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第8話―1 奈落流刑地からの脱出鍵:1

 第三小屋を後にした俺達三人が次に目指す場所は、遥か頭上にある光、奈落流刑地の出口に繋がる最上階層。

 アリシェラ、不死身の斧狼だったウィンドラと共に最上階層に上がるための手がかりを探すこと。

 見つかった手がかりが、奈落流刑地からの脱出の鍵となることを信じて探すのみだ。

 

 ◇奈落流刑地 洞窟◇


「ウォォォォ! ワードソード! 炎武焔斬〈ファイアスラッシュ〉!」


「今だ! ファイアスラッシュをワードドレイン! ……あれ? やっぱりダメか」



『ギギギ――――』



 俺とアリシェラが手こずった大鎌蜘蛛と同じ種類の大鎌蜘蛛。

 それを炎の魔法を纏った長大剣で燃やし斬るとはな。

 流石はオルタシェイラの魔導戦士だ。



「よし! 倒せたぞ!」


「流石ですね、スウォードさん」


「うむ、自分の魔法流儀が奈落のアンデットに通じて良かった……、そういえばさっきからナナイロ殿は自分に対して一体何をしているのだ?」


「ウィンドラの魔法はワード魔法だろ?」


「ワード魔法? いや自分の魔法流儀は、ワード魔法を基礎としたワードソードと呼ばれる魔法流儀だ。もしやナナイロ殿は自分の魔法流儀をワードドレインしようとしていたのか?」



 やばっ、バレた。

 アリシェラといい、ウィンドラといい……魔導戦士は鋭すぎだろ。



《『ステータスオープン!』》



 ワドラ……まさかお前、また『そんなの当たり前じゃん!』とか言い出すんじゃないだろうな。



《『まったくコトバは懲りないねー、元不死身狼ちゃんのウィンドラのワード魔法は、ウィンドラが握っている魔導剣を介して発動してるよねー』》


「ああ、それは見れば分かる。だがアリシェラのスペルズ魔法ではないワード魔法だったら、もしかしたらワードドレインができるのではないか、と考えてな」



 まぁ、確かに剣を介して発動させるワード魔法をワードドレインできたとしたら、あんな長大剣を握ったまま炎を纏わせて全力で斬るなんて、俺には無理だ。



「でもウィンドラと俺の経験値は全く違う……勿論、アリシェラとも、つまりそういうことだろう?」



《『正解ー! でも同じワード魔法なら奪う以外の使い方もできそうだよねー』》


「奪う以外の使い方か……」



 そういえば、俺がアリシェラへステルスのワードを発動させた時、確かにステルスの効果は出ていた。

 ということはつまり、俺の力の使い方次第では今後の戦い方も変わる。

 もしかしたらアリシェラの言っていた世界の脅威となるか、傀儡人形にされるかは、この事を言っていたのか?

 もしそうだったら、もう少し慎重に周りを見て、考えて行動しないとな。



「コトバ君。キミがその力を世界に対して、どの様に使うかはキミ次第。でも私達が外の光を見るための鍵もキミだということを忘れないでね」


「ああ、勿論だアリシェラ」


「外の光であるか……、ナナイロ殿とラングウォルド殿は奈落流刑地から出ることができたら、どこへ向かうのだ?」


「どこへ? ここを出たらアリシェラの故郷である魔真国オルタフェリアへ行く」


「魔真国オルタフェリア、ラングウォルド……、もしやラングウォルド殿はひ――」


「スウォードさん、それ以上はダメ……私は魔導戦士の冒険者なのですから」



 ん? なんだよ『ひ』って?



「すまない、そうだったなラングウォルド殿」



 んー、なんか変な雰囲気だな。

 でも俺達の目的は一つ。



「とりあえず今は奈落流刑地の最上階層に上がるための手掛かりを探す、だろ? 二人とも」


「そうね。でもコトバ君、スウォードさん。あの小屋から大分歩いた気がするんだけど、気のせいかしら」


「確かにラングウォルド殿の言う通り、先の小屋からかなり距離を歩いているな……、ナナイロ殿、あの索敵のワード魔法は使用可能か?」


「索敵の魔法? ああソニックスキャンの事か、でもウィンドラ、ソニックスキャンを使ってどうするんだ?」


「その索敵魔法を自分に向かって放ってくれないか?」



 はっ?

 いきなり何言ってんだ、ウィンドラ。



「なんでお前にソニックスキャンを放つんだ?」


「確かに自分に向けて、ではないな……、そうこのアトリュスウォードに向けて放ってくれないか?」


 なんだかよく分からないが、ここはウィンドラを信じてみるか。


「刻想の勇者たる俺が命じる、ソニックスキャン!」


「ナナイロ殿、ワード魔法が発動していないようだが……」



 あれ?

 どうしたんだ? もう一度だ。



「刻想の勇者たる俺が命じる、ソニックスキャン!」


「コトバ君、ワード魔法が発動していないわよ」



 あれ? ソニックスキャンが放てれない。



《『コトバさー、ワードライブラリを確かめないのかなー?』》



 ワードライブラリ?

 ソニックスキャンは、ステルスソニックスキャンとは別にあるはずだが……。

 一応、確認してみるか。



「ワードライブラリ、オープン!」



《『はいはいー、さあコトバちゃん! ソニックスキャンが使えない謎を考えてみよー!』》



 【七色言刃のワードライブラリ 保有ワード】

 [・スキャン][・ソニック][・カース]

 [・ステルス][・ハント]

 [・エグゼキュート]

 

 【七色言刃のワードライブラリ 保有KS式WM】

 [・ステルスソニックスキャン]

 [・ヘヴンリークレンジングソニック]

 [・ヘヴンリーエグゼキュート



 あっ!

 あの時[ステルス]と[ソニックスキャン]を組み合わせたから、ワードライブラリに[ステルスソニックスキャン]しか残ってない……。



「なるほどな、もしかして[ステルスソニックスキャン]があるから[ソニックスキャン]は使えないし、新しく[ソニックスキャン]は造れない……、そういうことか?」



《『正解ー! 元不死身狼ちゃんを探す時、コトバはソニックスキャンにステルスを追加してー、KS式ワードマジックのステルスソニックスキャンを造ったよねー』》



「ああ、そうだ」



《『だよねー、だから新しく[ソニックスキャン]は重複するから造れないのさー』》



 マジか……、でも流石はチートハズレスキルだな。



 第8話―1 奈落流刑地からの脱出鍵:1 完。


 第8話―2へつづく!

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