10、独白
俺の名前はカイト・フォスター。侯爵家の次男だ。
優秀な兄が侯爵家の跡取りとなるため、自分の力だけで生きていける道を探していた時
王家の第一王女、リアンカ様に出会った。
リアンカ様はやや妄想が膨らみ過ぎる癖があるも、優しく常に笑顔を絶やさない人だ。
その笑顔は周りの人々を明るくさせ、安心をもたらすようで彼女の周りは穏やかな空気に包まれている。
我が家は何代も騎士団長に登りつめるほど武に突出した家でもあるため、幼い頃より剣技や体術を学んできた。
そのお陰で、リアンカ様の護衛に抜擢された。
一緒に勉学に勤しんだり、遊び相手となりお互いに成長してきた。
その成長の過程で、リアンカ様に恋心を抱いてしまうのは必然とも言う。
兄が侯爵家の跡取りになると言うことには文句もなければ不満もない。
それだけ兄も努力をしてきたし、優秀でもあるのだから。
ただ•••、家を出れば俺は爵位のない一騎士にすぎなくなる。
身分や立場を考えれば、リアンカ様への気持ちは封印せざるを得ない•••
その思いで、徐々に距離を開けて行ってみるも彼女の言動に一喜一憂している自分を
何度呆れた事か。
そんな時に異世界から招待者が来た。
彼はこの世界にはない黒髪に黒目で、顔立ちも整っていた。
優しげな風貌にあちらの知識や器具を使い、我々の国民達が悩んでいる歯の治療に尽力してくれた。
私も試しにと虫歯の治療をしてもらい、今はあの微妙に鈍い痛みがなくストレスが発散されている。
訓練で怪我を負う事は日常茶飯事で、痛みには強いと自負している。
だが、もうあの治療は御免願いたい。
内心リアンカ様が吊り橋の法則なる効果で恋心を抱くのでは••と不安に思ったりして、そんな事を思う自分に苦笑してしまったものだ。
でもリアンカ様に俺が出来る事は
ただ、リアンカ様の幸せを願うのみだ。
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