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Watch ~監視者~  作者:
「悲しみの森」
31/98

<二十八>

今回はカイトサイドです。

 闘いが始まって5,6ピン過ぎた頃。

 「…なんて酷いことを…。」

 青い顔をして闘いの様子を見つめていたシャリーが呟きを漏らした。

 その呟きに気づいたカイトが眼で問う。

 「シィンは…不死者の実験材料にされていた、と言っていましたよね。」

 シャリーは言葉を絞り出す。

 「確かに、そんなこと言ってたわよね。」

 ケイトがシャリーを見て答える。

 「おそらくそれは…目の前で親しい人が死んだ時に能力が上昇する、というもの…。」

 「…っ!」

 愕然として、シィンを改めて見るケイト。 

 「そう考えないと、あの能力の上昇は異常すぎます。」

 さらに言葉を続けるシャリー。仲間達は言葉もない。

 「推測ですが、先程からのあの不死者の言葉。」

 シィンと不死者の闘いを見つめながら言葉をつなげる。

 その言葉に、仲間達も先程の不死者の言葉を思い出す。


  =たしかに「今の」お前ならできるかもしれんな=

  =先程のエルフ達に感謝することだ=

  =そろそろ時間切れではないか?=

  =ついでに、この娘も…=


 「シィンの両親やアルフォード達を操ってシィンと闘わせたこと。」

 その声は、微かに震えている。

 アルフォード達をわざとサーヴァントにしないまま闘わせた先程の戦闘。それは目の前で死ぬのが「人」でなければならなかったから。

 「そして、シィンの説明。これだけ繋げると、そう結論が出てしまいます。」

 不死者の実験。その言葉に込められた不吉な意味。





 -なかなか聡い娘よ。-

 

 気がつくと傍らに「影」が来ていた。

 慌てて身構えるカイト達だったが、それを「影」が制した。


 -そう身構えずとも今は闘うつもりはない。-


 「信用できるかっ!」

 カイトが叫ぶ。


 -そもそも、お前等では我に届かぬ。-


 そう言ったとたん、「影」からじわりと滲み出す圧迫感プレッシャー

 とたんにカイト達は指一本動かすことができなくなった。

 動けば死が訪れる、それを魂の底から理解させられたのだ。


 -だが、おまえ等はなかなか面白い。-


 どれほどの時間が過ぎたのか、それは一瞬だったようにも永遠だったようにも思えた。

 実際には、先程と変わらずシィン達の闘いが続いているのだから、それほど長い時間ではなかったのだろう。

 「影」の「声」が聞こえたとたん、その圧迫感プレッシャーは嘘のように消えた。

 崩れ落ちそうになる膝を気力で奮い立たせながら、「影」を睨むカイト達。


 -そう、その眼よ。我の前で尚、その眼をできるものは、なかなかおらん。-


 面白そうな「声」で続ける「影」。


 -それより、あちらがそろそろ決着しそうだぞ。-


 その「声」に慌ててシィン達の闘いに目を向けるカイト達。

 その次の瞬間、信じられない光景が眼に飛び込んできた。


次回で戦闘は決着、できるといいなぁ…

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