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Watch ~監視者~  作者:
「悲しみの森」
3/98

<二>

自分で書いてて何ですが、主人公がなかなか出てこられない…。


アズルの町はエルシューン大陸を横断する「大陸街道」と周辺の村々を結ぶ脇街道が交差する中継点である。

 いろいろな物資が街道を通ってアズルの街に流れ込み、そして他の街に向かって流れ出していく。

 一応、シュメル王国に属しているが、その西端であり、隣国のザナス王国の人間もちらほらと見かけられる。

 物流という「流れ」が、国にとっての血液だとすれば、アズルの街はシュメル王国にとっての心臓に位置する街であった。

 そのため、旅人が訪れることも多く、常に賑わっている。

 町を歩く人種も人間族、妖精族、獣人族、竜人族と実に種々雑多である。

 その多くは街道を旅する商人であったり、その護衛を務める冒険者であったり、あるいは巡礼者であったり、旅の目的は様々である。

 人が集まれば、そこでは商売の種を求めて商人が集まる。

 商人が集まればさらに人が集まる。

 そうやってアズルの街は発展を遂げてきたのだった。今では「欲しい物があるならアズルで探せ、アズルで無ければあきらめろ」といった言葉があるほどの大きな街になっていた。

 この街を凌ぐ街は、シュメル王国内では東にある王都イシュバーンだけであろう。

 シュメル王国の繁栄は西のアズル、東のイシュバーンに支えられている、といっても過言ではない。

「カパの串焼き3本で1リン、10本で3リンで良いよーっ」

「お客さん、どうだい、東の大陸から渡ってきた織物だよ、物が良いよ。」

「薔薇水、冷たい薔薇水いらんかねー。」

 道に軒を連ねた露天商の呼び込みの声も威勢良く響き、街の中は活気と熱気にあふれていた。また、街の辻では吟遊詩人が自慢の喉を披露している風景も見られた。

 商人同士の取引の声、露天で品物の値引きを交渉する旅人の声、走り過ぎる馬車の音…。

 雑多な音のオーケストラがアズルの街の日常である。

 そんな街の中を、フードをすっぽりとかぶった三人組が歩いていた。

 既に太陽は高く上がり、まもなく昼になろうか、という時刻。その三人は気温が上がっている、というのにフードをすっぽり被っていることで、若干人目を引いていた。

 といっても特に怪しむ者もいない。季節としてはまだ暑いというほどでもないし、ここのところ晴天続きで、町並みも若干埃っぽいこともある。

 また、獣人族の一部には自分たちの顔をさらすのを好まない者もいるし、巡礼者なども普通はフードを被ったままである。

 むしろ、目を引いているといえば、その3人の組み合わせの方だろう。

 先に歩いている二人は、少し大柄で、歩き方から男性と思われた。

 後の一人は二人に比べて小柄で、歩き方からは女性か子どもか、少し判じかねた。

 先頭の男は肩に長弓ロングボウを下げていた。鎧などは見えなかったが、そこから考えれば、旅の冒険者かと思われた。

 そのすぐ隣を歩く男は目立った武器らしいものは持っていなかった。こちらは一見してただの旅人のように見えた。

 が、歩く姿は、どちらもしなやかで隙がないものだった。見るものが見ればかなり腕利きの二人組だということは見て取れた。

 その後ろを歩くもう一人は、それに比べれば、動きにも無駄があり、その所為で、時々二人から遅れそうになり、慌てて付いて行く、ということを繰り返していた。もっとも、それは小柄な人物が、すぐに周りの様子に気をとられてしまう所為でもあったが。

 その様子には、どこか田舎から出てきた人間の一種のカルチャーショックめいた雰囲気があり、すれ違う人の微笑を誘っていた。


※カパとは地球の鴨に似た渡り鳥で、比較的簡単に狩ることができる。脂が多く、焼くことで旨味が増すため、串焼きにして食べることが多い。

※通貨は金貨、銀貨、銅貨の三種類。単位はリン。銅貨1枚が1リン。

※交換比率は金貨1に対し銀貨100、銀貨1に対し銅貨100。(金貨1で10000リン)どの国でも通用する共通通貨。品質は各国が比率を決めたものに合わせて発行している。※生活用品の物価は安く、嗜好品の物価は高めになる。また冒険に関わる武器類は総じて高めになる。(食事1食外食で5リン程度、1週間の生活費は宿に宿泊して100リン 程度)

※一般人の収入は月収で1500リン程度。(日本円で15万~20万円位、)一般人では普通金貨を見るような生活はしていない。 


話のテンポが遅いです。ごめんなさい。

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