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眠姫(スリーププリンセス)  作者: シエラ
3/5

第2話「探索」

『この場所には人がいないから探しても意味が無いのよ。』



AM3:00


「あ、すみません。人違いでした…」

『ナギ、それじゃあいくら話しかけても無駄だろ?見た目で判断しないこと!』

俺とイスカの2人は、感情界の中央区と呼ばれる場所で俺のような【眠って感情界に来た人】を探していた。時は……何時だ?

「なぁイスカ……今何時だ?」

『今か?えーっと……午前3時だな!』

………え?俺は呆然と相手を見る。それは誰が聞いても疑問を抱くであろう問題で……

「おい、【午前3:00】だと、夜中じゃねぇか?」

『いや、こっちの世界はAMがお昼12:00以降で、PMが夜中12:00以降なんだよ』

ほへー……つまり、今俺が寝ている人間界は【夜中の3時】という事か……納得。

『さて、と……ひとまず休憩しよっか!』

イスカは、自分が疲れたからなのか探索を始めて1時間くらいで休憩をとるように言ってきた。まぁ、俺は別に構わねぇけど……


「キャーーーッ!!!」

その数秒後、近くから女の叫び声が聞こえ、俺達は休むまもなくそちらへと走り出した。



AM3:15


ざわざわと住人たちが騒いでいる中、俺達2人は話を聞くことにした。

「なぁ、なにがあったんだ?」

「それが……さっきアタイの店でりんごを買った女の子が、突如姿を消したのよ。足元からどんどん透明になって、アタイビックリして叫んじゃったわ。」

どうやらこの女性は果物屋なのだろう、で……その店でリンゴを買った女の子が消えた?失踪とかじゃないみたいだしな……

『なんで悩んでるんだよナギ、要するに【ナギと同じ住人】なんだろ?』

「……!」

俺はようやく納得して口をぽかんと開ける、その様子を見ていたイスカは苦笑いを浮かべているのだった。まじゴメンイスカ、俺推理系苦手なんだよな……


「うわぁっ!?」

今度は男が叫び声を上げた、だが先程と違うのは……【俺を見て叫んだ】ということ。

『ナ、ナギ!あ……足が!?』

「足?」

言われるがまま足元を見ると……

「うおっ、マジかよおい!?」

俺の足元がどんどん透明になっていく、すっかりパニックな俺はドタバタしながら周りに助けを求める。まぁ当たり前だが助けてくれる人はいない……

『ナギ、これはチャンスだよ!元の世界に一度戻ってそっちで探索をして来いよ!』

「はぁ?俺そういうの嫌いなんだけど。」

『つべこべ言わずやってこーい!』

「だから俺はむりだっつー……」

【の!】までいうことは出来ず、俺は感情界から一度戻ってくるハメになった……



AM4:00


「……の!」

言えなかった最後の文字を叫びながら飛び起きた俺は一度辺りを見回して何度か深呼吸をする。辺りの光景は、当たり前だが俺の部屋だ……

「帰ってこれたのか、にしても……あれは何なんだ?」

こちらに帰ってきても、まだ違和感が残っていた。感情界と呼ばれるあの世界に、俺達みたいな【平凡な人間】がなぜ行けたのか……これは確かに噂になる話だと思った。


『永遠ー、こんな夜中にまだ起きてたのー?』

「いやごめん、悪い夢を見ちゃってよ……」

俺の部屋のドア越しにオカンの声がした、どうやら俺が起こしてしまったらしい。だが心配する間もなくオカンは『そっかー、おやすみー』と一言残してまた寝室へと戻っていった。

「……考えても分かんねぇし、学校で友也に聞こうか。」

ここは友人を頼ることにして、俺は再び眠りについたのであった。

次回予告:感情界から帰ってきた永遠、学校ではやはり感情界の噂が流れているようで……永遠と友也は情報を聞き出すことに。


次回、第3話「眠姫」

お楽しみに。

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