51話
ルーノは呆れたと顔に書いた表情をした。なんで忘れるのよと言葉を発しそうな顔色だった。全く弛んでるわね。残念なものを見る目で武司を見つめた後ルーノはコップに入った弱冠黄色いスープを飲んで
「地下コロシアムに行って参戦するんじゃなかった?」
まだ目があまり覚めず頭がまわらない武司は少し間をおいて述べた。声に覇気が無い。まだ寝不足なのだろうかとルーノとサリナは思った。
「え、ああ。そうだったな」
ボーッとしている武司。武司達は手早く朝食をとると地下コロシアムへと向かった。意外に近いので徒歩で向かった。街では商店の前で奥様連中が楽しそうに談笑したり小さな子供達が触り鬼をしていて走って追いかけている。もちろん逃げる子もいる。しばらく歩くと古本屋に出くわした。武司は
「ちょっと立ち読みしていかね?」
「あはん、ちょっとだけなら……」
とサリナが応じる。三人は奥行きが長く幅が狭い四角い古本屋に立ち寄った。三人はそれぞれ本を手に取り立ち読みしている。武司は埃を先に布が付いた棒で掃っていた店員に尋ねた。
「この世界で一番人気のある有名小説って何?」
「そうじゃな……アルルカンの冒険は昔から読まれておるな」
「じゃあ、それ買う」
「そうかい、ありがとう」 アルルカンの冒険を購入しサリナ達を待つ間、早速購入したばかりの本を読み始めた。十ページも読むとサリナ達が本屋から出て来た。