第9話―2 奈落に呑まれし魔法修練塔:2
暗闇の中、荒れる風が吹くこの場所で、目の前にいるのは見えない風の裂力を持つ不死のモンスター。
このモンスターに狩られるか、狩られないかは、こいつが持つ二つのワードを奪えるか奪えないかにかかっている。
◇奈落流刑地 風場の域◇
『かまかまかまスラッかまかまかまかまかまかまシュ! かまかまかまサイクかまかまかまッシュ』
「……見えた! 裂力のワードなぞ、自分が叩き斬ってくれる!」
「すまない、ウィンドラ、助かった」
「大丈夫だ、ナナイロ殿。だが、この裂風の刃を叩き斬るのにも限界がある……、この吹き荒れる風の中、ナナイロ殿だけを逃す事も叶わん!」
「何を言っているんだ? お前とアリシェラを置いて俺だけ逃げるなんて、そんなことができるわけがないだろ」
でもどうする……。
こいつのワードをワードドレインするには、どうしたらいい……。
「コトバ君、見えない魔物の名前は?」
「見えない魔物の名前? アンデ・サイクロスラシュ・マンティスという名前だが」
名前なんか聞いてアリシェラは一体、どうするつもりだ。
「サイクロスラシュ・マンティス……、もしかしたらスラッシュ・マンティスのことかも」
「なんだ、スラッシュ・マンティスって?」
「スラッシュ・マンティスはね、サイススパイダーと同じルーキー冒険者向けの魔物よ」
「自分達が相手にしている目に見えぬ敵が、まさかスラッシュ・マンティスだとはな……ん?」
『スラかまかまッシュシュかまかまかまスラッかまかまかッシュ――』
「これ以上大事な制服を切らせてたまるか! スラッシュをワードドレイン!」
『すらかまかまかまかまかまかまかまかまかま』
【WLにワード〈スラッシュ〉を追加!】
よし!
残りのワードはあと一つ!
「コトバ君……何かがおかしい」
『じゃまじゃまサイクじゃまじゃまじゃまロン!』
「えっ? 強力な風の魔法、キャーァァァァァァ!」
「ぐ……うぉぉぉぉー」
「アリシェラ! ウィンドラ!」
一瞬で目の前から二人が消えた……、もしまたあの風が来たら、俺は間違いなく吹き飛ばされる。
《『コトバは、何に対してビビっているのかなー? コトバが見ているワタシは何かなー?』》
俺がビビっているだと? なにを言っているんだ。
俺の武器は目の前にいるワードライブラリのワドラ、お前だ!
【ナナイロコトバの保有ワード一覧】
[・スキャン][・ソニック][・カース]
[・ステルス][・ハント][・エグゼキュート]
[・スラッシュ]
【ナナイロコトバの保有KS式WM一覧】
[・ステルスソニックスキャン]
[・ヘヴンリークレンジングソニック]
[・ヘヴンリーエグゼキュート]
《『どうするのー? このままやっぱり死ぬ?』》
「ふっ、なんでそんな話になるんだよ、流石に舐めすぎだろ、アトリュソウルズ・KSワードマジック〈ステルスソニックスキャン〉!」
これで奴の声の発生源が分かるはずだ。
『じゃまかまかまかまかまサイクじゃまかまかま……』
真後ろの方向か、だったら!
『じゃまサイクじゃまじゃまロ――』
「こんな場所で吹き飛ばされてたまるか! サイクロンをワードドレイン!」
『サ? かまかまかまス?かまかまかまかまかまかまじゃまじゃまサ? ス? サ? ス?』
【WLにワード〈サイクロン〉を追加!】
「やっとお前の姿を見ることができた、でも残念だったな! お前はもう俺を斬り裂くことも風で吹き飛ばすこともできない! 終わりだ、アトリュソウルズ・KSワードマジック〈ソニックスラッシュ〉!」
【DHP:1/3000】
「しぶといな! KSワードマジック〈ヘヴンリークレンジングソニック〉!」
『かまか――』
【LV.60/INF】
【HP:400/600 MP:1000/INF】
【WL容量:INF WL保存済みスキル:11】
レベルアップ……ふぅ、なんとか倒せたな。
おかげでさっきよりも風が弱まったな。
《『ステータスオープン! やったね、コトバー!』》
「ああ、でもアリシェラとウィンドラは無事なんだろうか」
《『この風なら足元に気をつけて歩けば、大丈夫でしょー!』》
「そうだな、とりあえずあの二人を探すか」
アリシェラ、ウィンドラ……、俺はお前達を信じているからな。
第9話―2 奈落に呑まれし魔法修練塔:2 完。
第9話―3へつづく!
【ワードライブラリ 保有ワード一覧】
[・スキャン][・ソニック][・カース]
[・ステルス][・ハント][・エグゼキュート]
[・スラッシュ][・サイクロン]
【ワードライブラリ 保有KS式WM一覧】
[・ステルスソニックスキャン]
[・ソニックスラッシュ]
[・ヘヴンリークレンジングソニック]
[・ヘヴンリーエグゼキュート]
【ナナイロコトバ 装備】
・琴珠学園高校制服
・アトリュソウルズ




