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Watch ~監視者~  作者:
「風鳴りの魔都」
77/98

<二>

今回も短め。

 アルガの4日。

 (誘われているな。)

 シィンは宿の一階の酒場でそう思いを巡らせていた。

 このところ行く先々で「不死者ノスフェラトウらしき存在」についての噂話に出会う。現にこの酒場でもそうだった。

 「なあ、不死者ノスフェラトウが出たってよ。」

 「おう、聞いたぞ。花屋のカザルが見たってやつだろ?」

 「えっ。」

 「なんだ違うのか?」

 「俺が聞いたのは衛視のギムが見たやつだよ。」

 「そいつは初耳だな。」

 「だけど本当かねぇ?」

 「…まあ、嘘だろうな。」

 「嘘じゃないにしても見間違いだろ?」

 「だよな。不死者ノスフェラトウが出て、誰も被害に遭わないなんてよ。」

 「違いない。」

 「おおかた、何かの影を見間違えたか、良くて盗賊だろう。」

 「まあ、出てきたら俺がとっつかまえてやるがな。」

 「この前ゴブリンに後れをとったお前が、か?」

 「ちょ、ちょっと待て、あれはだなあ…。」

 この調子で酒の席の笑い話になっている。

 しかし、シィンは2つの理由からこの話が本当だと知っていた。

 1つ。

 目的に関係しない被害者を出さない不死者ノスフェラトウを知っていること。

 2つ。

 シィンがある方面に向かう時に噂に出会うこと。

 具体的に言うならカンダス方面に向かう時にだけ、噂に出会うのである。

 自分を監視し、あきらかに自分の行き先を誘導している。

 (カンザスに来い、ということだな。)

 そう結論を出すと、シィンは部屋に引き上げることにした。

 そちらが誘うならのってやる、そして必ず斃す。

 (今度こそ決着を付けてやる。そのための「力」もある。)

 思いながら腰の剣に手を触れる。

 数ヶ月前に「還らずの迷宮」で手にした己の愛剣。

 それが、自分の想いに応え軽く震えたような気がした。

 「斬る。」

 決意を込めた呟きが唇から漏れる。

 必ず目的は果たす。

 そのためにも、明日は早く出発することに決めたのだった。










 闇の中。

 短い「会話」が交わされる。


 =どうやら、うまく誘導できた。=

 -ふむ、では儂は一足先に向かうとする。-

 =こちらはもう少し観察するとしよう。=

 -何かあれば…-

 =ニュールカイムへ知らせれば良いな。蝙蝠を飛ばす。=

 -頼んだぞ。-

 =判った。=


 それきり、闇に静寂が戻った。

街の名前の間違い訂正。

ニュールカルム× ニュールカイム○

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