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滅びと救いの彼方まで  作者: ナザラ
軍事国家アガン
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闘技場編 エリア

「住宅を壊しただってぇ!?」


朝の八時、宿丸に戻っていたカリーナとザルドは今朝起きたことを話した。

特にカリーナに至っては顔色を変えてあたふたしながら「どうしょう、どうしょう」と困った様子で話していた。

そんな様子を見てか、店主のヤマダが大口を開けて笑い出した。


「がっはっはっ!、なんだそんなことを心配していたのか、それなら平気だ。ここでは家が壊されるなんてことはよくあることだからな!!」


「えっ!?」


驚きの様子を隠しきれないカリーナだが意外と事実だ。

実際に、宿丸も二度三度と壊された事がある。

ここではそういった事は当たり前であり、気にしていたら暮らしていけないとザルドも一年間の滞在時に学んだことである。


「だから言ったろ、別に平気だって。アガンでは当たり前なんだよ」


「他の国や場所ではあり得ないことが、ここでは普通に起こるからな。嬢ちゃんも慣れていくよ」


そうですか…と何処か納得のいってない返事を返すとそのまま宿丸を出ようとした。


「どこ行くんだ?」


「どこって、闘技場で受け付けしないといけないんでしょ」


忘れていた。

リーゼに襲われ、さらにカリーナに無理矢理引っ張られるなどそういった物事が重なって本来の目的を達成していなかった。

正直、今からあそこに戻るのも気が引けるというか……、リーゼがいないか心配というか。


「もしかしてリーゼの事を考えてるの? だとしたら平気よ、だってあんなに吹き飛ばされたんだから無事ではすまないでしょ」


ザルドが考えている事を見透かして答えるカリーナは、何を心配しているのかわからない、という様な顔をしてこちらを見てくる。

だから答えてやった。

アイツは無事ではすまない攻撃も無事にすむ女だと。


「だったらまた殴ればいいじゃない」


返ってきた答えは至極単純だった。

しかし、確かにそうだ。

また襲われたら殴り返せばいいんだとそう思ったらなんだか怖くなくなってきた。

まるで、あの時のトラウマを忘れたかのように。


「というわけで行ってくるわ」


「おう、気を付けろよ」


そう言って宿丸を後にした二人は再び闘技場へと足を運んでいった。





朝の9時。

未だにアガン王国は静かで比喩的に表すなら町が眠っていた。

数時間前の騒ぎにも誰も来ず、唯一見かけたのは家を破壊されたオカマの人と闘技場の受付の人だった。


「本当にここの国は困っちゃうわね」


そう言いながらもそこまで困ってなさそうなオカマの住人は壊れた壁を見ながら呟く。


「さっきの戦い見ましたよ! いやぁ……自分が童心に帰った気分でしたよ」


興奮しながら受付をしてくれたバールはザルドと握手をしてこれから行われる闘技場での戦いを応援してくれた。


と言ったようにアガン王国の朝は静かだったのでついでに町を歩くことにした。


「良かったわね、リーゼ来なくて」


「たとえ来たとしてもぶん殴ってやるよ」


先ほどの件もあり調子に乗っているザルドと共にアガンの町を歩いていく。

朝飯は適当に屋台で済ませアガン観光をする。

ガイドはもちろんザルドであり、一年間過ごした記憶を頼りにぶらぶらと歩き回る。


東西南北でエリア分けがされているアガン王国ではそのエリアごとに役割を持つ。


まずは東エリア、ここは闘技場がありアガン王国での唯一の娯楽の場所である。

闘技場では人同士の戦闘はもちろんの事、魔物との一対一といったエンターテイメントも盛りだくさんである。

そのため、必然的に金持ち(強者)が集まり気付けばアガン王国の富裕層地域となった。


次に西エリア、ここは工業が盛んな場所である。

特に武器の製造は凄まじく、他国へ輸出することでアガン王国の収入源にもなっている。

しかし、それ以外は何もなく観光場所としてはよくない。


次は南エリア、ここは酒場や武器屋、道具屋に宿といった複合的な建物が並ぶ場所である。

庶民の家もここに多数存在し、酒場で隣人同士で盛り上がっている。

また、冒険者や傭兵も南エリアで暮らしている人が多く酒場で依頼を受け取ったり武器の調達も捗り暮らしやすいらしい。


最後に北エリア、ここは一言で言えば王様が住んでいる場所である。

アガン王国屈指の豪華な家が並んでおり東エリアの金持ち地域よりも優雅な暮らしをしている。

ここで暮らせる人は戦争で活躍した人や闘技場でトップの成績を修めた人などアガン王国内でも最強クラスの強者達である。


「で、あの一番奥の城に王様が鎮座しているということね」


顔を見上げて外壁に囲まれた大きな城を見る。

最初に感じたのは圧だ。

まるで、大きな巨人の如く建てられた巨大な城は白と言うには寂れた部分もあってどちらかと言えば要塞に近いイメージを持った。

だからこそ圧が感じられたのかもしれない。


「そうだな、あそこに王がいる。といっても今は戦争に出向いているがな」


一瞬だけ城を見たザルドはそのまま道を歩いていく。

中央エリアと呼ばれているこの場所は北エリアの住民専用の複合施設があり、端的に言えば豪華番南エリアと言った所だ。

ここにはうまい飯や値段が桁違いの武器なんかが置かれいるが、今は朝だということもありどこも閉まっている。


「アガンって本当に娯楽がないんだね」


「アガンでの娯楽は戦い。だからこそいろんな異種族の国に戦争を持ちかける」


現在進行形で行われている戦争もアガンの王が一方的に持ちかけたものらしい。

相手が何処かは知らないがアガン王国と戦争をして無事だった国はないと言われる程の強さを誇り八王国でもツートップの実力がある。

まず戦争を持ちかけられた国は無傷ではすまないだろう。


「奴らは戦いに楽しさを見いだしているからな、そもそもこの国の王の決め方は一番強い人間が王になるだからな。国のあり方から異常性が垣間見れるさ」


お前が嫌う理由もわかるとザルドは靴を翻して来た道を戻る。

一通り回ったのだろうか、西エリアだけは行ってないが本当に工業しかないという事から行くことを止めたらしい。


戦が娯楽の国アガン。

それは同じ八王国であるオルウェン王国とは全くの別物だった。




















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