるので、助かります」
「視るのはリートか」
「はい」
ケリーは名前もしっかり押さえていました。流石です。ライ様も知っていて確認しているということは、魔力が見える方として有名なのでしょうね。
「・・・毒霧は発生するし、石化はするし、床は腐るしで本当に、大変で」
「先輩」
何と、トマスラルさんは自分の世界に入って、どれだけ大変かを滔々と語り続けていたのです・・・。あまり、長い時間では無かったのですが、隙間を縫って屋敷を案内してもらった日に、変わった屋敷だと思っていたのです。今、お邪魔しているライ様の執務室は、執務室と聞いて想像するような洋風なお部屋ではなく、殺風景な石造りです。お屋敷は洋館の佇まいから、石造りの砦のようになり、更に何も無い荒廃した土地が続いているのです。一応、そこまでが屋敷の範囲と聞きました。そうしないと、私の力が行かないからでしょうが、何も無い場所も屋敷として認識して欲しいというのは、不思議でしょう?敷地を示す、柵のようなものさえ無いのです。その謎が解けました。
ライオネル様の今までの姿は、獅子の頭で毒の霧を吐き、足にある鷲のかぎ爪は触れるだけで大地を腐らせ、尻尾の蛇は見る者を石化させるそうです。誰ですか、こんな最強の生き物を考えた人は!実感することはほぼ無いとはいえ、流石に表情が引きつります。
それは住む場所を選びますし、いる場所が荒れていきますね。寝る時も、他の皆に被害がいっては困るので、一人、あの荒れ地で寝ていたそうです。最近は、寝台で休むことができて体が軽いそうです。わー。
体の変化は内包型で、毒の霧や腐敗、石化が放出型になるそうです。適任ですが、力、強すぎ。これは近寄るのに勇気がいりますね。本当に、私の特性あって良かった。実感した一日でした。では、終わりませんよ。
人の使う魔力は見えるが、魔石の魔力は見えないとすると、この差は、私の特性の差と一緒でしょうか。そもそも、見えている魔力は体内を通っているとして、リート君は体が透けて見えているのでしょうか。それとも、見るという言葉を使っていますが、視力的に見えているという訳ではなく、感知しているのでしょうか?私の疑問も書き出しておいて、返事をもらいましょう。




