1/3
初恋
中学二年生。
葉桜の季節。
私は
淡く、深い
恋をした。
人を信頼できなかった。
だけど、この人だけは、裏表のない優しい人だった。
男子からも女子からも人気者で、でもそれを鼻にかけない。
こんな私とも仲良くしてくれた。
優しくしてくれた。
一緒に笑いあってくれた。
それだけで、私の心は満たされていった。
*
恋と自覚してしまった。
楽しかった。
恥ずかしかった。
目があっただけで心臓が止まりそうだった。
恋愛曲に共感した。
席が離れただけでため息が出た。
心の距離は離れて、声をかけることもできなくなった。