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告白の旅へと出かけよう~親友に転移させられた俺は努力を重ねて彼女の下へ舞い戻る~  作者: 池春 藤斗


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1:まさか先生が!?

クリックしていただきありがとうございます。

新連載です。楽しんでいただけると幸いです。

「みんな卒業おめでとう! 先生はこの日を迎えられてものすごく、ものすごくうれじい」


胸元のポケットに造花が差された制服を着る生徒30人が自席に着席し、担任の先生の話を聞いている。

ここは私立亀山岡高校3年1組の教室。

今日は卒業式で3年生にとって高校最後の登校日だ。


「先生、泣きすぎ」

「そうは言われてもな、ここにいる大半が1年生のころから担任をしているんだ。それに初めての担任を受け持った生徒たちが卒業って考えるとな」


何人かの生徒が先生につられて涙ぐむ。


「最後に先生からのお願いを聞いてくれるか?」

「いいですよ!」


誰かが答えた。

先生はそれを聴くと一度うなづく。


「ありがとう。じゃあ教壇を境に机と椅子を窓際と廊下側に寄せて、真ん中にスペースを作ってくれないか?」

「これから何するんですか?」

「それはお楽しみだ」


泣き終えた先生が何をしようとしているのかわからない中、生徒たちは指示に従って動き出す。

真ん中にスペースができたところで先生が口を開く。


「今から先生とじゃんけんをしよう。勝った人は廊下側に、あいこの人は後ろ側に、負けた人は窓際に集まってくれ。その集まったグループの中でまたじゃんけんをして順位を決めてくれ」

「順位を決めるって今から何をするんですか?」

「後で答える。先生のお願いを聞いてくれないか?」


雲行きが怪しくなるも生徒たちはしぶしぶ指示通りに行動し始める。

先生とのじゃんけんから始まり、次に生徒間でのじゃんけん。

時間が経つごとに順位が着々と決まっていき最後の二人がじゃんけんを終える。

ずっと勝ち続けた1位からU字で30位まで順に並ぶ。


「これで順位が決まったな。では……」


先生が聞き取れないほどの小さな声でぶつぶつと何かをつぶやいている。

生徒たちは皆何をしているんだと言わんばかりに先生を見つめている。

先生がつぶやき始めてから30秒ほど経ったころ、生徒たちの足元が光りだす。


「先生、これいったい何ですか!?」

「あ、足が動かねえ!?」


生徒たちが動揺し、不安を口にする。


「みんな今起こっている現象について何一つ恐れることはない」


先生から発せられた声には力強さがあった。

それに先ほどまでの泣いていた表情と打って変わり、決意に満ちた表情をしていた。


「今からお楽しみと言っていたことを伝える。……今から君たちは足元で光っている魔法陣で異世界に転移してもらう」


先生からの衝撃的な言葉に誰もが声を上げようとするも、声を発することができない。

動くどころか声まで出せないようになっていたのだ。


「こんなことをするのは先生の身勝手な行為だ。本当に申し訳ない」


先生が頭を下げる。

そして頭を上げた時、先生の目や鼻などから血が流れていた。

叫びだしたい者もいただろうが、やはり声が出せないので何も言えない。


「この魔方陣は先生の命を使って発動させている。だからもう二度と先生と会うことはないだろう。それにあまり時間がないから手短に話す」


先生の言う通り魔法陣から放たれる光がだんだん強くなっている。


「これから転移するところはスアースという異世界だ。そこは先生がもともといた剣と魔法のファンタジー世界だ」


先生って異世界人だったのと突っ込みが入る場面だが、誰も話せない。


「スアースでは魔王の復活が間近だと言われている。その魔王は強大でスアースの人たちでは倒せない可能性が高い。だから異世界人である君たちが倒してほしい。このクラスはその魔王を倒せるだろう素質のあるものを私が集めて構成した組だ。うまくやってくれると先生は信じている。……ゴホゴホ、グハッ」


先生が盛大に吐血する。

誰がどう見ても先生が言っていた通り、命を削って魔法を行使していることが理解できた。


「あと先ほどのじゃんけんだが、魔王を倒すには運も必要だ。スアースに行くまでに中継する場所でこの並び順にスキルを取得することになる。そのため順位が良いほど良いスキルが取得できる可能性が高い。だが良いスキルだからと言って考えずに取得してはダメだ。君たちには一人一人にユニークスキルが与えられる。これは君たちの人生を反映した唯一無二のもの。誰とも被らないものだ。だからこそそのユニークスキルとの相性を考えて取得するように」


先生はもう目が見えないのか、焦点が合っていない。


「最後に君たちの門出をこのようにしてしまい本当に申し訳ない。どうかスアースを救ってくれ!」


魔法陣から放たれる光がこれまでにないほどに輝くだし、視界がホワイトアウトする。

生徒たちは異世界へと転移されたのであった。


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