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カクリヨ

白い空間、光。人の形?よく分からない。

マオは夢の中で目を覚ました。

マオ「またここか?どうやったら元の世界に帰れるんだろう?」

光る人「ここは君たちが勝手にモノを出し入れしてる空間、テクスチャーだよ。」

へえ。

マオはぼんやりとした頭で目の前の人の話を聞いていた。

マオ「そんなことより、俺はどうなったんだ?どうやって帰るんだ?」

光る人「さぁね?君を呼んでる人たちがどうにかするんじゃないかい?」

ふーん。何も聞こえないけど誰か呼んでるのか?

光る人「ほら、誰か来たよ?」

いつの間にか赤い縁の扉がマオの右隣にあった。

ガチャガチャ。

ドアノブに鍵がしてあるのか、扉は開かない。

扉の向こうで誰かの声が聞こえる。

マオ『マフ?ターマ?魔女達の声だ。』

懐かしい。ここにきて、何日たっただろう?魔女達の声を聞くのも久しぶりだ。

光る人「内側から鍵がかかってる。君が開けなきゃ扉は開かない。どうする?開ける?」

マオは頷いた。

光る人「そうか、なら君とはコレでお別れだ。」

マオ「ありがとう。君の名前は?」

光る人「それがまだ無いのさ。」

マオ「……そっかぁ、また会えるかな?」

光る人「どうだろうね?君次第さ。」

マオは扉を開けた。


メガネの魔女「!意識バイタルに反応!帰ってきました!」

マフ「データは取れてる?」

魔女リーダー「大丈夫です。それにしても、イシキがカクリヨにいたとは。」

マオは目を覚ました。体の至る所、頭にはたくさんのコードや何かの管が繋がれていて体を動かせなかった。動かすと刺さったハリが痛い。

ベッドの周りにはたくさんの魔女が慌ただしく動いている。

ターマ「おかえりなさい。マオ。」

頭の中で声がする。マオの隣でボードに何かを書いているターマを見つける。目が合うと恥ずかしそうにしている。目の下には、涙の跡がうっすら残っていた。


アニキ「お前、あれから7日間も寝てたんだぜ?」

マオ「ソレはマフから散々、聞いた。」

意識が回復して、動き回れるようになる頃には、最初の喜びは愚痴や文句になっていた。

見舞いに来たアニキからもそうだろう。マオはまだ看護をしている魔女から、安静にしていろと言われてベッドで横になっていた。

アニキ「あれ、リュウオウの、種類の件。世界樹を守ってるやつとそうじゃないやつのレポートの作成。お前のために取ってあるぜ!」

マオ「え!やってくれたんじゃないの?時間はあったのに!?」

アニキ「俺は人口統制で忙しいんだよ!お前も脳のリハビリしとけよ!」

脳のリハビリ?


安静が解除になるとマオはすぐにレポートの作成に取り掛かった。

マオ「ターマを探さなきゃ。」

村中、探したがいなかったターマは天空神殿で他の魔女たちと共に魔法の研究をしていた。

無表情の彼女の顔はマオを見つけると、途端に明るくなった。

ターマ「マオ!様……どうされたんです?」

キーリス「レポートだろ?早く作ってくれ。」

自分の席で足を組んでいるキーリスはマオの顔をみるなり、早くしろとイライラしながら言った。

マオ「俺の部屋に行こう。ターマ。」

ターマ「はい!」

キーリスはアニキから話は聞いているのか、それほど待っていると言った感じではないが、

何かアイテムが順番通りに並んでない時に感じるあの感覚、几帳面なやつに特有の感覚があるのだろう。

マオの天空神殿に割り当てられた個室に入るとターマ

はマオに抱きついた。何も言わずに抱きつかれたのだ、普通は困惑して突き放すもんだろうが、マオも不思議と嫌ではなかった。

マオはターマを抱きしめた。

マオ『あぁ、やっと帰ってきたんだ。俺は、この人のもとに。』

マオ「早く、レポートをしてしまわないと。」

ターマはマオを押し倒した。


キーリス「レポート遅かったな。まあいいや。お疲れ様。」

魔女リーダー「お父様。例の物の試作品ができました。」

キーリス「よし、見に行こう。」

マオたちが遺伝子工学研究室に、戻るとすぐにキーリスは入れ違いになる形で、部屋を魔女リーダーと共に出ていった。

マオ「なんだか、安心するよ。」

ターマ「何がです?」

マオ「なんにも変わってなくてさ。」

ターマ「……我々は変わりましたけど。」

顔を赤くしているターマに腕を掴まれてマオも顔を赤くした。


魔女リーダー「時空割断魔法を使えるようにした。世界樹を切り倒す斧、“グルジ”です。」

キーリスは天空神殿内の武器関連を製造する部署に来て、部屋の中央に置かれていた巨大な斧を見た。

キーリス「これを作るのに、魔女を十体使ったんだ。」

魔女リーダー「威力は試験してます。世界樹をコレで斬れます。」

しかし、大きい。これを扱うには大きいヒトがいる、しかし

キーリス「ここでは作れない。下で作るしか無いな。」

魔女リーダー「さしずめ、巨人ですね。」

キーリスはイギギたちを動員して巨人製造研究所を村に作らせた。完成には2年の月日を要した。


年月が立つにつれて、ゴブリンや人の老体は元気に活動していたのに、やがて動けなくなっていった。

戦場に日々、出ているマオたちにとって死は日常茶飯だが、村で暮らすヒトにはあまりなじみがないのかもしれない。

死んだヒトの魂は何処へ行くのか?

ソレはゴブリン達の中に原始宗教という形で始まった。

死者を入れた棺と死体を花で飾り。村をねり歩いて

埋葬地に行く。

マオ「なんだありゃ?」

いつしかソレはヒトにも広がり、天然石を連ねた輪っかを持ち歩くようになった。

イギギ達はソレを規制したがっていたがキーリスの一言で公式な村の宗教になった。

リキリス教。

死者の魂は天の主、父の元へ帰り、また生まれてくる。


巨人製造研究所がようやく完成した。

キーリスも下に降りて見学しているが、村の遺伝子工学研究所はイギギ達がやりくりしていた。魔女はそんなに下にはおりてこない。それを利用してイギギ達は反乱、独立の運動を本格的に開始した。

巨人のオリジナルが培養液に入っている。それをイギギ達は無表情で見ていた。

イギギA「資材の水増しで神造外骨格の製造ラインを渓谷に作った。間もなく、製造に必須なレアメタルも手に入る。」

所長イギギ「キーリスには気取られてないな?」

イギギB「船からもアソコは見えない。大丈夫だ。」

所長イギギ「同志ヌアザも近々、星に降りてくる。時を待て。」


巨大な時代の波が迫っていた。後にラグナロク、大破壊時代と呼ばれるものが……


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