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世界樹の7日間[後編]

星空の中にそびえ立つ世界樹、そこにいるとされてた飛竜や大蛇は報告書にあった数よりも少なかった。

それよりも、その中でひときわ目を引く存在が世界樹の根元に鎮座していた。

マオ「今さっき倒したやつは別物?」

報告書の通り密林までは気がついてないようで、木の陰から覗くマオの方をリュウオウは向かなかった。マオの後ろの植物が揺れ、見知った顔が出てくる。

アニキ『マオ。先についてたのか。』

マオはアニキ達一行を見て安堵した。指でリュウオウを指し示すとアニキ達も身を低くした。

アニキ『なんだよ、別個体か、ややこしい!』

リュウオウが倒されたのを見て、進むか戻るか迷ったらしい。

アニキ『来て正解だったぜ……』

リュウオウは世界樹担当と尖兵級がいるようだ。同じ見た目なので判断は容易ではなさそうだ。

マオ『報告書提出はお願いします!』

アニキ『先に発見したお前の仕事だろー?』

まぁ、ソレ(レポート)は世界樹の攻略を無事に終えてからだろう。手はず通り、アニキたちが先行し周りの飛竜や大蛇を引きつける。

アニキ「帝釈天流!五行魔法!ディノ•レ•ドリル!」

アニキの右手がドリルに変身してピストン運動をしながら回転をする。

大蛇の高圧水流も飛竜のファイアブレスもドリルの複雑な動きに無力化された。

その間に、ラセツが多腕から斬撃を繰り出し、カルラの業火で攻め、ゴブリンたちが弓で範囲攻撃をした。

なるほど強い。

マオも密林からクサグサノモノノヒレを準備する。

その様子をしばらくリュウオウは黙ってみていた。

リュウオウ「どけ、お前達ではそ奴らはなかなか倒せまいて。」

リュウオウが口を開く。

アニキ「何だ?」大蛇も飛竜もリュウオウの後ろに下がった。

リュウオウの正面に居たアニキはリュウオウの喉の奥が光っているのがちらっと見えた。

アニキ「!まずい!オキツカカ"ミ!」

リュウオウ「もう遅い!」

カッ!ズドォォォン!

リュウオウの口から無数の超高加速質量弾が発射された。崖下から伸びる密林に1本の大きな道ができ。

その場に居た者はブーメランパンツだけになったアニキを残して他の全員が消滅した。クサグサノモノノヒレをリュウオウは学習して自分のものにしていたのだ。

リュウオウ「後はお前達でもあの者はやれるだろう。」

アニキ「くっ!こんなに相手はできねーぜ♡」

アニキの周りに大蛇や飛竜が集まる。

マオはとっさにチャージ途中のクサグサノモノノヒレをそれらに向けて放つ。フルチャージでなくても威力は十分だ。直撃しなくても、衝撃波が飛竜の翼や大蛇の背肉を削ぐ。

マオ「逃げろ!アニキ!」

リュウオウ「貴様ぁ!」

マオはリュウオウと目があった。

マオ「!」


白い空間。上も下もない。真っ白い場所。

ここはどこだ?俺はリュウオウと戦ってた。はず。

コレは最初の飛竜をやっつけた時の記憶?

『キーリス!ほめろ!』

『俺の名を呼んで、喜んでくれ!』

やめろ。

コレは、

魔女『コレ見て?お父様!』

魔女達『『お父様!』』

『……俺も、本当はキーリスを父さんって呼びたいんだ。』

やめろ。やめろ。

マフ『アンタ、こんな事も出来ないの?頭悪すぎじゃない?』

キーリス『お前はワンマンアーミーだ。仲間は必要ない。』

やめろ!やめろ!やめろ!やめろ!やめろ!


マオはその場に膝をつき、両手で顔を覆って涙を流した。

リュウオウ「コヤツは一体何を見ているんだ?まぁいい。」

リュウオウが口を開けマオを食おうとする。

アニキ「マオ!」密林に身を潜めていたアニキが叫ぶが、マオの耳には届かない。

マオ「俺は無力。何もかも劣っているんだ……」

『助けて、誰か。俺を。』

しょうがないなぁ、今回は特別ですよ。

頭の中で声がする。マオは正面を向くと赤い縁の扉がリュウオウの口の前にあって扉からコチラになにか出てくる。幻覚?

マオは我に返ると。マフに教わった魔法を使った。

ハチノヒレ=光弾の散弾。至近。口の中にモロに受けたリュウオウは脳漿をぶちまけて絶命した。


リュウオウは死んだ。飛竜の増援は無い。大蛇も来る気配はない。

アニキは放心状態のマオの腰のポーチから照明弾を取り出し、空に向けて発射した。

世界樹の制圧作戦はキーリス側、侵略者側の勝利で一応の幕を閉じた。


魔女「伝令、来ました。世界樹制圧、世界樹制圧。やりました。」

天空神殿の遺伝子工学研究所のキーリス達はその報を受けて抱き合って喜んだ。

キーリス「……さて、世界樹どうやって切り倒そうかな?」

魔女リーダー「アレを切り倒すのですか?」

キーリスは頷いた。

キーリス「リュウオウが守ってたほどの木だ何かあるに違いないよ。」

魔女リーダー「では早急に我々で調査しましょう。」

ソレを遠巻きに見ていたイギギ達は面白くない。頭脳職を魔女達に奪われ、調査さえも奪われようとしているのだ。

研究員イギギA「ちょっと待ってください!調査は我々がしましょう。」

所長イギギ「魔女さん達は魔法の研究があるでしょ?」

ニートがしたいのなら、喜んでやる気のある奴らに仕事を明け渡していただろうが、彼らには反乱独立と言う野望があった。

キーリス「あ、そうかい?なら、早めに頼むよ。」

所長イギギ『世界樹の下のレアメタルは俺達のものだ。』

魔女リーダー『……。レアメタルか。』


マフ「時空割断?ちょっと、休ませてよ!」

マフの剣幕が伝令に来た亜人を一蹴する。

マフは長時間の囮の役を終えて簡易宿舎の大きなベッドで一緒になって魔女達と休んでいた。

時空割断で世界樹を斬れ。と言われましても、みんな疲れて寝込んでいる。マオも帰ってからずっと放心状態で眠ったままだ。

マフ「帝釈天アニキはストレス発散とか言って、一足先に村へ帰っちゃうし、そもそも帝釈天アニキは八柄の剣=時空割断を使えるかわからない。使ってるとこを見たことがない。彼は、たぶん、十種の神宝の防御系のものが使えるんだと思う。」

マフは帝釈天アニキへの所感を述べた。独り言になったが。

今夜はみんなぐっすり眠れるだろう。


……アニキを除いて。




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