53話
武司達は受け付けで手続きをし代表者を武司にして地下へと階段を降りていく。壁にはランタンがいくつも吊り下げられていて辺りを照らしている。意外に明るい。色あせた階段を一歩進むごとに足音が響いた。進行方向から涼しい風が吹き付けてくる。階段が終了した。ついに地下一階のフロアに降り立ったのだ。松明が点在している。煌々と燃える木々はパチパチと爆ぜている。その部屋の真ん中には赤い金属製の鎧を着た男が立っていた。その男は武司達を見ると笑みを零し
「お、今日五人目の挑戦者か。次は負けないぜ!」
武司は髭面の地下一階の守り人を観察しながら質問した。
「あんたを倒したらいいのか?」
髭面の男は額に青筋を浮かべながら返答する。
「そうだぜ坊主。俺はリット……鎧も着てないとはコロシアムを嘗めてるな」
武司は端的に喋った。
「なら俺が相手だ」
武司は走り現牙で作り上げた青みを帯びた剣で切り付けた。このフロアの番人は自分の身長程ある槍で防いで流す。けたたましい金属音が反響した。武司に迫る槍による突き。武司は着地の際にバランスを崩し負傷した。相手の突きで腹を刺されたのだ。リットの槍から鮮血が滴る。武司の腹部も痛ましい状況をていしていた。