第3話「眠姫(ネムリヒメ)」
『私が誰かって?私はこの世界の住人よ』
AM8:30
「よぉーし、今度もセーフ」
SHRが始まる前に教室へとたどり着いた俺はさっさと席に着く、いやぁ遅刻だけは避けないとオカンがうるさいのだ。
『おはよー永遠、よく眠れたか?』
「おはよう友也、よく眠れたけど…お前に話したいことがあってよ……」
俺は友也に昨日の感情界の話をすることにした、案の定友也もそれには驚いたらしく口をポカンと開けたまま俺を見てきた。
『うっわ、永遠うらやましいな!俺とかなーんにも夢見てねぇし。』
ブーブーと口を尖らせる友也を無視して机に肘をつくと、俺は窓の外を眺めた。
『あ、そうそう!感情界?ってところにお前行ったならさ…【眠姫】見なかったか?』
「眠姫?なにそれ?」
『あ、お前会ってないのか。眠姫ってのは、感情界に行った生徒の数人が見たっていう、美人なお姉さんなんだとよ!』
「なるほど、寝ないと見ることが出来ないから眠姫なのか。」
『で、その眠姫に出会うと…いきなり戦いを申し込まれて、ズタボロにされるんだとさ。』
「えっ……」
俺はショックを受けた、美人とはやはり簡単には友達になれないのか、と肩を落とすのだがそれを友也は優しく慰めてくれた。さすが俺の友人…!!
キーンコーンカーンコーン……
ここでSHRのチャイムがなり、俺達の話は中断された。
PM16:00
その日の放課後、俺は友也と教室に残った。感情界の話をしたかったから……でも、俺は予想できなかったこの状況に不安しかない。なぜなら……
『友也くん、この子可愛いね!』
『アタシもそ〜思う!』
そう、友也が【感情界に行ってきた生徒】を連れてきたのだ。
「おい友也、俺聞いてねーんだけど。」
『すまん永遠、人数多い方がわかると思ってよぉ……』
友也の言いたいことはわかる、だから素直に怒れないのが俺だ。
すると、生徒の1人が立ち上がり……
『ねぇねぇ、眠姫ってさ、人間界の人?それとも感情界の人?』
言われてみれば確かにそうだ、眠姫がもし人間界……つまり俺達と同じならこちらで眠姫を見つけて万事解決することもあり得る。だが今のメンバーで出会ったひとがいるのやら……
『眠姫はやっぱり感情界の住人だろ、戦いに強いという事は、無効の世界で練習していた可能性もあるし。』
そう言い出したのは隣のクラスの【水口 凛】だった、彼女は優等生並に頭はいいが性格が他と少し違うらしい。俺は知らないけど……
『永遠、凛の言ってること間違いなさそうだよな』
「……あぁ。」
相手の意見に賛同するとここにいる全員の顔を順番に見てある提案をしてから今日は解散となった。
PM22:00
「……あと1時間。」
俺があのメンバーと約束した時間はPM23:00、何を提案したかというと……
「今晩の23:00、この時間にみんなが寝て、無事感情界にいけた奴らが眠姫を探して話を聞く、なんてどうだ?」
あまりにもどこかのアクションゲームにありそうな作戦だが、今は突っ込んでられない。俺はスマホにイヤホンをさすと大音量で曲を聴き始めた。しかし……
「あ、やべえ眠いわ。」
俺はいきなり襲ってきた睡魔と戦うことになるのだが、誰でもそうであるように俺は睡魔に負けてそのまま眠りについてしまったのであった。
次回予告:夢の世界を再び目指す永遠、そこには相変わらずのメンバーがいるなかで……
次回、第4話「発見」
お楽しみに。




