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Watch ~監視者~  作者:
「悲しみの森」
27/98

<二十四>

やっと戦闘開始です。

ここまで書くのに時間がかかった…。


 -また、不確定因子イレギュラーか-

 =排除するか?=

 -邪魔さえせねば良いだろう-

 =しないと思うか?=

 -…するだろうな-

 =では=

-とりあえず「あれ」で押さえよう-

 =排除できんかもしれんぞ?=

 -押さえられるなら構わん-





 洞窟は自然にできたもののようだった。黴臭く湿っぽい臭いが微かに鼻に漂ってくる。

 シィンの点した魔法の灯りに先導されて進む一行。

 「…古代魔法も使えたんですね。」

 ぽつりと呟くシャリー。ビロウズの弟子、と聞いていたので、少々意外だったのだ。

 それは質問ではなく、ただの独り言だった。

 だが、シィンは質問されたと思い、答えた。これから戦うかもしれない相手の戦力把握だと考えたのだ。

 「ビロウズは使えないぞ。アルもな。」

 「え、そうですか。」

 独り言を聞かれていたと思わなかったシャリーは、幾分間抜けな答え方をしてしまった。

 それから、今の答えに改めて疑問を持つ。

 (では、誰から古代魔法を習ったのでしょう?)

 その心を読んだかのようにシィンが言葉を続ける。

 「古代魔法は父から習った。」

 その後は、黙って進む一行。と、その足が止まった。

 前方に微かな明かりが見えたのだ。

 微かな緊張が一行に走る。しかし、前に進まねばならないことはわかっていた。

 「行こう。」

 カイトのその声に、また歩み始める。

 たどり着いたその場所は、今までの洞窟とは違っていた。

 差し渡し2,30ミトルはある真っ白な円形の部屋。周囲の壁が発光しているため、物を見るのに不自由はしなかった。そして、其処に予想通りの2人が待っていた。


 カイト達の5ミトル程前にシィンが歩み出る。

 「待っていたぞ、シィン。」

 声をかけてきたのはアルフォードだった。隣にいるビロウズは無言。ただじっとシィンを見つめていた。

 「…。」

 対するシィンも無言のまま。ただ悲しみを秘めた目で2人を見つめていた。

 「おまえを殺せばフィリアが助かる。」

 言葉を続けるアルフォード。それにシィンが答える。

 「ああ、俺が死ねばフィリアもアル達も、それにカイト達も助かるだろう。」

 2人のやりとりをビロウズもカイト達も黙って聞いている。

 「では死を選ぶか?」

 「そうした方が良いかもな。ただ…。」

 「ただ?」

 「その道を俺は選べない。」

 「何故だ?」

 「ここでアルに殺されることを選ぶくらいなら、母さん達に殺されてたよ。」

 「そうか…。」  

 「母さん達の命を奪ってこの場所にいる俺が、立ち止まるわけにはいかないだろ?」

 「そうだな。」

 「だから…アル達もここで斃す。」

 そう言うと、腰から小剣を抜いて構えるシィン。それに合わせて構えるアルフォード。

 「2人で来てくれ。」

 ビロウズにも声をかけるシィン。

 「本気ですか。」

 「それぐらいじゃなきゃ、奴らの前には立てないよ。」

 「なるほど、ね。」

 そう言うとビロウズも魔法を使う構えをとった。

 同時に3人の間の空気が変わる。濃密で熱を持ったようなものが渦巻く感覚。三人の放つ殺気が見ている者にはまるで炎のように感じられた。


 それを見たケイトは思わず声を漏らした。

 「無茶よ、2人相手なんて…。」

 カイトは黙ってシィンの側に出ようとする。


 -邪魔はせんでもらおう-


 その「声」と同時に空間が割れた。

 割れた空間から現れたのは、身の丈3ミトル程の漆黒のゴーレムだった。


 -お前達の相手はこ奴じゃよ-


 その「声」と同時にゴーレムはカイト達に襲いかかってきた。

ズドァゥム!と言う腹に響く破砕音。

 同時に一瞬前までカイトが居た地面が擂り鉢状に陥没した。ゴーレムが振るった右拳の一撃である。空気が焦げるような幻臭すら感じたほどの凄まじさであった。

 「散開しろ!」

 指示を飛ばすカイト。それに従い、即座に臨戦態勢をとる「風追い人」の面々。同じ場所で2つの命をかけた闘いが始まった。


※ゴレームは付与魔法エンチャントによって仮初めの命を与えられた存在である。材質によってその強さには大きな差が生まれる。一般に堅い素材ほど強い。ここで使われたゴーレムは金属製の中でもかなりの強さを誇る鋼鉄製ゴーレム(スチール・ゴーレム)。鉄製ゴーレム(アイアン・ゴーレム)よりはるかに強い個体。

何度も書き直した割には余りよくない気が…。

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